猫は味を感じる味蕾(みらい)が少ない
味覚に関してはやはり、猫は優れた感覚を持っているとは言い難いようです。人間や犬、そして猫なども含めた動物の舌にはザラザラとした突起のような部分があり、ここには味蕾(みらい)という味を感じる細胞が集中しています。
この味蕾の数については人間で約10,000個、犬は2,000個ぐらいあるとされているのですが、猫はそれよりも少ない1,000個以下しかないと言われています。
このことから、猫は人間や他の動物に比べるとやはり味の感覚があまり鋭くなく、やはり味オンチであると言えるかもしれません。
猫に分かる味とは
このように、猫は味蕾(みらい)の少なさから、人間や犬などと比べて味覚が発達していない傾向にあることが分かりました。では少なからず猫に分かる味とは、どのようなものなのでしょうか。
基本的に猫に分かる味は酸っぱい、苦い、塩辛いの三つであるとされ、甘みについては基本的に感じることはできないとされています。甘味については猫が肉食動物であり、穀物などに含まれる甘味を摂取する必要がなかったため、その味覚が失われたのではと考えられています。
感じる順番は
ちなみに猫がより敏感に感じ取れる味としては、酸っぱさ、苦さ、塩辛さの順番で分かりやすいようです。酸っぱさについては主食の肉に含まれる、リン酸やカルボン酸などの成分が猫にとって旨味成分なので特に敏感なのだそうで、苦みについては野性下で獲物の肉が腐敗し、毒性を持つと苦みが生じるため、この味についても敏感な傾向にあるようです。
塩辛さについては3つの味の中でもそれほど敏感ではなく、これは猫の主食となる獲物の血液などに塩分が含まれているため、あえて自分から積極的に感受する必要がなく、そのため他の味覚よりも鈍くなってしまったと言われています。
猫はにおいで美味しさを判断する
猫は上記のように、それほど多くの味が分かるわけではありませんが、味覚に比べて嗅覚は非常に優れており、食べ物のにおいでそれが美味しいかどうかを判断する力には優れています。猫の鼻のにおいを感じる受容体は約6,500万個あるとされており、人間が1,000万ぐらいとされているので、それと比べてもかなり嗅覚が鋭いと言えます。
また他にも、匂い以外に歯触り、噛み応え、温度など猫は味覚以外の感覚で食べ物が好きか嫌いかを判断しているとされ、このため味覚は鋭くなくても食べ物の選り好みは激しい、という時もあるようです。
このように猫の味覚の鋭さはイマイチですが、人間で言えば香りで飲み物などを味わうソムリエのように、鼻で食事を楽しむタイプと言えるでしょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:かんぱち♂ / 雑種 / 1.6kg
いかがでしたか?やはり猫の味覚は人間や犬に比べると鋭くなく、味覚オンチと言われてしまうのもあながち間違ってはいないようです。
しかし猫は味覚以外の嗅覚などの感覚には非常に優れており、食感なども食べる際には重視する傾向にありますから、口で味わうことには長けていなくても、できるだけご飯を美味しく食べられるように工夫してあげたいものです。