エキゾチックショートヘアの抜け毛が多いのはなぜ?
エキゾチックショートヘアの被毛は短毛で顔はぺルシャ猫に似ているのが特徴です。ぺルシャ猫は長毛でふわふわですが、ぺルシャ猫を短毛にしたような猫がいたらいいなというところから、ぺルシャ猫とアメリカンショートヘアから生まれた猫の種類です。
そのため、エキゾチックショートヘアはホワイトやブルーなどの様々な毛色の種類がいるのも特徴です。エキゾチックショートヘアは短毛種ですが、長毛種のぺルシャ猫から生まれているため、短毛種のなかでは少し被毛が長いです。
被毛が短毛種では長めなので、抜け毛が通常の短毛種より多く感じます。また、短毛種なので抜け毛はそこまで気にならないと思われがちですが実は抜け毛が多いため、その理由を下記でご紹介します。
ダブルコートという被毛の構造
猫にはシングルコートとダブルコートという被毛の構造の猫がいますが、エキゾチックショートヘアは「ダブルコート」です。シングルコートは1層の被毛の構造で、ダブルコートは2層の被毛の構造で、ダブルコートはシングルコートより抜け毛が多いです。
ダブルコートは「オーバーコート」と「アンダーコート」という2種類の被毛が2層になっています。「オーバーコート」は身体の表面を覆っている毛で、しっかりとした硬めの毛で水を弾いたりする役割があります。
「アンダーコート」はオーバーコートの下に生えていて、ふわふわで柔らかめの密度の高い毛で保温効果があります。そのため換毛期である夏前などには体温調節等のため、アンダーコートが多く抜けます。
年2回の換毛期
エキゾチックショートヘアは体温調節のために、換毛期という毛が多く抜ける時期が年に2回ほどあります。夏前には、暑くなる夏に備えて通気性を良くするため密度の高いアンダーコートが多く抜けます。冬前には寒さに備えるため、保温性のあるアンダーコートが生えてきて、その前に残っていた古い毛が抜けます。
換毛期にはかなり多くの毛が抜けるため、初めて猫を飼う方はびっくりすると思います。ですが換毛期に毛が生え替わらないと、夏には熱中症になったり、冬には寒さで風邪を引いたりしてしまうため、猫にとってはとても重要な時期になります。
飼い主とくっつくことが多い
エキゾチックショートヘアはぺルシャ猫が元となっているため、どちらかというと穏やかで落ち着いた性格です。そのため、アクティブではないですが飼い主さんが大好きな子が多く、スキンシップを取るのが大好きな性格です。
抱っこされることも好きですがくっついたりすることが多いため、その際にたくさんの毛が抜けます。すりすりしてきたり、ごろごろとスキンシップを取ることでたくさんの毛が抜けます。
エキゾチックショートヘアの抜け毛のお手入れ方法
- 毎日のブラッシング
- たまにシャンプーをしてあげる
- ぺット用ウェットシートで拭く
毎日のブラッシング
抜け毛の一番のお手入れ方法はブラッシングです。ブラッシングは毎日しましょう。毎日ブラッシングするのは換毛期だけでいいんじゃないの?と思われる方もいるかもしれませんが、換毛期じゃなくても毎日ブラッシングしてください。
毎日毛は抜けますので、それを猫が舐めてしまうと身体の中にたくさんの毛が溜まってしまい、毛玉症などになる可能性があります。
ブラッシングのお手入れ方法ですが、頭あたりから背中を撫でるように優しく毛並みに沿ってブラッシングしましょう。
お尻やお腹からブラッシングするのはおすすめしません。お尻などは触られたりすると怒る子もいるので、できそうであればやってください。嫌な部分をしつこくブラッシングすると、ブラッシング自体を嫌いになってしまうので、注意してください。
使うブラシについては、ラバーブラシなどの柔らかめの素材のものを使うことをおすすめします。硬いものだと皮膚を傷つける可能性があります。ラバーブラシのような柔らかい素材だと、愛猫もマッサージのように感じ気持ちよくブラッシングをすることができます 。
また、手袋にラバー素材がついていて、手袋で撫でるかたちでブラッシングできるものもありますので、ブラシが苦手という子には手袋のものをおすすめします。ブラッシングはどうしても苦手な子もいるかもしれません。
声をかけながら優しく撫でながらやってあげることで、安心してブラッシングできるようになりますので、毎日少しづつでも慣れていきましょう。
たまにシャンプーをしてあげる
シャンプーは必ずしも必要ではないですが、ブラッシングだけでは取れない毛を洗い流すことができます。また日々身体に溜まる汚れや、ノミやダニなどの身体についた害虫なども落とすことができます。
