1.従わせようとする
猫に対して犬のようなしつけを行うのは有効ではありません。犬は飼い主を自分を構成する大事なパートの1つとしてとらえ、飼い主の指示に従って褒められることに喜びを感じます。しかし、猫にはそもそも他人に従うという概念はありません。これは猫が基本的に単独行動をする習性であるためです。
猫同士の関わり合い
とはいえ、猫にもゆるい感じのコミュニティーは存在するようです。多頭飼いをしていると一緒に遊んだり寄り添って眠ったりしますし、地域猫たちは「猫の集会」で集まってみたりします。
ひと昔前は未避妊の野良猫がいるのも当たり前だったので、他の猫が産んだ子に違うメスがおっぱいを与えるという協力的なこともありました。そういった意味で他の猫と関わることはあるのですが、猫たちは他の猫に従うことはせず、あくまでも個々として生活をする生き物です。
猫へのしつけとは?
そのため、猫に「ダメ!」「おすわり!」などとしつけの指示を出してもポカンとしてしまったり、ただ大きな声にビックリして逃げて行ってしまうことでしょう。猫に「待て」や「おすわり」など犬のように指示に従ってもらうしつけは相当難しいことです。
もし猫にしつけができるとしたら、壁を引っかいたりテーブルに上ったりする問題行動を止めてもらうことだけだと感じます。猫に「ダメ!」と叱っても効きませんが、その行動をすると嫌な思いをすると覚えてもらう「天罰方式」のしつけを行うことで、猫は自然とその行動をとらなくなります。犬には犬の、猫には猫のしつけをすることが重要です。
2.過度なスキンシップ
猫について熟知している飼い主さんは、一見すると「猫が好きではないのでは?」と思うくらい猫との距離感があります。なでたり抱っこするときはいつも猫の方から寄ってきた時だけで、あとは放っておく方が多いです。
猫の気分は一瞬で変わる
猫に理解のある方は触り続けることもしません。それは、猫の心は秋の空以上に変わりやすいと知っているためです。神経質な猫ちゃんの場合、自分から「なでて~♡」と寄ってきて頭をゴチゴチぶつけてきたかと思えば、いきなりガブッと本気で噛んできたりします。
ほんとに意味不明な行動に見えますが、猫の気分はそのぐらい一瞬で変わってしまうのです。そのことを知っている方なら、たとえ猫の方から寄ってきたとしても、あまり過度なスキンシップをしません。
猫のボディランゲージを知っておくのも大事
猫がゴロンとお腹を見せて横たわる仕草をすることがありますが、これはお腹をなでてほしいわけではなく「遊んでほしい」「注目してほしい」という気分の時です。お腹をワシワシ触られるのを嫌う子は多くいますので、犬のようになでてしまうとかえって怒られてしまうかもしれません。
猫との暮らしが長い方は、猫のボディランゲージを良く知っています。猫が嫌がっているのか喜んでいるのかを理解できるので、もし猫を触っていて不機嫌そうなら止めてあげることができます。
人間であっても話の通じない相手には嫌気がさしてしまいますよね。猫と円満に過ごすには、ボディランゲージという猫語を知っていることも重要なのです。
3.寝ているところをかまう
猫は単独行動をしてきた動物なので、野生の警戒心が強く残っています。犬は群れを成してお互いに守り合うことができますが、ひとりぼっちの猫は自分の身は自分で守らなくてはいけません。そのため、猫は臆病さや神経質さのある動物で、少しでも「怖い」「危険」と感じると猫はすぐに逃げたり隠れたりします。基本的に猫は臆病な動物です。
猫はビックリすることが嫌い
動物にとって、眠っている時が一番無防備な状態の時です。猫は人間のように深い眠りを長く取ることはせず、浅い眠りを長くとっていつでもすぐに起きられるようになっています。猫は臆病で警戒心の強い動物ですので、ビックリすることが何よりも嫌いです。
