猫はみんな寒がり?寒がる猫にしてあげるべきこと3つ

猫はみんな寒がり?寒がる猫にしてあげるべきこと3つ

猫は寒がりだといわれます。もちろんユキヒョウのように高山に棲む動物なら、雪の中で寝ることもできるでしょう。しかし、イエネコの先祖はアフリカの砂漠出身。それほど寒さに強くありません。まして、じっとしていることの多い室内飼いの猫は、部屋が寒ければ風邪などで体調を壊してしまいます。では、どうすれば猫に暖かく過ごしてもらえるのでしょうか。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

猫は本当にみんな寒がりなの?

スノーキャット

野良猫はなぜ寒さに強い?

野良猫がどうして外の寒さでも生きていけるのか、不思議に思ったことはありませんか?答えは、室内猫に比べて動き回っていることが多いからです。人間も歩くなど運動をしていればポカポカして、寒さを感じなくなりますね。それと同じ理屈です。

では、室内飼いの猫の場合はどうでしょうか。彼らの動ける範囲は室内だけで安全なので周囲を警戒する必要もありません。することがないので寝ている時間が多くなり、代謝が落ちて寒さを感じやすい体質になっています。しかも、家の中は案外冷えるもの。長年外にいた野良猫でも、部屋に閉じ込めればあっという間に寒がり猫になるでしょう。

寒がる猫には何をすればいい?

では、寒がっている猫に対して飼い主は何をしてあげればいいのでしょうか。もちろん、それは暖かい環境を作ってあげることでしょう。しかし、仮にコタツを置いたとしても、猫が必ずしも中に入ってくれるとは限りません。また、猫によってはコタツが適切な暖房器具ではないこともあるのです。ですから答えは1つではありません。その答えを探すために、飼い主がしてあげられることはこの3つ。

  • 猫のコンディションを知ること
  • 猫が居たいと思う暖かい場所を探すこと
  • 猫と場所に相応しい暖かグッズをそろえること

飼っている猫や室内の条件を理解した上で、暖かい場所を整えてあげることです。

1.寒がり?猫のコンディションを見つめ直そう!

撫でてもらって目をつぶっているグレーの猫

人間同様、猫も年齢などで寒がり方が変化します。健康上の問題がなくても、時々猫のコンディションを見直して寒がりの傾向をチェックしておきましょう。

年はいくつ?

猫には、成長段階が4つあります。

  • 子ども(1歳くらいまで)
  • おとな(1歳以上)
  • 高齢猫(7~8歳頃から)
  • 超高齢猫(13歳頃から)

このうち、寒さに1番弱いのは身体がまだ出来上がっていない子どもたち。月齢が少ないほど弱くなります。次に弱いのは、年をとって体力が落ち、持病を抱えていることの多い超高齢猫。こちらは年齢が上がるほど寒さに弱くなる傾向にあります。

逆に、1番寒さに強いのは体がしっかりと出来上がっているおとなの猫。次は、もう少し年上の高齢猫です。体力は落ちてきたけど、知恵や経験で寒さを補うことのできるベテラン猫たちです。

性別は・体重は・性格は?

一概にはいえませんが、性別ならオス、体格なら大柄な猫の方が寒さに強い傾向があります。また、活発なコと落ち着いたコなら、遊び好きで動き回っているコの方が圧倒的に寒さに強いです。

持病はある?

持病のある猫は体力も落ち、代謝が下がっていますのでよけい寒さを感じる傾向にあります。ただし、甲状腺機能亢進症の猫の場合は常に代謝が活性化している状態なのであまり寒がらないようです。

猫の「寒いよサイン」で寒さ度チェック

  • アンモナイトのように丸くなって眠る
  • 香箱座り

冬場の猫は、だいたいこんなポーズをとっています。しかし、これはまだ暖かさをキープできている状態です。

  • 毛を逆立ててうずくまる

もっと寒いとこうなります。我慢できなくなれば暖かい場所を求めて歩き回り、人がいれば膝に乗ろうとします。ストーブの前に座って「点火して」と要求するのもお馴染みのサインです。ただし、これができるならまだ大丈夫。

注意したいのは、歩く元気のない猫たちが寒さをじっと我慢している時。そのままでは、身体の芯まで冷え切ってしまいます。特に、子猫や超高齢猫にありがちですので注意が必要です。

2.猫が大好きな暖かい場所を探そう!

