猫のひげを切らないで!大切な役割&幸運を招く縁起物

猫のひげを切らないで!大切な役割&幸運を招く縁起物

猫にとって多くの役割があり、世界でも縁起物として大切にされている猫のひげ。切ってしまうのはダメ!と皆さんご存じですか?猫のひげがどれほど大切なものなのか、もし誤って切ってしまった場合の対処法まで詳しく解説します。

猫のひげの大切な役割とは

猫の口元

猫のひげはかわいいチャームポイント!でも、その存在にはちゃんと意味があるのです。

猫のひげは触毛(しょくもう)と呼ばれていて、猫にとって大切な役割がたくさんあります。人間とは違い、猫のひげは感覚器官として筋肉とつながっており、自由自在に動かすことが出来るんですよ。

猫にとって大事なひげ、どのような役割や意味があるか紹介します。

障害物を感知するセンサーの役割がある

触毛(しょくもう)という呼び名からわかるように、ひげの根本にはたくさんの神経が通っており、生活の中で様々な役割、いわば「センサー」として周囲の情報を感じ取っています。ひげは敏感に刺激を感じとることが可能で、空気の流れを感じとれるほどだと言われています。

猫はよく「そんなに狭いところ通れるの?」という隙間を通り抜けてきたりとても狭い場所に隠れたりしていますよね。顔周りのひげのセンサーで周囲の障害物との距離を測り、自分が通れる隙間や場所を判断しています。

前方に障害物があってもサッと上手によけることが出来るのは、ひげの先で空間を感じ取っているからなんですね。

ひげを使って平衡感覚を保っている

猫の目は大きく暗闇の中でもきらりと光り視界を保っています。ですが実は猫の視力は0.1~0.2程度!人間の10分の1ほどしかなく、10m先位までしか見えていないうえにぼんやりとしか認識できません。

そこで視力の弱さを補い、平衡感覚を保つのに重要な役割を果たしているのがひげなのです。もしもひげが無ければ平衡感覚を失い、障害物にぶつかったり、ヨロけて歩けなくなってしまうでしょう。

猫のひげの繊細さをもってして周囲の状況を把握しているおかげで、暗闇や狭い場所でもしっかりと歩けているんですね。

気持ちを表現する役割がある

猫のひげは感情を表現するツールとしても大切な役割を果たしています。ひげが前を向いて広がっているときは「集中している」「興奮している」狩りの遊びをしているときや周りを警戒して集中している状態ですね。

ひげか上を向いてピンとしているときは「構ってもらえてうれしい」「テンションが上がっている」といったご機嫌な状態です、そのチャンスにぜひおもちゃなどで遊んであげてくださいね。

しかし、ひげが後ろにひきつっているときは「恐怖」「警戒」という怖がっている感情です!びっくりしていたり、おびえている状態なのでこの状態の猫に不用意に近づくと威嚇されてしまうこともありますので、飼い主さんは大丈夫だよと安心させてあげてくださいね。

湿度計としての役割

猫のひげが「だら~ん」と垂れてしまい、普段のピンとした状態ではなくなっているのを見たことがありませんか?

これは梅雨の時期によくみられる状態で、低気圧が近づいてきて気温が上昇することにより、ひげが水分を吸って張りがなくなってしまいます。

猫のひげがこの状態になってしまうと上記でも紹介した多くの役割が果たせなくなってしまいます。ひげが垂れてくることで湿度を感じ取り、役割の低下を防ぐため頻繁に顔やひげを整えて、いつでもピンとした状態を保っているのです。

気流や風の流れを感知する

猫のひげは非常に敏感で繊細、そのため微かな風をも察知することが出来ます。暗闇でもぶつからずに歩けるのは、物に近づいた時の気流の変化を感じ取るこの能力が役立っているんです。

「どこからどれくらいの風が吹いているのか」を感知することで、獲物の追跡、避難する際の方向の判断など様々な役割を果たします。

例えば、どれくらいの大きさのものがどう動いているかなども風で感知できるため、真っ暗でも獲物を捕まえることができる優れものなのです。

口元の猫のひげは5種類ある

猫の横顔

皆さんは猫のひげがどれくらい生えているか、数えたことがありますか?なんと全体で約50本~60本ものひげが生えているんです!

「猫のひげといえば?」と言われてすぐに思いつく口の上から生えている長い「上唇毛」を始め、「上眉毛」「口角毛」「頬骨毛」「下唇毛」の全5種類もあるんですよ。

これらは口の周りに生えているだけではなく、生活の中でセンサーが必要な場所に生えています。例えば「上眉毛」は目の上の長い毛、目や頭周りの危険を察知すれば瞬時に目を閉じて守ることが出来ます。

他にも視界に入りにくい喉元を守るなど、それぞれに非常な重要な役割があり、猫が安全に過ごすために必要不可欠なものなのですね。

猫の種類によってひげの色や長さは違いますが、このたくさんのひげが障害物や危険を察知し、目や頭を守るアンテナのような役割を果たしています。

ぜひ愛猫のひげをじっくりと見てみましょう、きっとたくさんのひげを発見することができますよ。

猫のひげは切っていいの?抜けるのは大丈夫?