寝ていたりリラックスしているときにいきなり触ると猫をビックリさせてしまいますし、それによって「この人は油断ならない人」と思われて猫との信頼関係が悪化してしまう恐れもあります。寝ている猫はそっとしておいてあげるのがベストです。
4.トイレの掃除を怠る
猫との生活が長い方なら、猫がどれだけ神経質な生き物かということをご存知かと思います。もちろん、穏やかでおおらかな「細かいことは気にしない系」の猫ちゃんもいますが、ほとんどの猫ちゃんは少しの異変にも反応してしまいます。
その代表がトイレへのこだわりです。神経質な猫ちゃんの中には、トイレが少しでも汚れているとトイレを我慢してしまう子もいるほどです。また、猫砂の種類や香料、トイレの大きさや形状、トイレの場所などにも好き嫌いがあり、気に入らないトイレではしなくなってしまうこともあります。
ストレスで膀胱炎になることも
猫の疾患で最も多いものの1つに「下部尿路疾患」があります。これはオシッコにまつわるトラブルの総称で、膀胱や尿道になんらかの問題が出るものです。病気を引き起こす際には何らかの原因があるものですが、猫の下部尿路疾患で最も多い「突発性膀胱炎」では原因がはっきり特定できない場合が多いのです。
猫は些細なことにもストレスを感じてしまいます。例えばトイレが汚かったり、トイレのある場所が寒かったり、猫砂が気に入らないなどの理由でオシッコを我慢してしまうこともあります。これらが猫にとってストレスとなり、オシッコをがまんしてしまうことで膀胱内の環境も悪くなり、膀胱炎が加速してしまいます。
このように、猫はトイレの環境にとても神経質です。猫のことを熟知している飼い主さんはそのことも知っていますので、トイレを汚れたままにしたりいきなり猫砂を全然違う種類に変更したりしないでしょう。
5.同じ空間で煙草を吸う
世間では禁煙分煙化が盛んに進んでいますが、猫がいる空間で喫煙をするのも百害あって一利なしです。
喫煙者がいる家庭の猫は、喫煙者がいない家庭の猫に比べてリンパ腫を発症する確率が2.4倍になるという調査があります。また、煙草は心臓病や呼吸器系、目の疾患、ガンなどさまざまな病気の原因となり得ます。
煙草が猫に有害な理由
猫にとって煙草が有害な理由は
- 煙草の煙は空気より重く下の方に溜まる
- 猫はセルフグルーミングをする
- 煙草を誤飲すると死に至る
などが挙げられます。
猫は全身を自分で舐めてグルーミングをします。被毛に煙草の煙の成分が付着しているのに舐めてしまうのです。そして、煙草は煙だけではなく本体や灰も有害です。煙草本体は誤飲すると死に至るほど危険なものです。
テーブルに落ちた灰を踏めば、それもまた舐めてしまうでしょう。また、煙草の煙は空気よりも重いため、部屋の下の方に溜まります。猫の大きさからすれば、有害な煙の中で呼吸をしなければいけなくなります。
煙草は趣向品ですので、成人を迎えているならば本人の自由です。しかし、猫へのリスクを知った上で決断するべきです。
まとめ
今日のねこちゃんより:ごましお / ♀ / 黒ブチ / 3kg
せっかく猫と暮らしているのですから、お互い健やかに良い関係を保って暮らしていきたいですよね。猫の習性や生態を熟知している飼い主さんは、猫がどのような動物かということを知っています。
猫がどんなことを好み、どんなことを嫌がるのかという知識を持って接することが重要です。犬と比べて猫は個を大事にする動物ですが、飼い主さんが自分にしてくれることをちゃんと見ています。
それはなでたり遊んだりすることだけではなく、あえて放っておく優しさやトイレ掃除などのこともちゃんと見ています。猫たちは猫たちなりに、飼い主さんの正しい接し方に対して良い信頼関係で応えてくれるはずです。