頑張らなくてもいいんだよ!~猫のお世話~
「猫は手がかからない」といいますが、実際には猫も手がかかります。さらに猫は、野生の本能を強く残している動物であるが故に警戒心が強く、独自のポリシーを持って生きています。
そして、その生活を支えているのが飼い主さんです。愛猫の気持ちに寄り添えるように、日々奮闘しているでしょう。しかし、忙しい中でのお世話は大変なことも多いはずです。
「猫が好きで一緒に暮らしているのだから泣き言は言えない」と抱え込まないでください。大切な愛猫のためとはいえ、意外と頑張りすぎてしまっていることがあるかもしれません。ここでは、愛猫のお世話の中で、上手に手を抜く方法をご紹介いたします。
1.室内の掃除は毎日しなくても大丈夫
猫は綺麗好きです。だから常に室内が清潔でなければならないと思っている飼い主さんもいらっしゃるでしょう。そして、頑張り屋さんの飼い主さんは大変でも毎日のように掃除機をかけ、日に何度も床を拭いているかもしれません。
しかし猫の場合は散歩を必要としないため、基本的には室内のみでの生活になります。すると、意外と室内の清潔感はある程度保つことができます。よって、毎日頑張らなくても大丈夫なのです。
長毛種の場合は、絨毯に被毛が付着するでしょう。掃除機をかけない日は粘着ローラーで気になる部分だけ掃除すれば十分です。1日~2日に一度程度掃除機をかければ、健康面においても問題は起こりません。
2.1日2回食にこだわらなくても良い
獣医さんによって見解は異なるものの、成猫になると概ね1日2回食でよいといわれます。ある程度の量を一度に食べられる猫の場合はそれで構いません。
しかし中には食が細く、2回では思うように食べられない猫もいます。「もう成猫なのにどうして」と悩むでしょう。このようなケースでは回数にこだわりを持たなくても大丈夫です。
1日の摂取カロリーを大きくオーバーしないように注意しつつ、2回以上に分けて食べさせることは問題ありません。猫にもそれぞれ個性があります。全ての猫が皆、食欲旺盛とは限りません。愛猫が食べやすい方法を見つけてあげてください。
ただし、1日1回のみの食事ではその後の空腹時間が長くなり、体に脂肪を溜め込みやすい体質になってしまう恐れがあります。とても食が良いからと、1回のみで済ませることはできるだけ避けるようにしてください。
3.トイレ掃除にもひと工夫を
猫のお世話の中で、大変でも避けられないのがトイレ掃除です。これは、怠ってしまうと粗相や我慢の原因となり、場合によっては泌尿器系の病気になる恐れがあります。トイレ掃除はどのような工夫をすれば楽になるのでしょうか。
その方法としては、「システムトイレ」を活用することです。これは従来の猫用トイレとは異なり、二段式になっています。一段目に使用する専用の猫砂を尿が通過し、その下の段のシートに吸着される仕組みになっています。これにより、便の始末以外は1週間程度しなくてもよくなります。気になる場合はもう少し頻繁にしても良いでしょう。しかし、毎日は必要なくなるため画期的です。
これからトイレを新調しようと考えている場合は、検討してみてください。
4.全ての要求に応えなくても大丈夫
猫の中にも甘えん坊は存在します。そして、この傾向が強い猫は、常に飼い主さんのそばにいることを望み、どこへでも着いてきます。まさにストーカーです。このストーカー猫の要求を全て受け入れてしまうと、飼い主さんのほうが疲弊してしまいます。そこで、上手に距離を置く方法を検討してみましょう。
たとえば、鳴いていてもプライベートな空間(トイレや浴室)に入れないと決めたら徹底します。最初は心が痛むかもしれませんが、何れにしても長時間ではありません。すぐに帰ってくると分かると徐々に理解できるようになります。分離不安の予防も兼ねて、少しの間だけ我慢することを教えましょう。
さらに、夢中になって遊べるおもちゃを見つけることも大切です。これがあることで、今まで飼い主さんにばかり注目していた猫が、おもちゃに関心を寄せるようになります。その間に自分の時間を持つことで、精神的にも楽になるでしょう。
5.猫は1泊2日程度の留守番であれば可能
たとえ猫と暮らしていても、リフレッシュは必要です。猫の健康状態や性格によっても異なりますが、概ね1泊2日程度の外出であれば猫のみで留守番をすることができます。
