猫ははちみつを食べても大丈夫?
猫がはちみつを食べても害はありません。ただし、与え方や量、与える時の猫の状態には気をつける必要があります。
猫にとってはちみつは必要な食べ物ではないのですが、場合によっては、はちみつの持つ効果を期待して、与えることもあります。
猫にはちみつを与える時の注意点
- 猫にはちみつを与える時は体調を崩している子には与えない
- はちみつで糖分の取り過ぎに注意する
- はちみつのボツリヌス菌に注意する
はちみつで糖分のとりすぎに注意する
はちみつを猫に多く与えることで、糖分のとりすぎのおそれがあります。人間にとって少量だとしても、猫にとっては多すぎる場合があります。与える時はティースプーンの上に少し乗る程度の量を適量として、目安にして下さい。
はちみつのボツリヌス菌に注意
猫にはちみつを与える際の気をつけることとして、蜂蜜は天然のものなので、ボツリヌス菌がある恐れがあります。人間でも、1歳未満の乳児は免疫が弱いため、蜂蜜を与えてはいけないことになっています。
ボツリヌス毒素は、100度で2分程度加熱することで不活化されると言われています。ただ、はちみつを加熱すると、含まれる栄養素が熱で破壊されてしまい、せっかくの成分が摂れなくなってしまいます。
以上のことから、まずはちみつを、子猫や弱った猫や、体調を崩している猫には絶対に与えない、ということが大切です。
はちみつを与えた後に異変がないか
はちみつを与えた後は、猫の体調をよく観察することも必要です。何か体調に変化が現れれば、すぐに病院に連れて行きましょう。また、加熱したからといっても完全にボツリヌス菌が殺菌できるとも限りません。もし、はちみつを与えることそのものに不安があれば、与えない方が無難で安心です。
猫にはちみつは主食にしない!
はちみつは、ミツバチが花の蜜を巣に集め、加工して貯蔵されたものです。ミツバチが蜜を巣の中で口の器官を使って加工することで、糖度が増し、本来花の蜜にはない成分が混ざります。
はちみつの成分は、糖分はもちろん、ビタミンC・ビタミンB1・ビタミン B2などのビタミンと、カルシウム・ナトリウム・リン・鉄・銅・亜鉛・マンガン・カリウム・マグネシウムなど、たくさんのミネラルが含まれています。
猫にはちみつを主として与えるということは、よくありません。猫に必要な栄養素は、はちみつからではなく、猫用フードから適切に、食事として摂取することが良いでしょう。
猫がはちみつを食べた時の効果
- 猫にはちみつを与えると口内炎に効果が期待できる
- はちみつで腎不全による口内炎の緩和に期待できる
- はちみつは猫の栄養補給に役に立つ
猫にはちみつは『口内炎』に効果が期待できる
猫にはちみつを与えると口内炎に効果が期待できると言われています。はちみつは成猫にとって危険が少ないために、ステロイドなどよりは、安心して与えられると言えるでしょう。しかし、しっかりした治療効果は期待できない可能性の方が高いです。使用前には獣医さんに指示を仰ぐことをお勧めします。
動物病院では、ステロイドなどの薬が処方されますが、薬の効果が切れると再び痛むので、口内炎をもとから治すわけではありません。他には抗生物質や、サプリメントなども処方されることがありますが、副作用や体への影響が気になります。長期にわたって投与すると内臓や皮膚に影響が及ぶことがありますが、炎症がひどく生活に支障が出ている状態では薬による治療が必要です。
猫は口内炎や、歯肉炎になりやすい生き物です。口内炎や歯肉炎になると、痛みのために餌をあまり食べられなくなります。口内炎は、猫風邪で免疫力が落ちたり、ビタミンが足りなくなったりして、一時的になるものがあります。ウイルスや、口内細菌が発生することで、口内炎になってしまう場合もあります。
腎不全による口内炎の緩和
また、腎不全になってしまうと、体内の老廃物がうまく処理できず尿毒症になることがあります。すると吐く息にアンモニアが含まれるため、口腔内の粘膜がただれることで、口内炎になることもあります。
口内炎になると、よだれが増え、口臭もしてきます。水を飲む時にも痛むので、とてもつらい症状となります。口内炎の痛みで食事が取れず、体が弱ってしまうと、猫の命にかかわることもあります。
はちみつで栄養の補給ができる
はちみつを少量でも与えることで、ビタミンやミネラルなどの栄養補給ができると考えられます。体に必要な栄養素を取れることで、猫の毛艶が良くなる効果も期待されます。
これは口内炎の治療目的や、薬を与えやすくするためにはちみつを与えた際に期待できること、という意味です。健康維持の目的ではちみつをあげる、ということがおすすめされるわけではありません。
猫にはちみつ製品はあたえてもいいのか
猫には、はちみつ製品以外にも基本的に、人間用の食品を猫に与える必要はありません。はちみつ製品も、与えるメリットがありませんので、あげようかどうか迷った時には、与えないようにしましょう。
はちみつ製品に含まれる糖分は、虫歯や肥満、糖尿病の原因になると考えられますし、他の成分が猫の体に適していないものであることも多いのです。
マヌカハニーは与えても大丈夫?
