南極へ行った猫『タケシ』は幸運のオスの三毛猫だった

南極へ行った猫『タケシ』は幸運のオスの三毛猫だった

南極物語で一躍有名になった犬のタロとジロ。でも実は犬たちが大活躍している中で、タケシという猫も隊員の仲間として活躍していたのをご存じでしょうか。今回は南極に行ってきた不思議な猫、タケシについて詳しく紹介していきます。

南極物語で有名な犬タロ、ジロともう一匹の猫

タロとジロという2匹の犬が、極寒の南極で1年間奇跡的に生き延びたという驚きと感動の物語が有名な南極物語。南極物語の中では、犬たちの活躍や苦渋の決断で南極に犬たちを置いていったこと、そして南極から奇跡の救出劇などが出てきており、犬に焦点を当てています。

しかし実は、南極物語に登場する隊員たちは犬だけでなく、猫も一緒に南極へ連れていったことをご存じでしょうか。隊員たちと一緒に南極へ行った猫の名前は、タケシ。

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南極へ行った猫タケシの物語

猫というと寒さに弱いイメージがありますが、タケシは南極の寒い環境の中でもマイペースに楽しく過ごしていたことが記録に残っています。今回はとても貴重な南極体験をした猫タケシについて詳しく紹介していきますよ。

南極に行ったタケシはどんな猫?

タケシは名前から分かる通り、オス猫です。しかもなんと三毛猫。猫の知識に詳しい人ならご存じかもしれませんが、ほとんどの三毛猫は性別がメスといわれており、三毛猫のオスが生まれる確率はなんと3万分の1なのです。

そのため、オスの三毛猫は大変貴重な猫として扱われており、数千万円の値段がつけられることも珍しくありません。また滅多に生まれてこない猫であることから、オスの三毛猫は「幸運をよぶ猫」といわれており幸せの象徴でもあるのです。

実はこの「三毛猫のオス」という特徴が、タケシの南極行きを決めるきっかけになったのです。(※その経緯についてはこの後紹介します。)

ちなみに、三毛猫のオスは遺伝子の関係で、生まれつきクラインフェルター症候群という特徴を抱えていることが多いです。クラインフェルター症候群の猫は、不妊傾向にあるということが分かっているため、タケシもクラインフェルター症候群だった可能性が考えられます。

南極に行く事になった経緯

タケシは動物愛護団体のもとにいた猫で、もともとは隊員たちの猫ではありませんでした。しかし南極へ行くことを知ったある女性が、「幸運をよぶ猫だから、どうぞ一緒に南極へ連れていってください」といって、隊員たちにタケシを譲ったことからタケシの南極行きが決定したのです。

またタケシの南極行きが決まった際、永田武隊長の「武」から名前をもらい「タケシ」とよばれるようになったというエピソードも残っています。

南極に行った猫タケシの日常

三毛猫

南極物語を知っている人ならご存じだとは思いますが、隊員たちが南極にたくさんの犬を連れて行ったのは「犬ぞりを引いてもらうため」という意図がありました。しかしタケシは猫なので犬のようにそりを引っ張ることはできません。なので、タケシは隊員たちのペットとして務めを果たすことになりました。

タケシの役割

厳しい環境が待ち受けている南極。全員が生き延びるために、隊長は難しい判断を迫られることもあったのでしょう。しかし、中には隊長の指示に不満を覚える隊員もいたようで、鬱憤の溜まった隊員たちは「おい、タケシ!」と、タケシのことを乱暴に呼び捨てしていたこともあったそうです。

隊長と同じ名前ということもあり、なかなか大変な任務をタケシは引き受けていたのではないかと推測できますね。とはいえタケシは隊員の中でも人気者でした。夜眠る時に隊員の布団の中へ自ら入ってきたり、隊員に抱っこされた時はおとなしくしていたりといった様子を見せていたのだとか。もしかしたら、タケシは「自分も隊員の一員だ」と思っていたのかもしれませんね。

タケシの性格

タケシが親しかったのは隊員たちだけではありません。一緒に南極に行った犬たちとも仲良く戯れることがあったそうです。特に、南極で生まれた子犬たちとは仲が良かったようで、子犬たちと一緒に行動している写真も何枚か見つかっています。タケシはあらゆる人間や動物に対して心を開いていた、フレンドリーで優しい猫だったようですね。

そのまま1年間、隊員たちや犬たちに囲まれながらマイペースに南極で暮らしていました。

タケシは南極に取り残されることはなかった

南極の空模様

南極物語では、悪天候のせいで犬たちを泣く泣く置いていったことが書かれています。しかし、猫も一緒に置いていったという記録は残っていません。

実はタケシは隊員たちと避難し、一緒に南極から日本に帰ってくることができたのです。というのも、やむを得なく最小限の荷物だけを持ってビーバー機「昭和号」に乗り込むことが決まった時、作間隊員が迷わずタケシを連れていったのだとか。

しかし、たくさんいる犬たちを「昭和号」に乗せることはできず、すぐに迎えに来るつもりで犬は南極に置いていったといわれています。この時に南極に取り残されて、奇跡的に生き延びた犬があの有名なタロとジロです。

ちなみに「昭和号」にタケシも乗ることが決まった際に、猫サイズの赤い救命道具をつけてタケシが帰国に備えている写真も残されています。

南極に行った猫タケシのその後

三毛猫立ち姿

南極から無事に生還することができた猫のタケシ。日本に帰った後、タケシは南極へ行った隊員の一人である作間隊員の家でゆっくりと余生を過ごす予定になっていました。しかし、ここで思いもしないハプニングがおきます。なんと、南極から日本に戻ってきてから1週間ほど経ったある時、タケシは行方不明になってしまったのです。

それからタケシを見かけた人はおらずタケシがどこに行ったのか、どのような生き方をしたのかは謎に包まれたままです。タケシを引き取ることになっていた作間隊員は、「タケシは南極を求めて、再び旅に出てしまったのではないか」と考えていたのだそうですよ。

まとめ

眠る三毛猫

三毛猫のオスという生まれつき珍しい特徴を持っていただけでなく、南極にまで行って無事に生還し、その後は多くの謎を残して姿を消してしまったタケシ。とてもミステリアスで興味深い猫ですね。

投稿者

10代 男性 がくぽんた

うちの、猫は、先住猫をいじめます。解決策をください。

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