野良猫の食糧事情
猫は生来のハンターですから、野良として過ごしている猫達はネズミ、小鳥、トカゲ、カエルなどの小動物などの他、時にはゴキブリやセミなどの昆虫も餌として捕獲して食べているそうです。
しかしこれらの生き物はいつでも簡単に捕獲できるわけではなく、狩りがうまくいかなければずっと餌にありつけないこともあります。また、都会の片隅で暮らす野良猫の場合、このような生き物の数も元々そこまでたくさんいるわけではない上に、冬になればこれらの生き物達を見つけるのもさらに難しくなってしまいます。
このようなことから、野良猫達は自分で狩りをするだけでなく、人間の残した残飯をもらったりすることでなんとか命を繋ぐという方法で生き延びています。
飲み水はどうしているのか
野良猫達は食事だけでなく、飲み水も当然ながら自己調達しなくてはいけません。このような猫達は水分を雨水や水道水、用水路など様々な所から確保していますが、泥水だったり、水の中に洗剤などの猫にとって有害な物質が含まれていたりと、水を飲むことで病気になってしまう猫の多いとされています。
猫の寿命は飼育下では15年ほど生きることもあるようですが、野良の場合は5歳前後までに多くの猫がその命に終わりを迎えるとされています。
これは食料の問題や飲み水を確保するのがいかに大変であり、不衛生だったりして病気になるリスクも含んでいるか、ということを如実に表していると言えるでしょう。
野良の生活は外敵との戦いの連続
野良猫は野外で暮らしていますので当然、他の生き物達と同じテリトリーで過ごしているということになります。例えばカラスは猫の天敵として有名ですが、カラスは電柱などに停まっていつも餌となる対象を探しています。
このカラスは見るからにか弱い子猫だけでなく、体調を崩したりして弱っている様子の大人の猫も標的にすることがあります。カラスは弱っている猫をクチバシで執拗に突っつき、結果命を奪い捕食するのです。
また、この他にも地域によっては青大将などの蛇、トビなどの猛禽類に狙われたりすることもあります。さらに野良猫の脅威となる存在はこのような野性で暮らす動物達だけでなく、道路を走る車、猫を虐待しようと考えている人間など様々です。
まさに野良猫の生活は、気を抜くことができない外敵との攻防に明け暮れる日々、と言ってもいいかもしれません。
過酷な冬は辛く危険な季節
猫は毛がモコモコしていますから暑い夏も苦手ですが、本来猫はエジプトなどの地域で暮らしていたとされることから寒い冬もとても苦手です。猫達は冬になると民家の庭に置いてあるダンボール、軒下などでなるべく寒風を避けて過ごしたり、家族や兄弟の猫が他にいる場合はその猫達とくっつき合ういわゆる猫団子状態になって冬をしのぐこともあるようです。
また他にも、車の下に隠れて寒さを避けていたりすることもありますが、中には寒さからエンジンルームに入り命を落としたり(ボンネットを叩き猫バンバンするのはこのため)下にいることに気づかれず、車にひかれてしまうというケースもあり、寒さだけでなく、そういった危険があることも野良猫にとって冬が過酷である理由の一つと言えるでしょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:キツネ♂ / 10歳 / 茶トラ / 5kg
いかがでしたか?野良猫の暮らしは人間が考えているよりもずっと過酷なようです。もしもこれが人間に飼われ、普段から可愛がられている猫だとしたら、とてもではないですが生きていくことは難しいでしょう。
このようなことからたとえ飼い猫であったとしても、迷子になったりして野良の生活を強いられることのないように、十分に気をつけてあげなくてはならないでしょう。
また、もしも野良猫を近所で見かけて仲良くなり、保護が必要と感じたのであれば、そのような猫達を家族に迎えてあげることも、猫の幸せに貢献することかもしれません。