猫の知覚過敏について
猫の知覚過敏は常に行動に落ち着きがなく異常な状態のことをいいます。それぞれ猫の性格によりますが正常な子でも神経質や怖がりな場合があったり、その子その子によって行動に差が出てくるため、飼い主さんが中々気づかないケースが非常に多いです。
そのため猫の知覚過敏の症状が進んでしまい、ひどくなるといつも猫の背中や腰などの皮膚がピクピクと波打つように動いたり、同じ部分を長時間毛づくろいした影響で毛が抜けて薄くなり皮膚が傷ついたり炎症をひきおこしてしまうこともあります。また性格も穏やかな猫から気性が激しい猫に豹変することも知覚過敏の特徴です。
猫の知覚過敏は、私たち人の知覚過敏が冷たいものを口に入れた時に染みてしまう病気であるのとは全然違うのです。
猫の知覚過敏の原因
- 脳の異常の可能性
- ストレスの可能性
現段階の獣医療では猫の知覚過敏の原因がハッキリと分からず不明といわれています。身体検査の他に血液検査やレントゲン検査、ウイルス検査など飼い主さんの稟告を聞いて必要な検査をおこなうのですが、知覚過敏を発症している猫は苛立っていることがよくあるため検査ができない場合があることも原因不明の原因かもしれません。
しかし、てんかん発作など脳の異常により神経症状をおこすことが猫の知覚過敏と関係しているのではと推測されています。また猫は少しの環境変化を敏感に感じとるためストレスがかかりやすい動物です。そのため一説にはストレスによる恐怖や不安感から猫の知覚過敏症をひきおこしているのではといわれています。
猫のストレスになる要因には
- 引っ越し
- 新しい同居猫や人が増えた(減った)
- 部屋の模様替え
- 日常生活上での不満
- 皮膚炎
- 甲状腺機能亢進症
- 栄養バランスが悪い
などがあげられます。知覚過敏を発症している多くはアビシニアンやシャム、バーミーズなどの猫種で先天性疾患である可能性が高いともいわれています。
猫の知覚過敏の症状
初期症状
- 猫の背中や腰、尾の付け根部分の皮膚がピクピクする
- 猫が気になる部分を舐め続け毛が抜ける
- 猫が触られることを嫌がる
- 猫の瞳孔が大きくなる
猫によって症状の度合いに差があったり頻度が1年に数回しか発症しない場合があるので、その猫の特徴だと思ってしまったり見逃してしまうこともあるようです。よく見られる初期症状は背中や腰、尾の付け根部分の皮膚がピクピクと波打ちケイレンのような動きをする、波打っている皮膚が気になり舐め続けてしまい毛が抜ける、一瞬でも触るだけでも過敏に感じ嫌がる、黒目である瞳孔がランランと大きく見開き一点を見つめているなどです。
進行した場合の症状
- 猫が急に走り周り過度に鳴き続ける
- 猫の興奮状態が続き中々治らない
- 猫が自分の尻尾を常に追いかけ噛みつく
- 猫が急に暴れる
- 猫が狭い場所から出てこない
- 猫が飼い主を威嚇する
- 猫の自傷行為
猫の知覚過敏の初期症状が進行すると突然スイッチが入り、急に走りまわり、過度に鳴き続ける、興奮状態が続き中々おさまらない、自分の尻尾を常に追いかけ噛みつく、急に暴れる、狭い場所から出てこないなどの異常な行動をとるようになります。さらに重症になってしまうと猫は信頼関係ある飼い主さんに対しても威嚇するようになり襲いかかってくるようになります。また自分自身に対しても自傷行為をすることがあり血だらけになるケースも実際にあります。
猫の知覚過敏の治療法
- 猫のストレスを緩和、生活環境の見直しをしてあげる
- 猫にサプリメントや漢方薬を飲ませる
- 猫に薬物療法を行う
ハッキリとした原因が分からないため明確な治療法がなく、症状の度合いや頻度に応じての対症療法しかありません。
猫のストレスの緩和、生活環境の見直しをしてあげる
初期症状や頻度が少ない場合はストレスが関与している可能性があるためストレスの緩和や生活環境の見直し、改善することによって症状が落ち着くことができるといわれています。
例えば毎日5分〜10分くらいは遊んであげたり、スキンシップなどでコミュニケーションの時間をつくってあげ猫の様子みながら嫌がる場合はやめてあげることです。またトイレなど猫の身の回りの環境を常に清潔に保ち、落ち着くスペースを確保したり、香水やタバコなど有害なものは排除させます。元々猫は大きい音が苦手なため、騒音をたて刺激をあたえないことも必要です。そのため飼い主さんやその家族が努力する必要があるため猫としっかり向き合わないといけません。
猫にサプリメントや漢方薬を飲ませる
