1. どこまで治療をするのかを決めておこう
治療方針は飼い主さんにゆだねられる
「私のもしもの時は、延命治療はしないでほしい」ご家族にそう言い残す方もいらっしゃいます。しかし、人間と違ってペットたちは自分の治療方針を決めることはできません。
動物も人間も同じ大切な命ではありますが、ペットの治療をどこまで行うのかは飼い主さんにゆだねられます。その責任の重さ、何を選べばいいのか悩んでしまう飼い主さんも多くいらっしゃいます。
どのように老いや病気と向き合うのか
生涯病気なく老衰で旅立ってほしいというのが一番の願いですが、もしも愛猫が大きな病気をした時には、どこまで治療するのかどのように老いや病気と向き合うのか、という方針を愛猫が元気なうちに考えておくことが大切です。
2. どこで看取りたいかを決めておこう
愛猫の持病が悪化して命の覚悟を余儀なくされた時、愛猫の最期をどこで過ごさせてあげるかということも考えておきましょう。具体的に言えば、動物病院で入院をしながら獣医師の管理下で看取ってあげたいのか、それとも自宅で看取ってあげたいのかということです。
決断に悩んだ知人は
私の友人もペットの命の覚悟をした際に、どのように最期を過ごさせてあげるのかについてとても悩んでいました。
入院をしていれば獣医師の管理のもとで過ごすことができ、容体が急変した際にも早く対応ができます。しかし、もう回復が見込めないのに命を繋ぐためだけの投薬を続けたり、孤独を感じる場所にいさせたりすることは心苦しい…。
友人は苦渋の決断の末、延命治療を止めて自宅に連れて帰ることにしました。残された時間は長くはありませんでしたが、最期は長年一緒に過ごしてきた自宅で静かに看取ったそうです。
飼い主さんがどうしてあげたいのか
どのように最期を迎えたとしても、ペットたちが幸せだったことに変わりはありません。「ペットがどうしたいのか」ということより「飼い主さんがどうしてあげたいのか」ということを考えておく必要があります。
3. 看取れない可能性も覚悟しておこう
愛猫がもう長くはないかもしれないとわかったとしても、看病のためにお仕事を長期間休むことはなかなか難しいところです。そして「最期は腕の中で看取ってあげたい」と思っても、その時がいつ来てしまうのかは神様にしかわかりません。入院中に容体が急変してしまうこともあるでしょう。命あるもののことなので、最期の瞬間に立ち会えない可能性は否めません。
たとえ看取ることができなかったとしても、飼い主さんにはご自身のことを責めないでいただきたいのです。猫は大好きな飼い主さんを責めることなんてしないはずですから。
その後についても調べておこう
その時が来てから慌てないように、愛猫を看取った後の火葬や供養についても考えておく必要があります。愛猫が頑張って生きているうちからそんなことを考えるのは悲しいことですが、火葬方法や供養方法にはたくさんの選択肢があって選ぶのも大変です。費用もかかる問題なので、心に余裕がある時にこそ現実的なことを考えておいた方が良いのです。
火葬について
火葬の方法にもいくつかの種類があります。
- 火葬せずに土葬する(私有地のみ)
- 自治体での火葬(葬儀なし遺骨の返却不可)
- 合同葬(他の亡くなったペットと一緒に火葬する)
- 一任個別葬(1頭ずつで行う火葬立ち合い無)
- 立ち合い個別葬(1頭ずつで行う火葬立ち会い有)
- 自宅葬(1頭ずつ火葬車両による自宅周辺での火葬)
などなど、ひとことで火葬と言ってもさまざまなスタイルの中から選択する必要があるのです。葬儀会社によってもプランや費用が異なりますので、もしもの時にはどこに依頼するのか、どのようなプランにするのか、費用面についてなどをだいたい決めておくと安心です。
仙台市は「ペット専用の火葬施設」がある自治体
通常、自治体にペットの火葬を依頼すると遺骨の返却は不可で、ほかのゴミと一緒に処理されてしまいます。
しかし、仙台市には廃棄物処理施設の一部にペット専用の火葬施設があり、葬儀はなくとも1頭ずつ火葬してもらえるそうです。この施設では希望すると遺骨の返却もできて骨壺の購入も可能だそうです。
まとめ
今日のねこちゃんより:ジロー / ♂ / 9歳 / 白猫 / 4kg
猫を飼うということはごはんや環境の提供だけではなく、どのように最期を看取るのかということを考えておく必要があります
命には必ず終わりがあり、猫たちの持って生まれた時間は私たちよりも短いものです。そのことをちゃんと認識して覚悟しておくことは、彼らの生きる時間と真摯に向き合うということなのです。