猫に歯磨きはなぜ必要?
猫にとって怖い病気の1つが口腔内で起きる歯周病とされています。歯周病は口の中で溜まる歯垢の中にいる細菌が原因です。そのため菌から守るために、猫に歯磨きをさせることが大切になってきます。猫は餌を食べるとき、かみ砕くより食べ物をそのまま飲みこむ傾向があるので、歯垢が付きにくいです。
しかし、現在では飼い猫の主食であるキャットフードが柔らかいものになっているため、口の中に食べ物のカスが残りやすいのです。飼い猫のお口の中をキレイにしていても、歯と歯茎に24時間ほどすると歯垢がついてしまい、3~5日程度すると歯石に変わってしまいます。
歯垢や歯石は口臭や歯茎の炎症を起こすので、毎日の歯磨きをすることによってしっかりと予防することが必要になっています。飼い主は毎日の歯磨きで、愛猫のお口の健康と身体の健康までしっかりと管理してあげましょう。
猫の歯ブラシの選び方
猫の歯ブラシの選び方は、その猫のお口や顔の形状によってよく選びましょう。大きさが合わないと歯磨きが難しくなり、効果もなくなってしまいます。実際に歯磨き選びと磨き方に苦戦している飼い主は多いようです。猫が歯磨きを嫌がらないような方法の磨き方があるので、いくつか見ていきましょう。
歯磨きの慣れ具合で歯ブラシを選ぶ
猫初心者の飼い主やどうしても歯磨きを嫌がる猫におすすめなのが、歯磨きシートを人差し指にきつく巻き付けて、お口の中や歯を拭き取ってあげる方法です。
すんなり歯磨きをさせてくれる猫は少ないので、最初はこの歯磨きシートを使って、お口の中の清潔を保ってあげるのもいいといえるでしょう。ただし、この歯磨きシートだけのケアだけでは歯垢は落とせません。歯磨きシートは、歯を触ることから始め、歯磨きを慣れさせるための最初の段階としましょう。
飼い主が歯磨きしやすい歯ブラシを選ぶ
飼い主である人間が使いやすい猫用歯ブラシのタイプとしては、ヘッドが小さめで毛束が少なめのものがいいといえます。毛束と小型ヘッドのものは、小さな猫のお口の中を動かしやすく小回りが利くので、使いやすいですね。
人間の歯ブラシと同じ作りのほうが猫の歯を磨くときに、すぐ感覚がつかめるといえるのでおすすめです。乾いた歯ブラシのヘッドを猫は好まないので、ヘッドに水を多く含ませて磨いてあげましょう。
飼い主が歯ブラシを持つときのイメージとしては、握りしめるのではなく、鉛筆を持つようなスタイルでいるといいです。そうすれば、飼い主も余計な力が入らず、猫にとっても負担がかかりません。
人間用ではなく猫用を必ず選ぶ
猫の歯ブラシを人間用でも代用できるのでは?と考える飼い主もいらっしゃると思いますが、それはNGです。猫のお口の中のサイズや、歯並び、どうやって磨くかなどの目的、猫の好みや飼い主の使い勝手を考えて選ぶことがいいでしょう。
人間用の歯ブラシは猫のお口の中に対して、ヘッドが大きすぎます。なにより人間用は小回りがきかず、歯垢が取れづらくなります。猫には人間用の歯ブラシの大きさが負担に感じてしまうようなので、なるべく猫用歯ブラシを使って磨いてあげましょう。
指サック型の歯ブラシや猫用の電動歯ブラシも売られているので、いくつか試してみるのもいいでしょう。また、猫用歯ブラシは、ペットショップなどで多数扱われているので、どれが愛猫のお口に適しているか選んでみることをおすすめします。
猫用デンタルケアのバリエーション
猫のお口のケアは毎日欠かせないものですが、なかには歯磨きを拒否する子もいます。最初から無理やり歯ブラシをさせてしまうと、嫌な記憶として認識されてしまうので猫用のデンタルケアグッズを駆使してお口の健康を保ってあげましょう。
- チキンなどの香り付き歯磨きジェル
チキンやミントなどの香りがする歯磨きジェルを使うと、猫はそのにおいにつられて歯磨きを受け入れてくれる子もいるでしょう。
- デンタルスプレーや液体歯磨き
猫用歯ブラシ歯磨きシートも受け入れてくれない猫におすすめなのが、お口の中にスプレーするだけのデンタルスプレーです。水のなかに混ぜてお口の中の汚れをとってくれる液体歯磨きもいいでしょう。
- 歯磨きガムやジャーキー
猫にあまりストレスをかけたくない、といった飼い主におすすめするのが、歯磨きガムやジャーキーです。猫にストレスをかけさせず歯垢をとってくれます。固めな素材で作られているので、噛んでストレス発散にもなります。
- 歯磨きおもちゃ
好奇心旺盛な猫には歯ブラシを使う前に、遊びながらケアすることができる歯磨きおもちゃがいいでしょう。歯磨きおもちゃで遊んでくれるだけでお口のケアができるので、一石二鳥です。
猫用歯ブラシおすすめ10選!
