独りぼっちだった「ちゃちゃ」が、寺の看板猫になるまで。

独りぼっちだった「ちゃちゃ」が、寺の看板猫になるまで。

暗闇で独りぼっちで1週間以上も鳴き続け声も枯れ、エネルギーも底をつきかけていた子猫のちゃちゃ。保護猫として我が家に迎えて5年。環境に慣れるまでに時間はかかりましたが、今では子供からご年配の方まで多くの人に愛されるお寺の看板猫になりました。

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ちゃちゃとの出会い

我が家はお寺で、自宅も少し山奥にあります。

ある日、林の奥の方から小さな猫の鳴き声がしました。どこかで子猫が生まれたのかな?気にはなったものの、飼うという決心がすぐについたわけではなく、母猫が迎えにきてくれるのを心の中で祈りながら様子を見ていました。

しかし朝から晩まで鳴き続けるその声は止むことがなく、5日以上も鳴き続けている日々が続いていました。その鳴き声はもう必死に叫ぶような声で、その声もだんだんか細い鳴き声に変わってきていました。

いよいよ、「どうにかしてやらなければ!」と心を決めました。しかし警戒心が強く、そこからすぐに保護できたわけではなく、距離が少し縮まるまでに2日。ごはんを食べてくれるまでにまた2日・・。

こちらの、早く保護してやらなければ。と焦る気持ちだけがどんどん募っていきました。

私の手にごはんを置いて、猫が自分から近寄って食べにくるまでにかかった時間が1時間半。根気のいる、最初のごはんタイムでした。その猫の名前を「ちゃちゃ」と名付け、そこからゆっくりゆっくり、家での生活に慣れさせていく日々が始まりました。

ちゃちゃをお迎えして大変だった事

家に迎えてからも臆病な性格は変わらず、ごはんを食べている途中でも、父が少し大きめな話し声で話すと一目散に逃げ、来客があると家を飛び出してしまったりとなかなか我が家の環境に慣れてくれませんでした。

慣れない環境で精神的なストレスもかかっていたのか、トイレをはずすことも多く、来客用のお部屋の絨毯や大事な仏具の上で粗相をしたりと私たちを悩ませました。

また、保護されるまで外で過ごしていた間に、弱った体にダニやノミがつき、ものすごくかゆそうに体をかきむしり、小さくて細い体から毛の束が抜ける様子は見ていてとても辛かったです。

しかしながら病院に連れていけるほど、他人はおろか私たちにも慣れておらず、寝ている隙やごはんを食べている間に、体についた害虫を手作業で取り除いてやることしかできませんでした。

根気強く私たちも少しずつ距離を縮めながら、「私たちは君の見方だよ、大好きだよ」そういう思いを込めて、ちゃちゃに接することを続けました。そんな日々を続け、1年ほど経つと、ようやく私たちに心を許してくれるようになり、今では一緒に布団で寝るようにまでなりました。

来客に関しても、「こんにちは」と言わんばかりに、来客の方の足にすりよってご挨拶までできるようになりました。

ちゃちゃはすっかりお寺の看板猫

ちゃちゃ

最初は大変だったちゃちゃとの生活。でも、寺を訪れてくださる方にも「今日はちゃちゃくんは?」と、ちゃちゃを楽しみに、以前よりも頻度が多くお越しくださる方が増えました。

また、小さなお子さんなども、ちゃちゃに会いに来る目的で、気軽にお寺に遊びにきてくれることが増えました。なかなか、気軽に訪れていただける場所ではないのかな、と思うので、ちゃちゃを理由に、お越しいただくことに敷居が低くなったことはちゃちゃのおかげ!と家族で喜んでいます。

私たち家族にとっても、日々ちゃちゃの可愛い姿を見るととっても癒しになりますし、家族の会話も以前よりも増えました。ちゃちゃを抱きしめたときの、なんともいえない柔らかい感触や、においは驚くべきリラックス効果があるなと実感しています。

このように、私たち家族はもちろんのこと、訪れていただく方にも笑顔が増えたことは本当に感謝しています。

ちゃちゃの現在の様子

保護する当時は、毎日母猫を探して鳴き続け、へとへとだったちゃちゃ。人を見るだけで逃げ、人間に対して不信感や恐怖心しかなかったように思います。

そこから家族の愛情を受けて暮らして5年。今ではお腹いっぱいごはんを食べ、快適な場所を探してはお腹を天井に向けて寝て、、と毎日のんびり自由に暮らしています。

当時あんなに怖がっていた、お客さんも今では、自分を可愛がってくれる存在だと認識しているようで、自分からすり寄っていくくらいになりました。「人間=恐ろしい存在」という考えがだいぶなくなったように思い、嬉しく思っています。

昔に比べると、ちゃちゃの顔つきなども穏やかになったような気がしています。
   

まとめ

くつろぐちゃちゃ

大前提として、猫を遺棄することは決してはしてはいけないことです。

そして、保護する側も中途半端な気持ちで餌付けをしてはいけません。餌を与えて成長したその猫が、また子猫の命を生まれさせ、その数を増やすことになるからです。

でも、向き合うと決めて、しっかりと愛情を込めてお世話をしたなら、時間がかかったとしてもきっと猫も少しずつ心を開いてくれます。心の開き方も猫の性格によってそれぞれあるとは思いますが、ごはんを私たちのすぐ目の前で食べてくれる。寝てくれる。

それだけでも私たち人間を信頼してくれているということです。猫を幸せにするのも不幸にするのも人次第。責任をもって、かけがえのない猫の命を大切にしてこれからもお世話していきたいと思います。

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