さくらねことは
さくらねことは、公益財団法人「どうぶつ基金」の、野良猫を捕獲して不妊手術を施し、もとの場所に戻すという活動により、処置を受けたねこの事を言います。
捕獲された猫は麻酔をかけて不妊手術が行われ、最後に耳に三角の切り込みを入れて、不妊手術を受けていると、ひと目で分かるようにしています。切込みが入った耳の形が桜の花びらの形に似ているので、「さくらねこ」という名前がつきました。
さくらねこのこの活動は、猫の殺処分をゼロにするために始まったものです。この活動に賛同する全国各地の動物病院の協力を得て、無料で飼い主のいない野良猫の不妊手術が行われています。野良猫はケガをしないように捕獲され、速やかに不妊手術の処置を施され、また元の場所に戻されます。
さくらねこを地域で見かけたら、この猫は不妊手術が終わっている野良猫で、子孫を増やす事が無い猫であると思ってください。子孫を増やす事が無いという事は、殺処分によって死んでしまう不幸な猫が生まれて来ないという事です。毎年10万匹以上の猫が殺処分されているという現実が、さくらねこを1匹でも増やしていくことで改善されるのです。
さくらねこの活動の意味
さくらねこでは「さくらねこTNR(TNR先行型地域猫活動)」を推進しています。
TNRとは、T=Trap(捕獲)、N=Neuter(不妊去勢手術)、R=Return(元の場所に戻す)という意味。従来の地域猫活動では、話し合いをしている間に猫が増えてしまったり、そもそも「地域」がないなどで対応ができないケースが多かったために、迅速に捕獲して手術をする活動が必要となったのです。
野良猫を捕獲して不妊手術を施し、さくらねこにする活動をするのには訳があります。そもそもメス猫は避妊手術をしていないと、1年にどのくらい子猫を生むかご存知でしょうか。
通常、メス猫は2月から4月の間と、6月から8月の間に発情期が訪れます。メス猫の発情によりオス猫が発情するので、オス猫の発情もこの時期に起こります。交尾したメス猫は60日から65日間の妊娠期間を終えて出産しますが、野良猫の場合、出産後またすぐに妊娠することは珍しくありません。そして、猫は多胎動物なので、一度に2匹から多い時は6匹の子猫を生みます。野良猫のメスは、避妊手術をしていなければ1年に3回出産する事もあり、一生のうちに40匹以上子猫を生む事があってもおかしくないのです。
生まれた子猫はまた野良猫となり、成長したメス猫はまた子猫を産んでいきます。その結果が、現在の殺処分の驚くべき数へとつながっていくのです。年間10万匹以上の猫が動物愛護センターで殺処分されていますが、その多くは子猫たちです。この可哀そうな現実を改善するには、地道な作業ではありますが、さくらねこ活動、つまり野良猫の不妊手術を行っていくしか無いのです。
もちろん殺処分されてしまう猫の中には、野良猫だけではなく無責任な飼い主に持ち込まれた猫も含まれています。しかしその数は、やはり野良猫に比べると圧倒的に少ないです。
さくらねこは避妊手術を受けている猫なので、これ以上子孫を増やす事がありません。子孫を増やす事ができないという事は、殺処分される可能性がある子猫が生まれて来ないという事です。さくらねこを見かけたら、1代で終わってしまう野良猫なので温かい目で見守ってあげてください。
さくらねこにする事のメリット
さくらねこにする事で妊娠させる可能性や妊娠する可能性が無くなり、殺処分される猫も減るというメリットがありますが、実はその他にもさくらねこにする事でメリットがあるのです。
猫は不妊手術をすることで、発情による問題行動を抑える効果があります。例えば、大きな独特な鳴き声で、発情期になると夜な夜な聞こえてくる猫の声。これは発情した猫同士が声を出して呼び合っているのですが、このような事も抑えることが可能です。また、おとなしい性質に変わり、攻撃性も薄れる効果があるので、猫同士のケンカもしないようになります。ケンカの怪我などから病気に感染してしまうケースも多いので、そのような病気からも守ってあげる事ができます。
また、オス猫であれば精巣腫瘍、メス猫であれば乳腺腫瘍や子宮蓄膿症の予防になります。一般的に、不妊手術をした猫は長生きできると言われているので、さくらねこは野良猫の中でも幸せな猫であると言えるでしょう。
さくらねこの活動に参加したい場合
少しでも猫の殺処分を減らしたいと思ったら、公益財団法人「どうぶつ基金」が行っている「さくらねこの活動」に参加する事ができます。
さくらねこに関する主な活動内容は、以下の通りです。