ただし、その場合は次のような準備が必要です。
- 食事と水を数箇所に分けて設置
- トイレの猫砂を多めに入れておく
- 施錠を確実に行う
- 危険なものを片付けておく
- ケージがあればより理想的
これらの準備を念入りにしておけば、丸一日プライベートを満喫することができます。上手にオンとオフを切り替えることで、より愛猫との生活が楽しくなるでしょう。
猫が飼い主さんに望むこと
愛猫は飼い主さんに何を求めているのでしょうか?頑張りすぎないことがいかに大切かを考えるうえで、少し猫の気持ちに触れてみたいと思います。
完璧じゃなくていい
猫にとって理想の飼い主さんは、完璧なママやパパではありません。いつもお世話をしてくれて、優しく見守ってくれる飼い主さんにはとても感謝しているはずです。
時々失敗してしまっても責めたりはしません。また、他の誰かと比較することもありません。愛猫にとって飼い主さんは唯一無二の存在なのです。
笑顔でいてくれること
猫は、人間の言葉の全てを理解することはできません。しかし、飼い主さんの雰囲気や表情の違いは敏感に察知します。飼い主さんが笑顔であれば、愛猫も安心して過ごすことができます。
一方で、神妙な面持ちであれば、愛猫も言い知れぬ不安に襲われるでしょう。さらに疲弊した飼い主さんを見ていると、愛猫も落ち込んでしまうかもしれません。
愛猫は頑張り過ぎて疲弊した飼い主さんの姿よりも、飼い主さんの笑顔を望むでしょう。少しくらい手抜きをしても、ともに幸せであってほしいと思うでしょう。
愛猫のお世話で最低限必要なこと
家事と同様に、猫のお世話も頑張りすぎないことが大切です。とはいえ、最低限必要なことはあります。これから紹介する事柄だけは、忘れないようにしてください。
新鮮な飲み水
猫にとって水分補給は大切です。元々猫は砂漠で生活していたため、水を飲む習慣が身についていません。これが、後々腎臓や泌尿器系の病気へと繋がります。
よって、水分補給を促すことは健康維持の観点から重要なお世話になります。常に新鮮な水が飲める環境を整えましょう。循環式のウォーターサーバーを活用すると便利です。
食事の用意を忘れない
食事も生きるためには必要不可欠です。これは忘れないように気をつけましょう。仕事で帰宅時間が遅くなることが多い場合は、外泊時と同じように数箇所に分けて食事を設置しておくか、自動給餌器を活用しましょう。
長毛種の場合はブラッシング
長毛種の猫と暮らす場合、ブラッシングは欠かせません。毛球症のリスクを考慮すると、最低でも1日1回は被毛の手入れをする必要があります。
これは一見すると重労働のように感じますが、ここでも少々手抜きをすることで継続しやすくなります。それは、毛玉ができやすい部分に限定して毎日手入れをする方法です。そのパーツは以下の通りです。
- 脇の下
- お腹
- 股の間
- 首の下
この4箇所においては毎日行い、そかの部分は軽くブラシをかけます。そして、時間があるときは全体を丁寧にブラッシングするようにします。こうすることで、無理なくお互いにストレスを感じにくい状況でケアをすることができます。
触れ合う時間を大切にする
掃除や、丁寧なブラッシングは毎日頑張らなくても大丈夫です。ただし、たとえ忙しくても愛猫と触れ合う時間は大切にしましょう。猫はクールで、ひとりで過ごすことを好むような印象を強く受けるでしょう。しかし、実際には飼い主さんと一緒に遊ぶことを楽しみにしています。
遊びに付き合う時間は、数分で構いません。お気に入りのおもちゃで遊んだり、撫でたりと時間を共有することに重きを置きましょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:レオナルドとフランシーヌ / ♂ / 雑種(ミックス) / 0.2kg
何事もバランスが大切です。頑張りすぎることで本人も自覚がないまま、どこかにそのしわ寄せはやってきます。
少し手を抜いたくらいでは、愛猫に悪影響は及びません。むしろ精神的に余裕ができるため、愛猫に心配をかけずに楽しく過ごすことができるでしょう。
愛猫は、笑顔の飼い主さんのぬくもりに包まれることを何よりも望んでいます。「頑張りすぎない勇気」も大切にしながら、愛猫と幸せに過ごしてください。