猫の意外な行動~飼い主さんを探しまわる理由~
猫が飼い主さんを探しまわるという行動は、少々意外なものかもしれません。獲物を探すのならまだしも、本来単独行動で暮らす猫はなぜ飼い主さんを探すのでしょうか?そこには可愛らしい理由が隠されていました。
1.子猫感覚が強く残っている
幼い頃から人間と暮らす猫にとって飼い主さんは、いわば母猫のような存在です。そして室内飼育であれば、野生の厳しい環境を生き抜くこともありません。必要なお世話は全て飼い主さんがしてくれます。つまり、体は大きく成長しても子猫らしさが強く残りやすいのです。
子猫感覚が強く残る猫は、成猫になっても飼い主さんを頼ります。だから、姿が見えなくなれば思わず探したくなるのです。"ママどこ行っちゃったの?"という心境なのでしょう。
2.我が子を探しまわっている
猫は人間を、"大きいのに鈍臭い猫"と認識しています。猫としてはまだまだ半人前の飼い主さんを我が子のように思い「守るべき存在」と感じる猫もいるようです。
先ほどとは真逆のパターンです。猫が飼い主さんを子猫として見ている場合は、忙しなく動く様子を見てハラハラするのでしょう。"まったく、どこに行ったのかしら"と探しているのです。
厳しい野生の世界では天敵であるカラスや、子殺しを目的としたオス猫が子猫をターゲットとしています。母性本能が強い猫は我が子を守ろうと必死なのです。
3.食事や遊びの催促
野生の猫社会を知らない室内飼育の猫は、人間風にいえば自炊することができません。食事は飼い主さんが用意してくれます。そこで、空腹を感じると飼い主さんを探して催促するのです。
そして、催促は食事だけではありません。ありとあらゆる要求を飼い主さんにしてきます。自分よりも遥かに小さい猫に頼られると、母性本能をくすぐられて嬉しくなるでしょう。
しかし、全ての要求にその都度応えることは不可能です。さらに、これをしてしまうことで猫の健康や行動面で問題が生じる可能性があります。
4.不安で耐えられない
猫というとクールな印象が強いでしょう。甘えん坊とは程遠いイメージがありますが、猫にも個性があります。中には甘えん坊の要素を強く持つ猫もいます。
このような特徴を持つ猫は、飼い主さんの姿が見えなくなると強い不安を感じてしまうことがあります。これは分離不安という現象です。単に探すだけではなく、大声で鳴いたりイタズラをしたり、体調不良を引き起こすようなら要注意です。
猫が騒ぎを起こしている最中には構わず、落ち着いたら優しく声をかけるようにしましょう。また、愛猫を安心させるために一緒に過ごす時間を必ず作るようにしましょう。
5.自己アピール
飼い主さんを捜索したり、付きまとう行為は一種の自己アピールをしている場合があります。これもわどちらかというと甘えん坊で、常に飼い主さんに見守ってほしいと思っている猫に多い行動です。
背景に不安がある可能性も考えられます。姿が見えなくても安心できる環境を整えてあげることが大切です。
家猫の自立とは?
人と暮らす猫は、当然ながら独立して家庭を離れることはありません。とはいえ、ある程度ひとり遊びができるようになってほしいものです。家猫の自立の目標は「留守番ができる」ことになるでしょう。そのためには、次のようなことを心がけてください。
- 食前に狩りに見立てた遊びをする
- ひとりで黙々と遊んでいるときは放置する
- 一緒に過ごす時間を作る
家庭内にいても、少し猫らしい生活を取り入れると自信につながります。そして、メリハリをつけることで自ずと甘えても良いタイミングと、ひとりで過ごすタイミングを理解できるようになります。
まとめ
今日のねこちゃんより:れい / ♂ / サバトラ / 0.2kg
普段は素っ気なく、クールな猫が自分を探してくれるとなると、思わず愛おしさを感じるでしょう。分離不安のようなトラブルを抱えていなければ、特に心配しなくても大丈夫です。猫らしさを大切にしつつ、心から安心できる環境の中で関係性を深めてください。