猫の気分が変わりやすい驚きの理由
猫はまるで、気分屋のようにコロコロと態度を変化させます。身勝手な行動にも思えますが、これには驚きの理由が隠されていました。
1.周りを気にする習慣がない
「周囲に気を配る」という感覚は、集団生活ならではの習慣です。人間は社会に適応するために、その場に相応しい行動を意識します。
一方、単独で生活する猫にそのような習慣はありません。常に自分の身の安全を確保し、逞しく生きています。猫に気を配る行動が見られるのは、子育てをする場面です。母性本能が強い猫は、全力で子猫を守り抜きます。
このように子育てをしている場合は、自分以外の存在を守るために行動を起こしますが、それ以外では周囲の動きよりも個を重んじているといえるでしょう。よって、"誰かに合わせる"という感覚が未熟なのです。
2.気持ちの切り替えは生きる知恵
野生界では効率よく狩りを行い、体力を温存し、迫り来る危険を察知しなければなりません。このように、いつ何があるか分からない状況では絶えず冷静に判断し、それに応じた行動をとらなければなりません。
たとえ狩りに失敗しても、落ち込んではいられません。素早く気持ちを切り替えなければ生きていけないのです。
これは、本能として家庭で暮らす猫にも備わっています。単なるわがままというよりは、猫本来の習性によるものだと理解してあげましょう。
3.感覚が鋭く瞬時に反応する
猫は感覚器官や身体能力が優れています。我々人間には感知できないような些細な物音や、においに敏感に反応します。
リラックスしていたかと思うと急に走り出したり、何もない場所をキョロキョロと見つめたりするのもそのためです。
家猫も、鋭い感覚器官によって気分がコロコロと移り変わります。これもある種野生の本能です。命に関わるような危険な行動を取らない限りはあたたかく見守りましょう。
色々ある!猫の気分モード
家庭で生活する猫は、飼い主さんと過ごす中で、気分のチャンネルを切り替えて飼い主さんを飼い慣らしています。
ここからは、猫が持つ気分のチャンネル「気分モード」をいくつかご紹介いたします。
子猫モード
飼い主さんに甘えたいときは、子猫モードを使いこなします。つぶらな瞳で見つめ、甘えた声で鳴き、愛猫を最優先にさせる魔力を持ちます。
そして、夢中になりはじめたところでコロッと気分が変わります。まさにツンデレなところが猫の魅力です。
また、要求があるときも基本的には子猫モードです。ついつい過保護にならないように気をつけましょう。
親猫モード
自分自身が親となって、飼い主さんのお世話をしようとすることがあります。顔や手を熱心に舐めて(毛繕い)身なりを整えたり、獲物を持ってきてくれることがあります。
獲物は、室内飼育であればおもちゃが主流です。稀に室内に侵入した虫の場合もあるでしょう。戸惑う行動ですが、その場では感謝して後でこっそり片付けるようにしましょう。
野生モード
猫には朝方や夕方になると活発になる習慣があります。なぜかというと、本来であれば狩りをする時間だからです。眠りから覚め、ドタバタと走り回ります。
若い猫はエネルギッシュなため、深夜にこのモードが発動することがあります。これを防ぐためには一日に一度、狩りに見立てた遊びを取り入れ、エネルギーを消耗させるとよいでしょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:りゅう / ♂ / 7歳 / マンチカン / 3.5kg
猫が気分屋なのは、厳しい野生の世界を生き抜くための知恵という意味合いが強いものです。環境の変化を感じとり、身を守るためにはその場に適した行動を取らなければなりません。この本能は、家猫にも根強く残されています。
そして我々が、猫を様々な対象と重ね合わせて可愛がるのと同様に、猫も飼い主さんを自分が求める対象に見立てています。
愛猫が持つチャンネルを把握し、そのモードによって対応していきましょう。猫と暮らすということは、猫に飼われるということなのかもしれません。