猫は歯磨きを嫌がる子の方が圧倒的に多いため、歯ブラシもその嫌がる猫の傾向に合わせた種類の商品がたくさん出ています。キャットフードはお口のなかにカスが残りやすいため、どうしても毎日歯磨きをさせたいものですよね。
ネットではAmazonや楽天市場で売られています。歯ブラシの種類も豊富に取り扱っているので、参考にしてみてはいかがでしょうか。各メーカー、様々な歯ブラシの形を作り販売しているので、そのなかでも飼い主と愛猫に最適な歯ブラシをご紹介します。
ビバテック『シグワン猫用歯ブラシ』
ヘッド部分に360度毛が生えており、歯ブラシの向きを考えないで磨けます。特許製法も取っていて、歯の隙間の細かいカスが取れやすい商品です。
マインドアップ『猫口ケア 歯ブラシ マイクロヘッド』
ヘッドが丸く小さい形状になっているため、奥歯の方にも届きやすい設計になっています。歯ブラシの毛はナイロンでできており、歯磨きを終わった後に消毒ができるため、衛生面が気になる方に適しています。
ライオン商事『PETKISS 歯磨きシート 無香料』
歯ブラシが苦手な猫におすすめのシートタイプです。ウエットティッシュ状になっている歯磨きです。シートはデコボコ部分とウェット部分で作られており、汚れがしっかり取れる構造になっています。
マインドアップ『猫口ケア ティースブラシ』
ヘッドがとても小さく、歯と歯の間や歯と歯茎の隙間を磨くのに適した歯ブラシです。毛が硬めなため、あまり力を入れないで使える女性におすすめ。スペアブラシがついているので、コスパがいい歯ブラシといえます。
ペッツルート『歯磨きジェル』
歯ブラシが苦手な猫に向いている歯磨きジェルタイプ。直接、歯茎や歯に塗ることができるので、お口のケアがしやすいアイテムです。長野県の天然水を使っているため、安心して猫のお口の中に入れられますよ。
スーパーキャット『らくらく歯みがきシートマッサージ』
子猫や高齢猫に合わせて作られたシートでやわらかい肌触りです。子猫は歯茎がやわらかく、高齢猫は歯周病になっていることが多いので、歯ブラシが歯茎に当たったり、歯茎をこすったりすることで出血する場合もため、やわらかいシートを使うこともアリです。緑茶成分も配合されており、口臭ケア対策としても使えます。
トーラス『歯垢トルトルデントレーナー』
歯ブラシを嫌がる猫や歯ブラシが初めての猫におすすめの歯ブラシです。ヘッドが小さいので、お口が小さな猫に向いています。猫の歯磨きの負担が少しでも軽くなるという配慮から、毛の長さは短く設計されています。
マインドアップ『猫用ゆび歯ぶらし』
まだ歯磨きに慣れていない猫に、口元を触らせることを慣れさせながらケアができます。歯の表面と裏側を親指と人差し指で挟んで、歯の両面を同時に歯磨きできる便利なアイテムです。
ペッツルート 『まゆ 歯磨きスティック』
まゆ玉のデコボコの表面を噛むことで、歯の表面の汚れを取ってくれます。まゆの部分にまたたびの実入りで音も鳴るので、猫も楽しんで歯磨きしてくれるアイテムとなっています。
スーパーキャット『らくらくプレミアムゴールド歯磨きシート』
このシートタイプの歯ブラシは、よりしっかり歯垢が取ることができる特殊3層シートとなっています。歯茎や歯を痛めづらく磨くことができますが、歯に付着した歯垢をがっちり絡めて取ってくれます。
