猫の熱を下げる方法と体温の測り方

猫の熱を下げる方法と体温の測り方

猫も人間と同様に病気などが原因で発熱することがあります。感染症などの疑いもあるので、早急に病院に連れて行くなどの対処が必要です。日頃から猫の熱や体調の変化を確認できる方法を身に付けておきたいですね。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の熱を下げる方法と注意点

注射と猫

猫の熱を下げる方法

高熱になると、食欲や元気がなくなり動こうとしなくなります。猫が熱を出すと体を冷やすなどして、すぐに熱を下げたいと思う飼い主さんもいるでしょう。

しかし安易に熱を下げようとすると、かえって病状を長引かせることもあります。熱を下げるには病院で診断を受け、解熱効果のある注射を打つなどの治療を受けるのが安心です。

猫に熱がある時の対応

猫に熱がある時、様子をみるなどの自己判断は危険です。症状が軽く、あまり心配がないと診断されたら、自宅で水分や消化の良い食事を摂らせます。

缶詰などのウェットタイプの餌なら、無理なく水分が摂ることができます。発熱が続くと脱水症状の危険が高まるので、水分は工夫してしっかり摂れるようにしましょう。

猫が熱中症になった時の体温の下げ方

暑い日には熱中症にも注意が必要です。肉球に汗をかいているようなら冷たい場所や、ひんやりシートなどに寝かせる、凍らせたペットボトルを傍に置くなどして体温を下げてあげましょう。

熱中症も重症化すると命に関わります。ぐったりしているようならすぐに病院で診断を受けてください。

猫の高熱は何度?

猫の体温は通常38℃前後と、人間より少し高めです。このため抱っこした時にホカホカ暖かいと感じるのです。しかし、40℃近くであれば熱があると判断できると思います。

一般的に猫風邪とよばれている、伝染性鼻気管炎やカリシウイルスなどのウイルス感染の場合、軽症のことも多いですが、重症化してしまうと命に関わることもあるので、熱が出て下痢や嘔吐などの体調の変化があれば、すぐに病院へ連れて行きましょう。

猫の熱を測る2つの方法

体温計と猫

猫の体を触って、いつもより熱いと感じたら熱を測ってみましょう。体の中で毛の薄い耳や脇、内股などを触ると、より体温の変化を感じやすいです。

いつもより体が熱い、なんだか元気がないと感じたら発熱のサインです。また、体温は一日のうちで変化します。一度は測って問題が無くても、気になるようなら何度か測ってみましょう。

肛門に体温計を入れて猫の熱を測る「直腸温」

獣医さんなどでは、猫の肛門に体温計を入れて猫の熱を測るのが一般的です。家庭でも体温計を使って体温を測るのが、猫に熱があるか確認するには一番確実です。

獣医さんが行っている「直腸温」という方法は、正確に体温を測ることができるというメリットがあります。

家庭で測る場合は、人間用の体温計でも測定できますが、猫用の体温計を購入した方がよいでしょう。人のものだと固く腸管を傷つけてしまうかもしれません。先端が柔らかくなっていて挿入しやすく、衛生面でも安心です。

耳で猫の熱を測る「耳内温」

直腸温で猫の熱を測るのは暴れて危険なので、素人が1人で測るのはかなり難しいです。そもそも猫の肛門に体温計を挿すのには勇気も要りますよね。

直腸温に抵抗がある場合は耳で熱を測る「耳内温」という方法もあります。人間用も販売されていますが、耳に体温計を当てて体温を測る方法です。

耳に差し込むタイプもあれば、非接触タイプもあります。非常に手軽で、猫もストレスを感じない方法ですが、体温を知るという点では直腸温ほど正確ではありません。また、耳内温用の体温計は直腸温用よりも、やや高額です。
また注意点として人用のものが猫ちゃんでうまく測定できるか、測定した値が正しいかはわからないところがありますので気を付けてください。

猫の耳が熱い理由

テーブルで寝ている猫
  • 猫が不安な時耳が熱くなる
  • 猫が興奮状態のとき耳が熱くなる
  • 眠い時に耳が熱い

熟睡中の猫の耳を触るとヒンヤリしていると感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。それだけに耳が熱くなっていると、「熱があるのでは?」と心配になりますね。

もちろん発熱している時も耳が熱くなることはありますが、耳が熱くなる原因はそれだけではありません。

病院など知らない場所に連れて行かれて不安になったり、夢中になって遊んだりすると、興奮状態で交感神経が刺激を受けて耳が熱くなります。また、猫は眠くなると耳が熱くなる事があります。

この様なケースに当てはまるのであれば耳が熱くなっても心配はいらないでしょう。静かな場所で気持ちを落ち着かせ、水分などを与えてあげましょう。

まとめ

ケットにくるまれた猫
  • 猫に熱はある時は病院へ
  • 猫に熱がある時は水分をしっかり取らせる
  • 猫の熱を測る時はお尻の穴で測る『直腸温』か耳で測る『耳内温』がある

猫の小さな体が熱くなっていると、とても心配ですね。人間と同じように熱が出ると猫は辛くなります。

しかし体調が悪いと猫はそれを隠そうとする性質があるため、状態が悪くなってから気付く可能性もあります。

猫がいつもと違う場所で寝ている、餌を残しているなどの変化を見逃さないようにしましょう。

猫といつもスキンシップを取っていれば、いつもより体温が熱いなどの変化もキャッチしやすいでしょう。

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