猫の口臭は病気が原因だった!その対策と治療、予防法について

猫の口臭は病気が原因だった!その対策と治療、予防法について

猫が大きくあくびをした時に、むわっとする口臭に思わず顔を背けてしまいたくなることがあるかもしれません。しかし「年齢だから」「生理的なものだから」と思っていませんか?実際は何らかの病気によって口臭を生じている可能性があり、大事なサインかもしれません。そんな大事なサインを見過ごさないように今回は猫の口臭について、どんな病気の疑いが考えられるのか詳しくお話ししていきたいと思います。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の口臭の原因とは

並んであくびをする男の子と猫

猫が大きく口を開きあくびをした時に「うっ」と臭い口臭を感じたことがあると思います。口臭を感じるのは普通と思われがちですが、実はそうでもありません。何らかの原因によって口臭が起き、猫の健康上良くありませんし飼い主さん自身も不愉快に感じてしまいます。

猫の口臭を引き起こす原因としては主に口腔内疾患や内臓疾患によるものと考えられており、生臭いドブのような口臭を発するようになります。

気づきやすいようで以外に猫の口臭に気づかなかったケースもあれば、口臭を感じていたが当たり前だと思っていたなど特に動物病院に受診せず、放置されていたケースが多く、発見した時にはすでに病気が進行していたことも少なくありません。

猫の口臭の原因となる病気

口を大きく開けている猫

歯周病

  • 口臭
  • 歯肉の腫れ、出血
  • ヨダレ
  • ドライフードを食べたがらない

2〜3歳以上の猫の約80%がかかっているといわれている口腔疾患であり、歯周病は歯周組織である歯肉炎と歯周炎を合わせた病気です。

通常でも猫の口腔内には数多くの細菌があり、食べ物のカスがその細菌とくっ付くことで歯垢となり、やがて硬い歯石へと変わっていきます。進行すると菌が歯茎の血管から侵入し心臓や腎臓、肺などの臓器に悪影響を及ぼしてしまいます。

初期段階では歯肉が赤く腫れて出血を伴ったり、口臭がするようになります。次第に口腔内の炎症が広がり、臭いがキツイ口臭を放つようになります。

口臭とともに激しい痛みによりヨダレが多く出たり、固いドライフードより、やわらかいウェットフードを好むようになります。また口臭だけではなく口腔内の炎症により、歯周組織が破壊され歯がグラつき抜け落ちてしまうことがあります。

口内炎

  • ウイルスに感染している
  • 腎不全などの病気を発症している

歯周病と同様に口臭を引き起こす原因として考えられる口腔内疾患である口内炎があげられます。口内炎は歯茎や舌、粘膜に炎症が起こる病気で、発症すると歯茎や口腔内の粘膜が赤く腫れたり炎症が潰瘍化するため歯周病と同じように口内炎の場合も、口臭だけではなく激しい痛みによりご飯を食べたいけれど、食べることができなくなります。

主に猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルスといった「猫カゼ」を引き起こすウイルスが原因といわれていますが、他にも猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスによる感染、腎不全などによる免疫力の低下に伴い菌に感染しやすくなることも要因としてあげられています。

腎不全および尿毒症

口臭から考えられる内臓疾患として猫に発症しやすい腎不全、あるいは尿毒症があげられます。腎機能低下により体内の老廃物がおしっことともに排泄せず蓄積してしまうため、独特な口臭のアンモニア臭や猫の体の様々な臓器に悪影響を及ぼしてしまいます。

高齢猫に多く見られ、慢性腎不全が悪化すると尿毒症を引き起こすこともあります。

腎不全の初期段階であれば食欲不振や嘔吐などの症状が現れますが、症状が進行し尿毒症となってしまうとご飯を全く食べず水を口にしなくなり、著しい体重減少が見られたりケイレン発作などの神経症状が起き、命を落とす危険が高い病気でもあります。

猫の口臭の対策

病院で歯のチェックをされている猫

歯磨きをし歯に付着している汚れや歯垢を取り除いてあげる

猫の口臭のほとんどが口腔内疾患であり、食べ物のカスによる歯垢や歯石が原因です。歯石化になってしまうと歯科用器具ではないと除去することができずニオイが強い口臭をするようになります。

そうなる前に歯磨きさせてあげることで歯の健康を維持できたり、口臭対策としても大きな効果があります。

しかし犬と比べて猫は性格や柔軟な体で保定が難しいなどにより口腔内ケアが難しいため、日頃から歯を触られることに慣れさせるようにしてあげることも大切です。

デンタルケアのサプリメントを試してみる

歯磨きによる口腔内ケアはしつけの一環として日々コツコツ続けないと慣れてくれないため、ほとんどが嫌がってしまうと思います。歯肉や口腔内の腫れ・ただれがひどかったり、出血がある場合は薬による治療を行いますが、最近では歯磨きが嫌いな猫に向けてのデンタルケアでサプリメントやジェルタイプ、スプレーなどがあります。

