バター猫のパラドックスの意味とその法則とは

バター猫のパラドックスの意味とその法則とは

バター猫のパラドックスという言葉を聞いたことがありますか?正しいとされる2つの法則が、両方同時に成立しない状況を矛盾といいます。この状況を表す有名なエピソードといえば、「韓非子」の一編にある「どんな盾も突き抜く矛」で「どんな矛も防ぐ盾」を突いたらどうなるのかという話。そんな2つの法則を用いた矛盾のひとつが、バター猫のパドラックスなのです。

バター猫のパラドックスとは

飛び上がる猫
  • バタートーストを背負った猫を落とした場合、着地するのは足かトーストか?というジョーク
  • 「猫は常に足を下にして着地する」
  • 「バターをぬったトーストは、常にバターの面を下にして着地する」

バター猫のパラドックスに関する2つの法則

バターののったトースト

バター猫のパラドックスがもつ2つの法則とは、どんなものなのでしょうか。それぞれの法則を見ていきましょう。

猫は常に足を下にして着地する

バター猫のパラドックスの1つ目の法則は、「猫は常に足を下にして着地する」というもの。猫は高所から落ちると、身体をひねりながら落下し、足から着地します。

これは生後21~30日頃から猫に備わっている空中立位反射のおかげで、猫のDNAに入った自然な行動です。そのため、落ちた猫は必ず足から着地するのです。

バターをぬったトーストは、常にバターの面を下にして着地する

バター猫のパラドックスの2つ目の法則は、有名なマーフィーの法則より。マーフィーの法則とは、人生の経験に基づいて導き出された「なぜか起きてしまう悲劇的な法則」。

たとえば「車を洗うと雨が降る」「人生において楽しいことは、違法であるか、反道徳的であるか、太りやすいかのどれかである」などがあります。

その中のひとつが、「バターをぬったトーストは、常にバターの面を下にして着地する」というものです。

バター猫のパラドックスの仮説

猫の足跡がついたトースト
  • 猫もバタートーストも永遠に地面につかずに空中で回り続けるのではないか?

猫の着地とバタートーストの法則が両方とも正しいと仮定した場合に、ある疑問が生じてきます。その疑問とは、バタートーストを背負った猫を落とした場合、着地するのは足かトーストか?というもの。

もしも猫が足から着地したら、バターをぬったトースト面は上に、バターの面が着地すれば、猫は足ではなく背中から落ちるということになってしまい、どちらかの法則が間違っていることになってしまいます。

では、両方の法則が正しいとした場合に何が起きるかというと、地面に着地しようとするバタートーストと猫の足、その両方の反発力により、永遠に地面につかずに空中で回り続けるのではないか?という仮説がなりたつわけですね。

猫が足から着地しようとする

バター猫のパラドックス説明イラスト1

マーフィの法則に従いトースト面が着地しようとする

バター猫のパラドックス説明イラスト2

この2つの運動が永遠に行われるため、空中で猫は回転しながらとどまる

バター猫のパラドックス説明イラスト3

もちろん、これは完全なるジョークです。実際にはおそらく猫が無事に着地して、背中にバタートーストをのせたまま走り去ってゆくことでしょう。

バター猫のパラドックスが映像に!

光でかかれた猫 
  • 映画:Perpetual Motion (永久運動)
  • CM:Flying Horse Energy Drink

バター猫のパラドックスをテーマにした映画

2003年には、バター猫のパラドックスをテーマにした論文を元にした映画「Perpetual Motion (永久運動)」が作られ、学生アカデミー賞を受賞しました。

Flying Horse Energy DrinkのCM

また、ポルトガルでは、エナジードリンク「Flying Horse Energy Drink」が、バター猫のパドラックスを用いて新エネルギーの開発に成功してしまうというテレビCMを公開して話題になりました。

かなり面白いので、興味のある方は、「Flying Horse - Gatorrada (Cat-Toast)」というタイトルで検索してみて下さい。

まとめ

こちらを見つめる青い目の猫

パドラックスという、少しとっつきにくいものを説明するのに、ウィットに富んだこのバター猫のパラドックスという説はわかりやく、世界中で受け入れられているようです。

動画投稿サイトでは、実際に猫の背中にトーストをつけて落としてみるというジョーク動画を投稿している人もいます。

当然のことながら、猫が着地する動画ばかりで、バター猫のパラドックスどおりに空中回転に成功した人はまだいません。

なにより飼い主のジョークにつき合わされている猫たちは、みんな迷惑そうな様子。

この記事を読んで、実際にバタートーストを背中にのせた猫を落としてみようなんて思わないで下さいね。

投稿者

30代 女性 にゃコロ

猫好き目線で読むと、残酷な実験…と思ってしまいますが、哲学的な人が読むと、興味深いお話だと判断するのかもしれないですね。

ブラックユーモアなんでしょうか。

映像も作ってる感満載なので、フィクションとして観させていただきました。

猫にパンを背負わせる事がまずまずシュールです。
でも、常識でいくとパンよりも猫の脚力と身体能力が勝ちますよね。
パンは食べ物で、生き物ではないので、身動きしないですから。
もしもパンが地面に向いたのだとしたら、猫が着地に失敗してしまった…と結論に行き着きます。

その常識を考えずに議論するお話なのでしょうが、私は哲学者には向いていなさそうです。

パンが衝撃を吸収するクッション材の役割になるかも知れませんが、どう考えても虐待か動物実験の枠に入ると思うので、実行する方がいないことを祈ります。
投稿者

40代 女性 なな

パラドックスの意味はなんとも、コミカルですね。
猫ちゃんは、高所から降りるときには回転しながら手足から着地します。
子猫の頃から、その能力は備わっているそうで本能は素晴らしいですね。
我が家の猫ちゃんも、本棚から滑り落ちたときにヒヤッとしましたが回転してしっかり着地してくれたので安心しました。

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