暖炉の前のキジトラ猫

昼間暖かい場所が、夜必ずしも暖かいとは限りません。空気の流れや、温度の移り変わりをチェックして、昼間と夜の場所を決めてあげましょう。そうすれば、猫は寝場所間を移動しながら1日中暖かく過ごせるようになるでしょう。

タンスや冷蔵庫の上などの高いところ

天井近くは暖かい空気が溜まる場所なので暖かく、冬に最適なスポットです。おすすめは背の高いキャットタワーや大型ケージ。また、タンスの上などにベッドを置いて誘導するのもいいですね。

  • 日の当たる場所
  • コタツの中、ホットカーペットの上
  • ストーブやエアコンの前

昼間限定だとはいえ、日差しの入る窓辺には日向ぼっこをする場所が1つは欲しいものです。また、暖房器具は人間にとって寒い時期の必須アイテム。しかし、猫には少し温度が高すぎます。人間の子ども同様、火傷や乾燥、低温火傷の心配があることを心に留めておきましょう。

要チェック!寒い場所ってこんなところ

ガラス窓のそば

外の冷気を1番伝えやすいのが窓ガラスです。日向ぼっこの場所にするなら、窓から5~10㎝ほど離したところにベッドを置くのがベストです。

床の上

床の上は室内で1番気温の低い場所です。さらに、板張りの床は冷気を発し、猫の足の裏から体温を奪います。この冷たさを緩和するには、カーペットやホットカーペットがおすすめです。温度差が減ることで人間・猫双方の身体に優しい空間を作ることができるでしょう。

3.暖かグッズをそろえよう!

白とブルーの帽子を被った猫

冬場は人間も暖房器具を使います。元気なコなら、ベッドを高い位置に設置したり冬用ベッドにチェンジするだけで十分かもしれません。しかし、留守がちで寒さに弱い猫のいるお宅ではもう少し積極的に身体を温められる暖房器具を準備した方がいいでしょう。

猫用ベッドを選ぶ

猫用ベッドを買う時は、まず猫の好みを知りましょう。

  • 布団に潜り込むのが好きなコ
  • ドーム型のように周りが囲まれていると安心するコ
  • 寒くてもオープンタイプでないと落ち着かないコ

可愛さだけで選ぶと失敗することが多いもの。よく検討することが大切です。

猫用の暖房器具を選ぶ

  • 湯たんぽ
  • 猫鍋
  • ホットカーペット
  • 布団式コタツ、デスク型コタツ
  • パネル式遠赤外線ヒーター

最近は、猫用の暖房器具がたくさん出回っています。人間用と違って温度が低く設定してあるので、皮膚の乾燥や脱水、低温火傷の心配がほとんどありません。ですから、自分で体温調整の難しい子猫や高齢猫にとって嬉しいものばかり。もちろん元気なおとなの猫にもぴったりです。

猫用ウエアを選ぶ

  • ちゃんちゃんこ
  • セーターやマフラー

寒がりな猫のためにもう1つ選ぶなら、猫用のウエアはいかがでしょうか。最初は着てくれないかもしれませんが、体温調節が難しいコには向いています。ただし、手足の動きを制限してしまうことがあるので人がいる時だけ着せるなど、着用のタイミングには気を配る必要があります。

まとめ

ハッピー

猫がみんな寒がりなわけではありませんが、どこにも行くことのできない室内飼いの猫にとって、暖かく過ごせる環境は必須条件といえるでしょう。

飼い主にできることは、その環境を整えてあげること。ベストな答えが出るまでには時間がかかるかもしれません。しかし、それでもいいのです。愛する猫たちと相談しながら、少しずつ暖かいお家にしていきましょう。

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