1.お釈迦様のお使いであるねずみを食べたから
猫が十二支に入れてもらえなかった一つ目の理由として、お釈迦様の使者であるねずみを猫が食べてしまったからという話があります。
お釈迦様の本名はゴータマシッダールダという歴史上に実在した人物なのですが、そのお釈迦様は80歳ぐらいになった頃、とある家で食べたキノコ料理が原因で中毒になってしまいます。お釈迦様は高齢ということもあり、この中毒がきっかけで体調が悪化してしまうのですが、その時に薬を取ってくる役目を与えられたのがねずみだったとされています。
しかし、ねずみは使命を果たす道中で猫に捕まり食べられてしまい、結果的に薬は届かずお釈迦様は回復することなく亡くなったということです。
このように、ねずみに薬を取ってくるように命じたというのはもちろん実話ではなく創作でしょうが、過去にはもしかするとたとえ物語であっても、お釈迦様の亡くなる原因を作った猫を十二支に入れるなんてけしからんと考えた人たちがいて、その結果、猫は十二支候補から外されてしまったのかもしれません。
2.ねずみに騙されて干支に入れなかったから
こちらのお話では、猫が十二支に入れなかった理由が語られています。それによれば昔、神様が動物たちに元旦に自分の所へ来るように命じたのですが、猫はねずみに嘘をつかれて元旦ではなく、その次の日の1月2日に神様の元を訪ねてしまったのだそうです。
神様は遅れてきた猫に「今まで寝ていたのか、顔を洗って出直してくるがよい」と言い、そのときから猫は顔を洗うしぐさをするようになったのだとか。また、このときの出来事から猫はねずみをうらむようになり、今でもずっと追いかけているともされています。
このように、猫が十二支に入れなかった二つ目の理由は完全にねずみの方が悪く、猫は非常にかわいそうな理由で除外されてしまったというものになります。
3.猫が身近な動物ではなかったから?
猫は日本ではかなり古い時代から人間と一緒にいるようですが、例えば貴族の愛玩用や、宝物殿の品をかじられないようにするためなど、猫の飼育者には身分の高い人たちや富裕層が多かった可能性も高いでしょう。そのため、一般の庶民の人たちにはもっと他の動物の方が親しみを覚える存在だったかもしれません。
そもそも干支(十二支)という概念は、季節や時を知るために用いられていたもので、大昔には難しい文字を読むことができなかった一般の人たちにも、分かりやすく暦を浸透させるために身近な動物を用いたのだそうです。
そのため、十二支は国によって含まれている動物が異なり、日本では猫が除外されていますが隣国では逆に12の動物の一員として扱われている場合もあるのです。
海外の十二支
例えば、ベトナムでは卯(うさぎ)が含まれず、代わりに猫が十二支として数えられていますし、東ヨーロッパのブルガリアでも寅(とら)が猫になっています。
また、これは猫ではありませんが、他にもどんな動物が十二支に含まれるかは国によってがらりと変わることも多いようです。
ベトナムでは丑(うし)が水牛になっていたり、中国では亥(いのしし)はブタ、イランでは辰(たつ)はクジラ、インドでは酉(とり)はガルーダという神の鳥になっていたりと、その地域の人々に一番親しみやすい動物を十二支として含む傾向があるようです。
このように大昔から猫は存在していたようですが、当時の日本の一般の人たちには他の動物を用いた方が干支(十二支)の概念を伝えやすく、結果として猫が十二支に含まれなかったということも可能性ではありますが、否定できないでしょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:レン / ♂ / 3歳 / キジトラ / 5.2kg
いかがでしたか?猫が十二支に入れなかったのは、物語や伝承ではお釈迦様のお使いであるねずみを食べてしまったから、逆にねずみに騙されたからなどが理由のようです。
また、昔の日本では一般民衆に親しみやすい動物を12選んだ結果、猫が候補からあぶれてしまった可能性もあるでしょう。
干支の概念は元々、暦や季節を知るために用いられてきたものですが、その国ごとの十二支を見れば、その地域の人たちの猫も含めた動物たちに対する感じ方や捉え方の違いを知ることができる、面白いものでもあるようです。