猫吸いとは?
猫吸いとはスキンシップのひとつで、猫の被毛に顔を埋めて息を吸い込むことをいいます。ある女性歌手が、Twitterで「猫は吸うもの」とツイートしたところ、猫好きさんの間で多くの共感を得たことから普及しました。具体的に次のような場所を吸います。
- 背中
- おでこ
- 後頭部
- 腹部など
猫は体臭がほとんどなく、むしろミルクやベビーパウダーのような魅力的な香りを放っていることがあります。そして、モフモフとした柔らかい被毛を撫でていると、自然と吸いたくなってしまいます。
これは、良好な信頼関係が築けていなければできない高度な愛情表現になります。
猫吸いは危険!?注意してほしいポイント
独特な愛情表現ともいえる猫吸いですが、過剰にやりすぎてしまうと猫にも人間にも危険が及ぶ場合があります。ここからは、猫吸いで気をつけてほしいポイントをご紹介いたします。
猫がストレスを感じてしまう
猫が嫌がらない範囲であれば大丈夫ですが、あまり猫吸いに時間をかけてしまうとストレスを感じるようになってしまいます。
猫吸いをしている途中で、耳がイカ耳になっていないか、しっぽを床に叩きつけていないかなど、猫が嫌がるサインを見逃さないようにしましょう。
怪我をするリスクがある
特にデリケートな腹部を吸う場合は要注意です。万が一負傷してしまった場合は、速やかに傷口を綺麗な水で洗いましょう。そして刺激の少ない消毒液で消毒し、出血があれば絆創膏で保護します。
稀に、猫による引っ掻き傷や噛まれた傷がきっかけで「猫ひっかき病」を発症することがあります。傷口が化膿する・発熱・頭痛・リンパ節の腫れなどが見られる場合は病院を受診し、猫によって負傷した旨を伝えましょう。
感染症にかかるリスク
トキソプラズマ感染症
これは、トキソプラズマという原虫に感染した猫が保有する、原虫の卵などが人間に感染して起こる病気で、感染経路は経口感染です。猫吸いをしていると、知らぬ間に摂取してしまう恐れがあるのです。
ただし、これ自体は弱い感染症なので健康体であれば、無症状である場合がほとんどです。しかし、妊婦さんが感染してしまうと、胎児に影響が及んでしまいます。妊娠中は猫との過剰なスキンシップ(猫吸いも含む)を避けてください。
Q熱(コクシエラ症)
猫に寄生しているダニを媒介とする感染症です。主に排泄物や皮膚などに含まれていることがあります。
こちらも無症状であるケースが多く、出現する症状としては風邪に似た悪寒・発熱・頭痛などが挙げられます。場合によっては気管支炎や肺炎などの呼吸器症状が出ることもあります。
サルモネラ菌
サルモネラ菌は食中毒として知られている感染症ですが、猫と過剰なスキンシップを取ることがきっかけで発症することもあります。
症状は胃腸炎が主なものです。免疫力の弱い子どもや高齢者の場合は重症化することがあるため、要注意です。
猫吸いをしてはいけない人
次に紹介する人々は猫吸いを控えたほうが良いでしょう。また、子どもの場合は知らぬ間に大人の真似をしてしまうものです。よって、保護者の方も子どもの前では猫吸いをしないように気をつけてください。
子ども
子どもに猫吸いが危険な理由は感染症のリスクだけではありません。力加減や、猫がやめてほしいというサインを理解できないことで怪我をする恐れがあります。
さらに猫にとっても大人がやる以上にストレスになってしまう可能性があります。概ね中学生未満の子どもや、その保護者の方は控えるようにしましょう。
高齢者
高齢になると免疫力が低下し、感染症のリスクが高まります。さらに、感染症にかかっても熱が出にくい特徴を持っているため、発見が遅れてしまうことがあります。猫吸いに限らず注意が必要です。
免疫抑制剤を用いた治療中の方
自己免疫疾患などで、免疫を抑えるはたらきを持つ、免疫抑制剤を服用している方も猫吸いは控えたほうが良いでしょう。猫と触れ合う際は過剰なスキンシップを控え、よく手洗いをするように心がけてください。
まとめ
適度な猫吸いは、愛猫も受け入れてくれて日課になることもあるでしょう。ただし、くれぐれも過剰にならないように気をつけましょう。
たとえ健康体であっても、強い疲労感を感じているときや体調が優れないと感じる際は猫吸いを控えるようにしましょう。