猫は水が得意ではないので、ブラッシングよりもシャンプーのほうが苦手な子が多いです。大人の猫になってからシャンプーを始めるのは難しいため、子猫の頃からシャンプーに慣れさせてあげるといいでしょう。
シャンプーのやり方ですが、ぬるめのお湯で水圧は低めで背中から少しづつかけてあげるようにしましょう。顔にかけるのは嫌がる子が多いので、身体全体を濡らせたら、猫用のシャンプーで優しく揉むようにシャンプーをしてあげましょう。
最後にシャンプーを洗い流したら、すぐにタオルで水気を拭いてください。だいたい拭き取ったら、低温のドライヤーでしっかりと最後まで乾かしましょう。
乾かさずに濡れた状態のままだと風邪を引く可能性が高いため、ちゃんと乾かしてあげてください。シャンプーはあまりやりすぎても皮膚等に良くないので、年に数回程度で良いでしょう。
ぺット用ウェットシートで拭く
どうしても毎日ブラッシングをするのが難しい場合などは、ぺット用のウェットシートで身体全体を拭いてあげるだけでも毛が取れます。ブラッシングのようにたくさんの毛は取れないですが、身体の表面の抜け毛が取れますし、毛自体を綺麗に保つことができます。
またブラッシングが苦手な子は、最初はぺット用のウェットシートで身体を拭くことから、身体に触られることを慣れさせるのもいいです。ぺット用ウェットシートで身体を拭かせてくれるようになったら、ブラッシングに挑戦するのもいいと思います。
エキゾチックショートヘアの抜け毛で注意すること
エキゾチックショートヘアの抜け毛が多いのは、換毛期等の理由だけではありません。あまりに量が多い場合や一部だけ抜けている場合にはアレルギーや病気などの原因の場合があります。
- ストレス
- アレルギー
- ノミやダニ
- 感染症
ストレス
人間と同じように猫もストレスが溜まります。猫のストレスは身体や行動に表れます。猫は引っ越しやたくさんの来客など、いつもと違う環境になることでもストレスになります。ストレスによって身体の一部分の毛がたくさん抜けることがあります。
アレルギー
食べ物のアレルギーがある猫や、花粉によるアレルギーになる猫もいます。アレルギー症状として、皮膚に痒みが出る場合があり、後ろ脚で身体を掻き過ぎてしまって毛が抜けてしまうことがあります。
猫のフードにはたくさんの食材が含まれているため、アレルギーの原因を特定することが難しいですが、一度獣医さんに相談してみるといいでしょう。また、市販のフードには添加物が含まれている物も多いので、動物病院で購入できるような療法食という添加物が少ない猫の身体によいフードに変えるのもおすすめです。
花粉などの場合は、痒みのほかにくしゃみや鼻水の症状がでる場合があります。花粉対策としては家の中に花粉を入れないことが一番なので、花粉の時期には洋服をはたいて花粉を落としたり、空気清浄機などで部屋を綺麗にすることが予防となります。
ノミやダニ
ノミやダニに寄生されると、痒みが酷くかきむしってしまい毛が大量に抜けます。掻き過ぎてしまい皮膚を傷つけてしまうこともありますし、全身が痒くなることが多いです。ノミやダニなどは、外に出る猫が外からもらってくることが多いため、寄生虫を防ぐためには外には出さず、家の中で過ごすことが対策になります。
感染症
円形脱毛がある場合は「皮膚真菌症」という感染症の可能性があります。カビが毛や皮膚に生えるもので、猫の体調が悪い場合や抵抗力が落ちているときに発症する感染症です。顔や耳など身体全体に発症し、主に円形脱毛や皮膚炎などの症状が現れます。
また、「人畜共通感染症(ズーノーシス)」と言い、皮膚真菌症に感染した猫に触れたりすると、人間にも感染するため気を付けてください。上記のような症状が出た場合は、必ず獣医さんに診てもらいましょう。
まとめ
エキゾチックショートヘアはくしゃっとした顔で短毛でいろんな毛色の種類がいます。短毛なので、抜け毛はそんなに気にならなそうだしケアもそんなに必要ないと思われがちですが、ブラッシングなどの抜け毛のお手入れはとっても重要です。
日頃のケアは毛玉症を防くこともできますし、ブラッシングやシャンプーで愛猫とのコミュニケーションを取る時間も増えて、お手入れすることは飼い主さんにとっても愛猫にとっても良いことだらけです。
また、ケアをしていく中で、一部分だけが脱毛していたりすれば早期に発見することができ、アレルギーや感染症などにすぐに対応することができます。エキゾチックショートヘアはおっとりして優しい性格の子が多いので、痒みなどの不調も隠す子が多い可能性があります。
しっかりと抜け毛ケアをしながら、少しの異変にも早く気付けるようにすることで、エキゾチックショートヘアとのゆったりとした時間を長く過ごせるようにしていきましょう。