はちみつの中でも、マヌカハニーという希少な種類のものは、抗菌作用が強いと言われています。そのため、猫の口内炎や歯肉炎をやわらげるのに効果がある、と言われています。
抗菌作用があるはちみつ(マヌカハニー)は、副作用もなく安全で、猫に舐めさせやすいことから、口内炎の治療として使われることも多いのです。ただし、はちみつは、全ての猫に効果があるというわけではなく、効果の持続性も個体差があります。
実際にはちみつ(マヌカハニー)を与える場合には、飼い主さんが指先にほんの少しだけつけて、口元に持って行ったり、直接口の中に塗ったりします。自分から舐めてくれる猫もいますし、舐めない場合には、口の周りにつけてあげればはちみつ(マヌカハニー)を舐めてくれるでしょう。つけすぎには注意してください。
メープルシロップは?
はちみつと似たものに、メープルシロップがあります。メープルシロップは、砂糖楓の樹液を採取して、濃縮したものが主成分のシロップです。カルシウムやマグネシウムをはちみつよりも多く含んでおり、カロリーについては、はちみつよりも低いとのことです。メープルシロップも、糖分があり、虫歯や肥満などを考えれば、与えない方が良いでしょう。もし猫が多少舐めてしまったとしても、少量であれば命に問題ないとは言えます。
ヨーグルトは?
他にも猫が舐めやすい食品に、ヨーグルトがあります。もし猫が舐めても、無糖のヨーグルトであれば、加糖のものよりは安心です。ただ、食べ過ぎて下痢を起こすなど、猫によっては体調を崩すこともあります。どうしてもヨーグルトを与えたい場合、猫用のヨーグルトが販売されていますので、そちらを与えた方が良いでしょう。
猫とはちみつのまとめ
猫に、はちみつをあげる必要はありません。健康や栄養面での大きなメリットもないと言えるでしょう。
ただ、猫が口内炎になった時には、はちみつを少量患部に付けることで、改善される場合もあるということです。他には、猫に薬を飲ませる時に、はちみつに混ぜたり、包んだりすることで、食べさせやすくするという使用法もあります。その時には、猫がはちみつを舐める事になりますが、少量であれば舐めてしまっても大丈夫だということです。
基本的に、人間用に作られた食べ物を猫にあげる必要はありません。猫がはちみつを舐めたがるから、という理由は、味やにおいが好きだからという場合もありますが、飼い主さんがくれるから食べているという理由や、いたずら心や、興味から食べてしまう場合もあります。
人間にとって体に良いとされるものが、必ずしも猫にも良いとは限りません。また猫には、舌にある甘みを感じる味蕾の数が、人間よりも少ないため、甘みをほとんど感じていないと言われています。うちの猫は甘いはちみつが好きだからあげないとかわいそう、と考えなくても良いという事です。
口内炎の治療目的や、薬を飲ませたいなどの理由があって、はちみつを与える時も、多すぎることのないように、少量だけにしましょう。はちみつを初め、猫に食べさせたいものがあり、判断がつかない場合には、獣医さんに相談してみるのも一つの方法ですね。
20代 女性 うづきまる
しかし、はちみつは甘いので猫ちゃんのお気に入りの食べ物になる可能性も大きいですよね。したがって、毎日数回与えていると猫ちゃんが重い病気や生活習慣病に罹患してしまう可能性も高いです。
したがって、はちみつは猫にとってのサプリメントのようなものと割り切って1日1度適度な量を与えるに留めておく事が必要になります。
虫歯のリスクも高まるので、猫ちゃんの好物だとしても与え過ぎには十分に注意しましょう。
そして、はちみつを舐めた後の猫ちゃんの体調をよく観察して、具合が悪そうなら病院へ連れて行ってあげましょう。