猫に静電気が溜まるのを防止する対策5つ

猫に静電気が溜まるのを防止する対策5つ

冬場は静電気が発生しやすい季節です。静電気に悩まされるのは人間だけではありません。猫も帯電しやすい特性を持っています。今回は、あの不快な静電気から愛猫を守る方法についてご紹介いたします。

静電気はなぜ起こる?

逆毛の猫

静電気は、物体同士が摩擦することで起こります。その正式名称を「火花放電」といい、体の表面に蓄積された静電気が金属をはじめとする物質に触れることで、一気に放電されます。

静電気は放電される際に、時には小さな火花を伴いながら「パチッ」という音とともに痛みが走ります。その他にも摩擦から、物質同士が張り付いてしまうことがあります。

猫が風船で遊んでいると、いつの間にか体に張り付いてしまう現象も一種の静電気です。冬場は静電気が発生しやすい時期です。一体なぜなのでしょうか?その理由について説明させていただきます。

静電気は「摩擦」と「乾燥」が原因!!

静電気が発生する条件は、先ほど説明した摩擦と乾燥が密接に関わり合っています。水は電気を通しやすい習性を持っており、湿度が高く水分が失われにくい夏場は自然と体内の電気が放出されます。

しかし湿度が低く、乾燥しやすい冬場は、放電が促されずに体内に留まってしまいます。さらに摩擦が起こりやすい素材の衣類を纏うことも相まって、他の物質に触れた刺激で一気に電気が放出されます。

静電気は一点に集中する

静電気が発生することで起こる、あの不快な衝撃には受けやすくなる条件があります。それは、指先でものに触れる行為です。面積が小さく、尖った指先で触れることで、電気が一点に集中して放電されてしまいます。

静電気は一点に集中し、一気に放電されることで、痛みを伴う静電気が発生するのです。冬場にドアノブやボタンに触れる際は、より面積が大きい手のひらを使って触れると良いでしょう。

猫は静電気が発生しやすい

猫の日常生活の中には、電気を溜め込みやすくなる要素がたくさんあります。例えば次のような行動です。

  • 飼い主さんにすり寄る
  • ブランケットが好き
  • 絨毯でゴロゴロする

これらの行動は、子どもが髪に下敷きを擦り付けて静電気を発生させる行動に似通っています。そう、猫に静電気が起こりやすい理由は主に「摩擦」によるものです。ちなみに、冬場は摩擦が起こりやすいブラッシングも注意が必要です。

愛猫を静電気から守ろう!!静電気の対処法について

リラックする猫

先ほども説明したように、猫は電気を帯電させやすい生活を送っています。触れ合ったときに不快な衝撃を減少させることはできるのでしょうか?ここからは、愛猫を静電気から守る方法をご紹介いたします。

1.指先で猫に触れない

顎乗せする猫

猫とのスキンシップには、指先で触れるものがいくつかあります。それは、基本の挨拶である人差し指を鼻に近づける行為です。鼻は濡れている場合が多いのでリスクは低いものの、眠たいときや寝起きには乾いていることがあります。念の為、注意が必要です。

そして顎乗せを好んだり、指先で触れる癖が飼い主さんにある場合は気をつけましょう。万が一放電した場合、猫はその正体が静電気であるということは理解できません。冬場はなるべく手のひらで触れるようにしましょう。

2.被毛に水分を与える

タオルを被る猫

猫にとって摩擦が起こりやすい生活習慣は、習性によるものが多いため予防することが困難です。そこで、もう一方の条件である「乾燥」を予防しましょう。

お湯で濡らしたタオルで愛猫の体を拭くことで、被毛に水分を与えることができます。ブラッシングをする際も、この蒸しタオルを活用すると静電気が起こりにくくなります。

3.室内の乾燥を防ぐ

加湿器が気になる猫

静電気が発生しやすい湿度は35%以下です。逆に、湿度が65%以上になると発生しにくくなります。猫が過ごしやすいと感じる湿度は50~60%です。乾燥する冬場でも、快適な湿度に近づけるようにしましょう。