これらは猫の口に塗ることで口腔内の菌の増殖を抑制する効果が期待されたり、中には飲み水に入れて飲ませることでデンタルケアができるものもあります。

麻酔をしての施術

口腔内の激しい痛みや歯垢・歯石が歯にこびりついている、ニオイがきつい口臭などが見られる場合は、全身麻酔をかけて歯に付着している歯垢・歯石を除去する処置が必要になります。

また重度の状態や歯がぐらついている場合は抜歯する必要があります。

猫の口臭の予防と歯磨き

獣医師に歯磨きをされている猫

猫の口臭の予防法

  • ドライフードを与える
  • デンタルケアができるおやつを与える

缶詰などのウェットタイプの餌は猫の歯に付着しやすく炎症や口臭などの口腔内トラブルを引き起こしやすいです。ドライフードに切り替えるだけでも歯に付着しにくいので口臭しにくくなります。

ドライフードでも歯に付いている汚れや歯垢を取り除く目的でつくられたフードやオヤツがあります。フードを変えてみたり、デンタルケアのオヤツを与えるだけでもある程度の口臭を防ぐことができるかと思います。

猫の口臭予防の歯磨き

猫の場合はたったの1週間で歯垢から歯石へと変わってしまい、猫の歯は非常に小さいのでデンタルケア目的のフードやオヤツを与えたとしても完全に歯に付いている汚れや歯垢を取ることができません。

特に臼歯(奥歯)に歯垢や汚れが付着しやすく、直接猫の口を触って開けないと確認することができないため、口臭を感じるが切歯(前歯)は綺麗だから安心ということではないのです。

私たちと同じように猫も毎日ご飯を食べるので、理想は毎日歯磨きしてあげることで口臭予防や口腔内の健康を維持することができます。

猫の歯磨きの方法

口臭の原因である歯垢や歯に付着している汚れを取り除いてあげるには歯磨きが効果的です。しかしいきなり歯磨きをさせてしまうと猫が恐がってしまい、今後歯磨き自体が全くできなくなってしまいます。

歯や口周りを触られることが苦手な猫が多いので、まずは口周りを触られることに慣れてもらえるように段階を踏んでトレーニングする必要があります。

ステップ1 口周りに触られることに慣れてあげる

猫がリラックスしている時に猫が気持ちいいと感じる額や顎下、頬を優しく撫でてあげ、その時に口元に軽くタッチします。口周りに触ることができたら褒めてあげたり、ご褒美としてオヤツをあげましょう。

この時にデンタルケアのオヤツにすると口臭予防にもなるので効果的です。少しずつ口周りに触れる時間を長くして、慣れてきたら指で軽く猫の唇をあげ歯をタッチしてみます。

ステップ2

口周りや歯に触れることに慣れてきたらガーゼやデンタルシートを指に巻き、歯の表面に軽くタッチします。この時に味が付いている歯磨きジェルや缶詰の汁をつけてあげると嫌がりにくく慣れやすいです。

猫用の歯磨きジェルはチキン味などメーカーによって多少異なりますが、猫が好みの味になっているものが多いです。歯磨きジェルには口臭予防や歯石予防の効果もありますので、歯に塗るだけでもよいです。

歯磨きジェル

LIONの犬・猫用デンタルジェル ローストチキンフレーバーです。

ステップ3

ガーゼやデンタルシートでも歯垢や歯の汚れが取れ口臭予防や歯石予防することができますが、1番効果があるのは歯ブラシを使った歯磨きです。猫の歯は小さいため、ブラシのヘッドが小さくやわらかい猫用の歯ブラシや赤ちゃん用の歯ブラシを使います。

歯ブラシ

LIONの犬・猫用デンタルブラシ ラウンド毛タイプです。

いきなり歯ブラシを猫の口の中に入れてしまうと恐がってしまうので 、最初は歯ブラシに慣れさせるためにもブラシ部分を使って猫の額などに優しくブラッシングしてあげます。

歯ブラシに慣れてきたら、缶詰の汁や歯磨きジェルを付けて軽く猫の歯にタッチし、徐々に切歯・犬歯・臼歯の順に優しく磨いてあげましょう。

まとめ

白猫を抱いてキスをする女性

猫に口臭があるのが年齢や生理的なものと思われがちですが、実際は口臭は何らかのトラブルが起きているサインでもあります。

主に猫の口臭トラブルで多いのが歯周病などの口腔内疾患であり、ニオイがキツイ口臭により猫に近づくのを避けたりなど飼い主も不愉快な気持ちにさせてしまいます。また口臭の他に大量のヨダレや歯肉が赤く腫れたり、口腔内の炎症により潰瘍化して激しい痛みに伴い食欲が落ちるといった症状が現れてきます。

たったに1週間ほどで歯垢から歯石へと変わり、歯石になってしまうとスケーラーなどの歯科用専用器具でないと除去することができず、全身麻酔をかけておこなわないといけません。

そうなる前に歯垢や歯に付着している汚れを取り除いてあげることが口臭予防や歯石予防へと繋がります。とはいいつつもほとんどの猫が歯磨きが嫌いなため、段階を踏みながら徐々に慣れさせてあげることが大切です。

最近ではデンタルケアに向けたグッズやオヤツなどが多く販売されるようになったので、この機会を通じて愛猫のデンタルケアの見直しや、口臭チェックもしてみましょう。

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