猫の知能の特徴やその秘められた能力とは

猫の知能の特徴やその秘められた能力とは

猫の知能というと、犬と違い芸ができる猫が少ないことや、訓練に向かないことであまり賢くないのではといわれることもありますが、とんでもありません。猫はとても賢い動物なんです。猫の知能の特徴や、秘められた能力をまとめました。是非、愛猫の行動と照らし合わせてみてくださいね。

猫の知能レベル

じゃれている猫と犬の写真

脳化指数を基にした猫の知能レベルは、人間の2歳~3歳程度に該当するといわれています。脳指数とは、身体に対する脳の割合を表すものです。猫と犬の脳化指数を比べてみると、猫は0.12、犬は0.14と僅かに猫のほうが低いですね。ただ、犬と猫の知能レベルは人間の年齢に例えた場合や脳指数どちらを比べても、そう大差はありません。

また、猫は犬と比べ人にとって合理的ではなく、犬のほうが訓練に向いていることから、猫の知能に関して行われている研究はとても少ないそうです。ただし、世の愛猫家さんたちのなかには「猫は人が思っているよりも、ずっと賢いのではないか」そう思っている人も少なくないのではないでしょうか。

猫の知能の特徴

子猫を抱きしめている子犬の写真

上記の脳化指数では、犬と比べ僅かに猫のほうが低い結果となりましたが、猫が犬よりも圧倒的に多いとされている指標数値があります。それは大脳皮質の神経細胞(ニューロン)の数です。このニューロンの数が多いということは、それだけ記憶や物事を処理する能力があるということです。犬のニューロンの数は1億6000万といわれているのに対し、猫のニューロンの数は3億にも及ぶそうです。このことから猫は情報処理能力や記憶力に長けているといえますね。

猫は短期記憶力に長けている

短期記憶とは、瞬間的に車のナンバーや電話番号などを、覚えるといった記憶力のことをいいます。記憶力を計る実験で、猫のこの短期記憶力は人の20倍以上あるということが判明しています。

ただし、この能力の発揮は「猫が興味を持っていること」が前提とされており、猫が興味を持たないものの場合には、この結果の10分の1程の能力も発揮しないということでした。

猫は三次元空間を理解する能力に長けている

猫は高い身体能力を持ち、先が見えないところへもジャンプして移動しますよね。猫は三次元空間を理解する能力に長けており、実際には見えていない高いところなどの状況も理解しているといわれています。

実際に行われた実験では、入り組んだ立体的な空間でも迷うことはなく、一度通った道であれば目的地までの最短距離を計算し、移動することができたそうです。

地域猫や、家を自由に出入りしている猫などは、帰宅を急ぐときには近道をしたり、エサをくれる家を決まった順番通りに回ったりするなどの行動がよく見られます。この能力も猫に目的があり、猫が快適に過ごすために必要な時のみ発揮されるといわれています。

猫の知能と犬の知能の違い

一緒に眠る犬と猫の写真

ここまでで猫の知能レベルは、犬の知能レベルとそう大差ないことが分かりましたね。愛猫家さんはお気づきかと思いますが、世で猫より犬のほうが賢いというイメージが浸透している理由は、猫の能力が発揮される場面にあるといえます。上記で紹介したように、猫にも犬に負けないほどの知能があります。ただし、その能力が発揮されるのはあくまで「猫の都合」によるものなのです。

犬は飼い主を喜ばせたい、褒めてもらいたいと飼い主に対してとても忠実で素直ですよね。そのため、盲導犬や聴導犬など、人のためにお仕事をする犬もたくさんいます。もちろん個体差はありますが、猫はそもそも「人に従う」ということに必要性を感じていないのかもしれません。

例えば人間用トイレで用を足す、ドアを自分で開けるなどの行動を、猫は「人の行動をみて」覚えています。これも教えられたからというより、猫が「自分で必要だと思ったから」行動に起こしたといえるかもしれません。

犬は人に教えてもらい、それらを行うことで褒めてもらいたいという気持ちから芸を覚えたりします。もちろん猫も、これをすれば嬉しいことがあると覚えることもありますが、それも猫自身が必要だと判断すればの話です。

また猫は警戒心が強く、衝撃的な記憶はよく憶えています。子猫の時に怖い思いをしたことなどは、なかなか忘れません。犬と猫の大きな違いとしては、犬はリーダーに従い生活をするのに対し、猫は自分の生活に必要だと判断したことのみを取り入れて生きるといったところでしょうか。こんな自由奔放なところも猫の良さのひとつですね。

猫の知能は悪口も理解する

顔を隠して眠る猫の写真

「猫は自分の悪口をいわれると傷つく」ということをご存知でしょうか。猫は、長い言葉は理解できないといわれるものの、家族が話している声色や雰囲気で自分に悪口をいわれていることを気付くといいます。

愛猫の話をしているとき、愛猫が耳をピクピク動かしているのを見たことがないでしょうか。例えば、悪口でなくとも愛猫がした悪戯を他の家族に話していると、ばつが悪そうな顔をしたり、そそくさと別室へ逃げたりはしませんか。

上記のような我が道を行く生き方をすると、される猫にも、家族が自分を愛してくれているのかを気にするような繊細な一面もあるようです。

まとめ

PCと猫の写真

ある愛猫家の研究者は猫の知能レベルを計ることは不可能だとしており、その理由を「猫は人に従う必要がないことを理解しているほど賢いのだから」と表現しています。これを読むとほとんどの愛猫家さんは納得してしまうのではないでしょうか。

我が家の愛猫も年々、自分が快適に暮らす術を編み出しながら過ごしています。今考えれば、私たち人間がしたことといえば、猫が暮らす上で危険になるものを排除しただけで、あとは猫が勝手に憶えたという感じかもしれません。そう考えると、うちの子はとんでもなく賢いのかもしれないと思うのも、また全国の愛猫家さん共通なのでしょうね。

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