トリミングされる猫

猫のひげの役割を紹介してきましたが、とっても大切な意味をもつということがわかりましたね。しかし猫のひげが切れてしまったり折れてしまった!ということもあるでしょう。

飼い主さんが意図的にトリミング感覚でカットしたり抜いたりしなくても自然と抜けることも少なくありません。切ってしまったり、抜けてしまったりした場合どうすればいいのか心配になりますよね。その際に気になる原因や対処法を紹介しましょう。

猫のひげは絶対に切ってはダメ!まっすぐ歩けなくなる

まず、猫のひげを意図的に切ってしまうのは絶対にいけません!ひげには神経が通っており、被毛よりも深いとことから生えているため切ったり強く引っ張ると猫はかなりの痛みを感じてしまいます。

上記で紹介した通りたくさんの役割を果たしているひげを切ってしまうと、猫は大切なセンサーを無くし「まっすぐ歩けない」「ジャンプできない」「暗闇で動けない」など非常に不便で、自信すら失ってしまいます。トリミングの際などひげが無い方がかわいいから、などという理由でカットするのは絶対にやめましょう。

自然に抜けるのは大丈夫!ただしストレスや病気が関係していることもある

猫のひげは切ってはいけませんが、自然と抜けるのは問題ありません。たまに猫のひげが床に落ちているのを見つけた!ということもあるのではないでしょうか。

猫のひげは半年に一度生え変わりのタイミングがあると言われていて、新しいひげが生え、古いひげは自然と抜けていくのです。

しかし、大量のひげが抜け落ちてしまっている場合は「猫ニキビダニ」「猫エイズ」など病気が原因の場合が考えられます。それらの病気にかかってしまうことで、免疫低下や皮膚の異常、そしてひげが抜け落ちてしまう症状もでてしまうのです。

飼い主さんは猫のひげの状態を日頃からよく見てあげて、不自然な抜け方をしている場合は早めに動物病院へ連れて行きましょう。

そして「強いストレス」が原因でも、ひげが大量に抜けてしまうことがあります。もし動物病院で診察してもらって病気でいことがわかれば、ストレスからくるものと疑いましょう。

病気の可能性を考えて受診したり、ストレスの原因を考察して取り除くなど、早期に対処してあげることが大切です。

誤って切ってしまった場合の対処法

もしも誤って猫のひげを切ってしまった場合、猫によって症状の度合いは違いますが、生活が不便であることには間違いありません。

ひげが無くなると危機を察知できず怖がって引きこもってしまう猫もいる程です。平衡感覚を失って障害物にぶつかって怪我をする、暗闇で歩けなくなるなどの障害がおきてしまうでしょう。

  • ぶつからないよう障害物を減らす
  • 暗闇で動けないため、常に明かりをつけておく
  • 身を隠せる安心できる場所をつくってあげる
  • 免疫低下で病気にかかりやすくなるので注意して様子を見る

上記の対策をとってみることがおすすめです。ひげがなくて不安な気持ちで過ごしているのを見ているのはかわいそうですよね、出来るだけ猫が安全・快適に過ごせるように環境を整えてあげましょう。

猫のひげはまた生えてくる?

切れてしまった、折れてしまったという場合でも、猫のひげは生えてきます!根本から切ってしまったという場合でも、平均でも2~3カ月で生えてきますよ。もしも生えてこない場合はストレスによる血行不良や、栄養不足などが考えられますので、動物病院で相談するのが良いでしょう。

切ってしまったひげは一生生えてこない訳ではないですが、また生えそろうのを待つしかありません。その間は猫の生活が安全第一で過ごせるように様子を良くみてあげてくださいね。

猫のひげが縁起物とされる理由とは

眠る猫

ご存じの方も多いかと思いますが、抜けた猫のひげは世界中で縁起物と言われていてお守りとして重宝されています。

もともと猫は厄除けや商売繁盛のご利益などの開運効果があると信じられており、そのため猫のひげにもパワーがあると考えられています。日本では金運をアップさせる効果があり、ヨーロッパでは恋愛運をアップさせる効果があると言われているんだとか!

それになにより大切な愛猫のひげですから、なんだか可愛くて捨てにくいですよね。かくいう私自身も家に猫のひげが落ちているのを見つけると「ラッキー!」と喜んで回収しています!

猫のひげを集める人も多く、無くさないように保管したり持ち歩けるように最近では「猫のひげ専用ケース」も販売されているくらいなんですよ。

しかし、お守りとして保管するのは「自然に抜けたひげ」でないといけません。縁起がいいからと無理やり引き抜いたり切ったりすることは猫のためにも絶対にNGです!

そんな幸運を招くと言われている猫のひげ、もし抜けたひげを見つけたらお守り袋にいれたり、財布にいれたりとぜひとも集めてみましょう!

まとめ

猫のヒゲ

猫のトレードマークである可愛いひげですが、日常生活を送るために必要不可欠な大切な感覚器官です。無理やり触ったりせずに大切に扱ってあげましょうね。

切ってしまうのは絶対にダメ!ですが周期的に自然に抜けたり切れたりするものなので、部屋に数本落ちているくらいなら必要以上に心配しなくても大丈夫。

もし誤って切ってしまったら生えてくるまで少しでも猫の生活が不自由ないように対策してあげましょう。猫のひげはたくさんの役割があるうえに猫の感情も読み取れる優れもの。

普段通りに過ごしているだけではなかなか目につかないひげですが、ひげの様子を観察して猫の気持ちを理解することで、愛猫との関係をもっと深めましょう。