座る場所から見えてくる猫の気持ち
猫は人の言葉を話せません。そして、表情も人間のように豊かとはいえないために気持ちを察することが困難です。
しかし、不可能ではありません。猫の気持ちは、些細な行動に見え隠れしているものです。ここではその一つである「座る位置」から、猫の気持ちを考えてみたいと思います。
1.飼い主さんの膝の上
飼い主さんの膝の上は、猫にとって落ち着く場所です。自ら膝の上で香箱座りをする場合、飼い主さんを信頼しリラックスしている状態です。
なぜなら、香箱座りは前足を折りたたむため、すぐには立ち上がれない座り方だからです。つまり警戒していないことを表しています。並びに、膝の上で眠る行為も同様です。安心して寛いでいるので、少々付き合ってあげましょう。
逆に、膝の上に座っていてもキョロキョロと落ち着きがない場合は警戒しています。その原因を飼い主さんも一緒に探ってあげましょう。そして、対処可能なものであれば早急に対処して安心させてあげてください。
2.すぐに触れられる位置
拘束されたくはないけれど、飼い主さんのそばにいたい。そう思う猫は、飼い主さんがすぐに触れられる位置に座ります。適度に甘え、気が変わったらすぐに移動できるように程よい距離感を保っているのです。
飼い主さんに背を向けたり、寝転ろんでいたりするのであれば落ち着いた状態です。時々声をかけてあげましょう。
3.視界に入るが離れた位置
お互いに動向が伺える位置にはいるものの、離れた場所にいるときは、自分の時間を楽しみつつ飼い主さんの行動を時々気にしている状態です。
特に威嚇するでもなく、寛いでいるのであれば精神的に落ち着いているでしょう。こちらをチラチラと見てくる場合は、離れた位置から構ってほしいのです。時々話しかけてみましょう。
4.部屋の隅っこで固まる
特に普段と変わりない様子で隅っこにいる場合は、一人で落ち着きたいだけなので心配はいりません。しかし、明らかに怯えている場合や、警戒している様子が見られる場合は、愛猫の名前を呼んで落ち着かせながら原因を探りましょう。
猫は聴覚が優れているため、些細な物音や人のくしゃみなどに驚いて隠れてしまうこともあるのです。このように、悪気はなくても人間の行動が原因であれば「びっくりしたね。もう大丈夫だよ」と安心させてあげましょう。
5.高い場所
猫が高所を好む理由は天敵に見つかりにくく、逆に自分自身はいち早く天敵の居場所をキャッチできることが主だったものになります。家庭で暮らす猫にも野生の本能は残っています。だから、時々高所に登って周囲を観察するのです。
猫が家庭内で高い場所に座っているときは、観察以外にも次のような思いがあるのです。
- 誰にも邪魔されずにリラックスできる
- やや警戒している状況もある
- 優位に立ちたいときもあるなど
このように、猫が高い場所にいるときは様々な心境を抱えています。普段通りの日課であれば気にしなくても大丈夫です。もし来客があった際に、一時的に避難している場合はそっとしておきましょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:定春♀ / 2歳 / スコティッシュフォールド / 3.5kg
愛猫の気持ちを知りたいと思うときは、今回紹介したような座る位置と同時に耳やしっぽの動き、そして目(瞳孔)の動きなどにも注目してみると良いでしょう。
例えば目を細めているときはリラックス、瞳孔が大きくなっているときは興奮状態。さらにイカ耳になっている場合は警戒中、それに加えてしっぽをバタンバタンと叩きつける仕草が見られたら不機嫌を意味しています。
どこに座るかに加え、これらも合わせて様子を見てあげましょう。万が一、隅っこでうずくまったまま動きが見られない場合は体調不良を疑いましょう。