- 飼い主のいない猫を傷つけないように捕獲する。
- 捕獲した猫を協力病院へ連れて行き、不妊手術をしてもらう。
- 不妊手術が完了したら、動物病院で耳を桜の形にカットしてもらう。
- 猫の体調が回復したら、元いた場所に戻してあげる。
- 自分のブログやSNSでさくらねこの活動をしていることや「どうぶつ基金」の支援金によって猫の不妊手術をしていることを発信する。
さくらねこの活動を行うには、「どうぶつ基金」のホームページから、協働ボランティアの申請を行わなくてはいけません。
申請をして審査に通ったら、晴れてさくらねこの活動をすることができます。
また、審査が通った人には「無料不妊手術チケットがもらえる」といった支援を受けられます。
このチケットは、全国の協力病院で使える無料の不妊手術チケットです。つまり、さくらねこの活動に参加する人は、無料で野良猫の不妊手術をお願いすることができます。
興味のある方は是非一度、公益財団法人「どうぶつ基金」のホームページを覗いてみましょう。
さくらねこやどうぶつ基金を支援したい場合
「さくらねこの活動に興味があるけど、忙しくてできない…」という方もいるかと思います。そのような場合は寄付をする形で、さくらねこの活動を支援することもできるのです。
具体的な支援方法は3つあるので、それぞれの方法について詳しく解説していきます。
さくらねこサポーター
どうぶつ基金のホームページでは「さくらねこサポーター」を募集しています。「さくらねこサポーター」とは、毎月2222円以上の決まった額を継続的に寄付するサポーターのことです。
毎月寄付する額は、以下の4パターンから選ぶことができます。
- 2222円
- 4222円
- 12222円
- 22222円
約2000円あればオス猫一匹分の不妊手術をすることができ、約4000円あればメス猫一匹分の不妊手術をすることができるため、このような金額設定になっています。
また、さくらねこサポーターから募集した寄付金は、全て不妊手術の費用として使われるため「自分の寄付金は、猫の不妊手術のために全て使ってほしい!」という思いを持っている人におすすめできます。
以下のどうぶつ基金のページから、さくらねこサポーターとして寄付することができるので、興味のある方はぜひ寄付してみてはいかがでしょうか。
ヤフー募金でTポイントを使って寄付
様々な団体の募金活動を担っている「ヤフー募金」というのをご存じでしょうか。どうぶつ基金への寄付は先ほど紹介した公式ページからも行えますが、「ヤフー募金」を通してどうぶつ基金へ寄付することもできます。
「ヤフー募金」の大きな特徴は「Tポイントを使って寄付ができる」という点です。どうぶつ基金の公式ページから寄付をする場合は、口座から寄付金を直接引き落とすといった形でしか寄付ができません。しかし、「ヤフー募金」を通して寄付する場合は、貯まったTポイントを「1ポイント=1円」として寄付することができるのです。
以下のヤフー募金のページから、どうぶつ基金へ寄付することができるので、ぜひ覗いてみてください。
寄付金控除の対象となる、毎月の寄付も
「さくらねこサポーターとして毎月2222円以上支払うのは経済的に少し難しい」
「でも、毎月1000円程度だったら寄付できる」
「さくらねこサポーターの設定金額は細かすぎるので、もっと分かりやすい額を寄付したい」
「猫の不妊手術だけじゃなく、殺処分ゼロを目指すための様々な活動費用として寄付金を使ってほしい」
そんなことを思った方には「毎月の寄付」という寄付方法がおすすめです。
「毎月の寄付」は以下の設定金額の中から、自由に額を決めて寄付することができます。
- 毎月1000円
- 毎月2000円
- 毎月4000円
- 毎月5000円
- 毎月10000円
ちなみに「毎月の寄付」をしたり、さくらねこサポーターとして寄付をすると「寄付金控除」を受けることができます。
「寄付金控除」とは「自分が寄付した金額から2000円を引いた額が年間所得から控除される」という仕組みのことです。節税対策にも繋がるので、これを機に「毎月の寄付」をしてみるのもおすすめですよ!
以下のどうぶつ基金のページから、「毎月の寄付」をすることができます。
まとめ
さくらねこは、飼い主がいない野良猫に避妊手術を施してやり、その証明として桜の花びらのような形に、耳の先に切り込みを入れた猫です。さくらねこは手術を終えると今まで暮らしていた町へ戻され、それまで通りの生活をします。さくらねこが増えていく事で確実に猫の殺処分が減っていきます。さくらねこは平和の証でもあるのです。