さて、湿度を上げる手段で主流なのは加湿器による加湿です。しかし、加湿器は掃除を怠るとことで菌を振りまく危険装置と化してしまいます。加湿器を利用する際は、取扱説明書をよく読み、清潔感を保つようにしましょう。

多忙で加湿器の取扱が困難な場合は、濡らしたタオルを干すと良いでしょう。また、冬場は敢えて洗濯物を室内干しにすることで、ある程度の湿度を保つ事ができます。

尚、加湿器にアロマオイルを活用してはいけません。猫はアロマオイルの成分を肝臓で分解することが不可能なため、最悪の場合は命を落としてしまうことがあるのです。

4.静電気除去グッズを活用する

首輪をする猫

乾燥する冬場も、愛猫のケアは必要です。特に長毛種の猫は、季節を問わずブラッシングが必要です。これを怠ると、毛繕いによって飲み込んだ被毛が胃や腸に詰まる毛球症を引き起こす可能性があります。

長毛種の猫にとっては毎日の手入れになるため、静電気で不快な思いをしないように工夫が必要です。静電気除去グッズを活用することも手段のひとつです。

静電気が発生しにくい首輪や、ブラシに取り付ける除去ネットなど様々な商品が存在します。ただし、必ず猫用のものを活用しましょう。成分によっては危険を伴う場合があるため、「ペット用」と記載されていても注意するに越したこたはありません。

5.飼い主さん自身が静電気を予防する

女性と戯れる猫

物質が触れ合うことで発生する静電気に対して、愛猫だけ対策したのでは不十分です。飼い主さんも乾燥や摩擦が起こりにくい工夫をする必要があります。主な対処法は次のようなものがあります。

  • 綿素材の衣類を活用する
  • 保湿に気を配る
  • ミネラルの多い食品を摂取する

ウールやアクリル素材は静電気を発生しやすくなります。これらの素材の服を着る場合は、綿素材の服を中に着て対策しましょう。保湿にハンドクリームを使用する場合は、アロマ成分やキシリトールを含まないものを使用しましょう。

そして乳製品や魚介類、野菜などミネラルを多く含む食品を食事に取り入れることでも静電気の原因を除去する手助けになります。

静電気を予防するメリット

眠る子猫

静電気を予防することは、不快な現象を回避する以外にもメリットがあります。そのメリットについてご紹介いたします。

風邪を引きにくくする

静電気の予防対策である加湿は、風邪やウイルス対策にも役立ちます。適切な湿度を維持することでウイルスの増殖や、浮遊を防ぐことができます。

そして室内の乾燥を防ぐことで、体内にある粘膜の保護にも繋がります。これは、人間のみならず愛猫にも効果を発揮します。

猫風邪を侮ると危険です。人間の風邪とは異なり、自然治癒が困難です。早期発見と早期治療を必要とします。また、悪化すると肺炎を併発して命に危険が及びます。未然に防ぐことが重要です。

被毛や埃を舞いにくくする

室内が乾燥していると、抜け落ちた被毛や埃が舞いやすくなります。これらはウイルスにとって格好の住処です。そして、ウイルスが付着した被毛や埃が知らぬ間に忍び寄ってくるのです。

静電気の原因である摩擦や乾燥を予防することは、自然と埃が舞いにくい状況を作ることに一役買っているのです。

猫の場合は、人間よりも遥かに地面に接近しています。よって、埃を吸い込んでしまうリスクが高くなります。加湿・保湿・床の水拭きなど、静電気対策とともにウイルス付きの埃を浮遊させないように心がけましょう。

まとめ

みやび

静電気は愛猫にとっても不快な現象です。しかし、愛猫は自分自身の力で対処することができません。そこで飼い主さんが守ってあげることが大切です。

静電気をしっかりと予防すれば、通常通りスキンシップを楽しむことができます。服装や、触れあい方を工夫しましょう。

また、静電気を防ぐことが風邪の予防にも繋がります。健康面にも良い影響があるとすれば一石二鳥でしょう。飼い主さんも愛猫も、健やかに楽しい冬を満喫しましょう。

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