猫に歯ブラシをするときのポイント
猫を歯周病から守るため、できれば毎日歯磨きをすることをおすすめしますが、嫌がる猫が多いといえるでしょう。そのため、嫌がる時に無理やり歯磨きをすると、歯を磨くというストレスから磨かせてくれなくなってしまうかもしれません。
猫に歯磨きをするのを週に2~3日だけにするというのもいいでしょう。慣れてきたら徐々に回数を増やしていくのもいいといえます。また、猫のお口の大きさによって歯ブラシを使い分けるのもおすすめします。前歯の方と、磨きづらい奥歯の方へと何種類か使い分けてあげると、お口の衛生がより保たれますね。
ご褒美を用意する
猫に歯磨きをさせる際に効果的なのが、ご褒美の歯みがきおやつや歯磨きペーストを与えることです。普通のおやつを与えると、せっかく磨いたのに汚れてしまいますが、デンタルケアグッズであれば歯磨きとの相乗効果を期待できます。
なかには歯磨き後のご褒美目当てで、自ら歯磨きを催促する猫もいるのだとか。もちろん歯を磨かれるという行為は好きではないようですが、それを苦にしない猫の存在は凄いですよね。
嫌がる時は無理に歯磨きしない
愛猫が歯磨きを嫌がる姿を見て、「やはり無理強いはさせたくない」と思う飼い主が圧倒的ですよね。そのようなときは慣れるときまで、「今日は前歯だけを磨いてみよう」、「前歯が磨けたので奥歯をトライしてみよう」と徐々に磨いてあげるのもいいでしょう。
始めは部分ごとに磨いてみて、少しずつ抵抗感がなくなっていくのを確認しながら磨いてみることもおすすめします。もちろん、どうしても嫌がるときは無理強いしてはなりません。余計に歯磨きをすることが嫌いになってしまいます。
決して焦ることはせず、最初は1週間で全部の歯を磨ければOKと、ゆっくり歯磨きを覚えさせてあげることで、嫌がらず磨かせてくれるようにもなりますよ。
毎日の歯磨きのコツとは
歯磨きを慣れた猫でも、お口の中に歯ブラシを入れられると、どうしても飼い主を噛んでしまうことはあるあるです。しかし、猫にとって怖い病気である歯周病を放っておいてしまうと、歯茎から血が出たりして歯を失ってしまうなど、ダメージを与えてしまいます。
歯を磨く際のコツは、歯をマッサージするようにブラッシングしてあげます。そして、歯の根元から歯垢をかき出すようなイメージで磨くといいでしょう。歯ブラシを鉛筆のように持つよう握り、歯に対して斜め45度をキープして軽い力で磨いてあげましょう。
あまり強く磨いてしまうと、歯茎から出血してしまい、歯茎が削れてしまうので要注意です。すべての歯を磨かせてくれるようになるまでは、歯垢が溜まりやすい奥歯を重点的に磨くことが大切です。
まとめ
一昔前は、猫に歯磨きをしてあげるという発想がなかった飼い主が多数だったと思われます。しかし現在では、猫の歯磨きの重要性がより具体的に知られるようになりました。猫は虫歯になることはないそうですが、歯周病になることで全身の健康のバランスが悪くなり、命にかかわる病気になることもあります。
そのような怖い病気を引き起こすのを防ぐため、デンタルケアをすることが当たり前になってきました。このような風潮から昔よりデンタルケアグッズも豊富になり、猫に合わせたデンタルケアもしやすくなってきたのではないでしょうか。