その他にも猫の中枢神経に作用するサプリメントであるジメチルグリシンやカンナビジオールは、猫の脳内ホルモンのセロトニンの分泌を促進し抗うつ効果があります。サプリメントだけではなく漢方薬も効くといわれておりネットで相談窓口がある漢方薬局がありますが、猫は苦味のある薬を服用する自体嫌いなため飲まない欠点があります。
猫に薬物療法を行う
症状が重度な場合やてんかん発作など脳の異常が疑われる場合は生活環境の改善の他に薬物療法をおこない、抗てんかん薬や抗不安薬、抗うつ薬などを服用し症状をコントロールさせます。あくまでも症状を緩和させたり落ち着かせる対症療法となってしまうため完治することは難しいといわれており継続的な治療が必要になります。
症状によりますが薬物療法をおこなった際は1カ月に1万〜2万はかかると思われます。知覚過敏になりやすいアビシニアンやシャム猫の平均寿命が通常の猫の寿命より2〜3才ほど短いが適切な治療や処置をおこなえば他の猫と同じように一生を全うすることができます。
猫の知覚過敏の予防法
知覚過敏を発症する要因はいくつかあげられますが、ストレスに弱い猫にとってはストレスが引き金になりやすいため、普段の生活からトイレを常に清潔に保ったり安心できるスペースを確保するなど改善したり気をつけることが重要になります。
また同居猫との仲が悪いのも影響していることがありますので、それぞれ距離をおくように隔離したりする対策もストレスを防ぐことができます。ストレスを感じていたりリラックスしていない時は猫の黒目が大きかったり尻尾を体に巻きつけ、イライラしている際は左右に大きく振っていたりなど何らかのアクションをするので、そのような行動をおこしてないか日々チェックするといいです。
まとめ
過度なグルーミングや皮膚が波打つように動いていたり突然興奮状態になり走り回るなどの知覚過敏は猫の個体によって症状の度合いや頻度に差があるため中々診断が難しい病気です。猫を病院に連れてきても緊張や不安感から診察時に症状を出さないことが多いため、お家で猫に症状が起きた時に動画を撮影すると非常に分かりやすく原因特定に繋がり早くに適切な治療をおこなうことができます。
また猫にいつもと違う様子があったり普段しないような行動をするようになったなど猫の様子に気になる点があれば自己判断せず、まずは病院に受診したり獣医師と相談することも早期発見ができます。
10代 男性 猫大好き
ずっと気にしなくて生活すればそのうちなおりますか?
本当に心配です。できるだけ早くの返信をお待ちしております
30代 女性 はな
早く病院へ行くべきなのでしょうか?
環境を整える等してからで良いのでしょうか?
40代 女性 うめ
でも皮膚病やダニ・ノミの疑いのみでした。ノミのお薬は症状が始まる4日前にしたところ。バタバタと部屋中をすごい勢いで走りまわり、止まっては尻尾や背中、全身を舐めまくり噛んだり。尻尾の付け根が禿げてしまいました。ネットで再度調べてみたところ、知覚過敏の症状とぴったりとあてはまり。治療方法がない、完治は難しいなど・・絶望的でした。こんな可哀想な状態がずっと続くのか。体力はもつのだろうか?どうしようと不安になっていましたが、インスタで検索してみると、数日で治まったという情報が数件あり。うちの猫さんも、1日中走り回っていたのは3~4日で、それから少しずつ治まり日に数回発作的に起こる以外は普通に戻り。そして、なぜか朝の起床時にだけ発作が起こるようになり。そして今は発作も起こらなくなりました。また起こるかもしれませんが、今のところは治まっています。なので、飼い主さま希望を失わず、なるべく猫さんのストレスになるような事を減らし様子を見てあげてください。大丈夫。
女性 まるこ
日を追うごとに症状が悪化し、一番ひどい時はベットで寝ていたのに、叫び声をあげて飛び上がり、部屋中を走り回る状態でした。その晩は心配で心配で抱っこしたまま過ごしました。
ネットで探しまくったら「知覚過敏」の症状に当てはまりました。病院に行き、その名前を出してもご存じない様子で、ステロイドを処方されましたが全く効かず。。病院を何か所か変え、3か所目でようやく症状をご存じの先生に出会えました。その先生いわく、「なるべくストレスを与えないこと。」「飼い主が過剰反応したいこと。」「急な温度変化をさせないこと(真冬に外に出す等)。」と言われました。お薬の処方も無かったです。
うちの猫はものすごい構ってちゃんなので、なるべく構ってあげるようにして、症状が出たら気をそらせる為に大好きなおやつをあげたりして、少しづつ症状が和らいでいきました。今でもたまに背中が波打つことはありますが、すぐ収まります。
症状が出たばかりの飼い主様は不安だと思いますが、落ち着いてきますので大丈夫ですよ。