猫は貝を食べると耳が落ちる?危険な種類、安全な種類を紹介

【獣医師監修】猫は貝を食べると耳が落ちる?危険な種類、安全な種類を紹介

猫は貝を食べると耳が落ちるというのは本当なのでしょうか?そのような言葉が生まれた背景には、貝に含まれている成分が関係しているようです。今回の記事では、猫が貝を食べると耳が落ちると言われる理由と、与えると危険とされる貝の種類、猫が貝を食べてしまった場合の対処法などを解説します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫は貝を食べると耳が落ちると言われる理由

猫缶に頭を乗せて眠る猫

猫は貝を食べると炎症が起きる

猫が貝を食べると「光線過敏症」を発症するリスクが高まると言われています。 光線過敏症は、日光に当たることによって耳や頭部、目の周り、口の周りなどの皮膚に炎症が起こる病気です。発症すると脱毛や腫れ、かゆみといった症状が現れます。

「光線過敏症」は、日光にさらされている部分に症状が現れます。特に、毛が薄く日光に当たりやすい耳に症状が現れやすいため、「耳が落ちる」という言葉が生まれたと考えられています。

光線過敏症が悪化した場合に、炎症が起きた部分が壊死することもあるため注意が必要です。耳の先端が潰瘍のようになり形がいびつになる病気に扁平上皮がんがあります。この病気も紫外線が影響する病気ですが、日光過敏症が慢性化すると扁平上皮癌に進む可能性があります。貝がすべての扁平上皮がんのケースに関与していないかもしれませんが可能性はありますので十分注意しましょう。

猫が貝を食べると危険な理由

危険と言われる理由は、貝に含まれる毒成分の「ピロフェオホルバイドα」です。猫が貝を食べることによって、ピロフェオホルバイドαが体内に吸収されて血液中に溶け込みます。しかし血中に取り込まるだけでは直接的な害はありません。

ピロフェオホルバイドαは紫外線に反応して活性化します。毒成分が活性化することによって、細胞が破壊され炎症が引き起こされるのです。

また、猫は貝類やエビ、タコなど弾力のある食材の消化が苦手な傾向があります。消化が上手くできず体内に入った成分が排出されにくいことを考え、基本的には貝類を与えないようにしましょう。

猫が食べると危険な貝の種類

色とりどりの貝

猫が食べると「光線過敏症」になる貝

  • アワビ
  • サザエ
  • トリガイ
  • トコブシ

アワビやサザエ、トリガイ、トコブシなどの貝には、光線過敏症の原因となる「ピロフェオホルバイドα」が含まれています。

ピロフェオホルバイドαは、貝が餌とする海藻のクロロフィルを分解することで生じる成分です。毒成分が貝の中腸腺に溜まると黒っぽい濃い緑色になります。貝の餌になる海藻が豊富な2月~5月にかけての春先は特に注意が必要です。

猫が食べると「ビタミンB1欠乏症」になる貝

  • あさり
  • ハマグリ
  • シジミ

あさりやハマグリ、シジミなどの二枚貝には、「チアミナーゼ」という酵素が含まれています。

チアミナーゼは猫の体内にあるビタミンB1を壊し、ビタミンB1欠乏症を引き起こす可能性がある成分です。発症すると末梢神経障害が起こり、浮腫やしびれ、歩行困難などの症状が現れます。

猫が安全に食べることができる貝は「ホタテ」

閉じたホタテと開かれたホタテ

猫が安全に食べることができるホタテの部位

ホタテは、猫が食べても大丈夫な貝と言われています。しかし、ホタテの中でも与えてよい部位は貝柱のみです。

ホタテには他にも、貝ひもや中綿腺、生殖巣、エラと呼ばれる部位がありますが、これらはアレルギーや中毒の原因になる場合があります。

貝柱を与える際には、必ず火を通して食べやすい大きさに切って下さい。猫が食べてもよいと言われるホタテでも与え過ぎには注意しましょう。

猫がホタテを安全に食べることができる理由

ホタテは高たんぱくで低カロリーな食材です。たんぱく質は筋肉や抗体を作る働きがあり、成長期の子猫や妊娠中の猫にも必要な栄養素です。

他にも、動脈硬化や貧血の予防効果がある「タウリン」や、健康な皮膚や被毛を作るのに必要な「亜鉛」を豊富に含んでいます。ホタテを適切に与えれば、猫の健康のサポートに繋がるでしょう。

ホタテを使った猫用のおやつ

チャオ 焼かつおディナー しらす・ほたて貝柱入り 50g×16P
1,280円(税込)

ホタテを手軽に与えたいときには、市販のおやつを活用しましょう。「チャオ 焼きかつおディナー しらす・ほたて貝柱入り」は、フレークにした焼きかつおにホタテの貝柱をトッピングしています。「ウェットタイプで、食が細い猫もよく食べてくれた」という口コミもある猫用おやつです。

猫が貝を食べてしまったときの対処

だるそうな猫

猫が貝を食べてしまっても、すぐには命の危険はないと考えられていますが貝の種類や鮮度によっては危険です 。落ち着いて対応し、口の中に貝が引っ掛かっている場合は指やピンセットで取り除きましょう。無理に行うと、猫の口内を傷つける恐れもあるので注意が必要です。

嘔吐や下痢など普段と明らかに様子が違うときや、危険度が高い貝を食べてしまった場合は、速やかに動物病院を受診してください。

受診した際は、「いつ」「何を食べて」「どのような症状が出ているか」を獣医師に明確に伝えるようにしましょう。

猫が貝を食べないようにするための対策

缶詰を転がす猫

食べさせたくない食材は台所や食卓に出したままにせず、必ず猫の手が届かない場所に片付けましょう。猫が食べられるホタテであっても、主食ではないので、たくさん与えないよう気を付けてください。

また、人間用の干物は塩分が多いので、ホタテの貝柱であっても与えないようにしましょう。猫が味を覚えてしまわないように最初から与えないようにするのがよいかもしれません。

まとめ

天然ホタテ貝

「猫が貝を食べると耳が落ちる」と言われる由来は、貝に含まれる成分によって耳に炎症が起きることから来ていたようです。猫が食べると病気を引き起こす可能性のある貝もありますので、飼い主が貝を取り扱う時は注意が必要です。

貝の中でもホタテは与えてもよいものですが、必ず加熱調理して食べやすい大きさにカットすると安心です。まずは市販のおやつから取り入れてみるのもよいかもしれませんね。

貝の部位によっては、下痢や嘔吐を引き起こす可能性もあるので十分に気をつけてください。猫の様子に異変を感じた際はすぐに動物病院に連れて行きましょう。

その他、猫が食べていいもの・悪いもの

今回紹介した食材以外にも、人間には安全でも、与え方や量によっては猫にとって有害な食べ物が数多くあります。場合によっては命に関わるような食材もあるため、飼い主さんは正しい知識を身につけておくことが必要です。万が一のことが起こってしまわないよう、「猫が食べていいもの・悪いもの」を事前にチェックしておきましょう。

猫が食べてはいけないもの一覧

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