猫の夏の暑さ対策3つのポイント

猫の夏の暑さ対策3つのポイント

皆さんは,猫ちゃんの夏の暑さ対策はどのようにされていますか?猫は暑さに強く,寒さに弱いというイメージから特別な対策をされていない方もいるのではないかと思います。この記事では,猫ちゃんと暑い夏を元気に乗り切るための対策とポイントについて御紹介していきます。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の夏の熱中症について

地面の上で寝る猫

猫は暑さに強い?

私たちが飼っている猫,すなわちイエネコの祖先は,中近東やアフリカに生息していたヤマネコではないかと言われています。そんな砂漠地方生まれのDNAのおかげか,数千年がたった今でも暑さに強く,寒さに弱い性質はあるようです。とはいえ犬同様,猫も発汗による体温調節を苦手とする動物です。風通しの良い日陰や冷たい床に転がるなどして自ら体の熱を放出するさせることもあります。一般的には,暑さに強いとされている猫ですが湿度にはとても弱いため,日本の夏の気候は猫にとってけして暮らしやすいものではなく、対策はしっかりとらなければいけません。

猫の熱中症の症状

寝そべる猫

猫の熱中症の症状としては,以下のようなものが挙げられます。

  • グッタリしている
  • 食欲がない下痢や嘔吐(おうと)をする
  • 呼吸が荒いよだれが多く出る
  • 歩くときにふらふらしている

悪化すると死に至る危険があります。猫の元気がないときは身体を触ってみましょう。かなりの熱を持っていたら要注意です。

特に熱中症に注意したい猫

  • 短頭種の猫(ペルシャなど)…気道が狭くなっているため熱がこもりやすい
  • 肥満猫…体積が大きく体表面積が小さいため
  • 子猫,老猫…体力がないため環境温度の影響を受けやすい
  • 心臓や呼吸器に疾患のある猫
  • 北方原産の猫(メインクーン,ノルウェジアンフォレストキャットなど)

治療の方法

基本的には,人間の熱中症と同じように考えてあげましょう。
まずは涼しい場所に連れて行き,保冷剤や濡(ぬ)らしたタオルをわきの下や首筋にあてます。身体を濡らした後にうちわなどで冷たい風を送ってあげるのも効果的です。

可能ならば、水をはった洗面器やたらいなどに頭以外の部位をつけるのもよいでしょう。体温計があればまず体温を測り、冷やすときには39度まで下がればそれ以上は冷やさないようにしてください。低体温症になることがあります。

また,脱水症状を起こしている可能性が高いので,意識がある場合には,水分補給をさせても良いでしょう。応急処置が済んだら,すぐに病院へ連れて行ってください。

猫と夏の暑さを乗り切る3つの対策

暑そうな猫

部屋を涼しくする

猫が快適に過ごせる温度は20度~28度,湿度は50%前後とされています。夏の暑さ対策として、エアコンをドライに設定し,28度で運転しておくとよいでしょう。出かける際に毎回つけっぱなしだと電気料金が心配かもしれませんが,愛猫の健康には変えられません。
また,エアコンの電気使用量が大きくなる理由として2つのことが考えられます。「スイッチを入れた直後~設定温度に達するまで」と「室外の気温と室内の差が大きいとき」です。最新のエアコンではつけっぱなしの方が省エネにつながるものも多く発売されています。愛猫のために,古いエアコンの買い替えを検討するのもいいかもしれません。

冷感グッズを活用する

ペット向けのグッズはたくさん売られています。
肌触りのよい生地に冷感ジェルを詰めたマットやシート状のものや大理石や金属の板などを加工したプレート上のもの,通常のラウンド型ベッドなどに冷感素材を敷き詰めたもの,ケージ内に空気がこもるのをふせぐファンなど。いずれも,猫が使いやすそうな場所へ置いておくだけなので,とても簡単です。自宅の床の材質や,置く場所の広さなどを考えつつ,最適なものを選んであげましょう。

水を多く設置する

水と猫

十分な水分を確保するためにも水分摂取を促すことは大切です。水分が十分でないと気化熱による体温調節がうまくいかなくなるからです。
猫がいつでもどこでも水を飲めるように,夏の時期だけは飲み水をあちこちに置いてあげましょう。

まとめ

ひまわりと猫

いかがでしたか?猫にとっても夏の暑さ対策は必須です。家で一人留守番をする猫が熱中症で倒れてしまわないように,飼い主として最低限の対策はしておきましょう。そして,何かあったときは,すぐ獣医に相談できる環境も整えておきましょう。ポイントを押さえて,暑い夏も乗り切りましょう!

投稿者

40代 女性 かな

今年は、猫ちゃん達が初めて熱中症になりました。
はあはあ言って、ぐったりしていたので心配になりました。すぐに部屋の室温を下げて様子を見ていました。留守の時でなくて良かったと思いました。獣医さんに診ていただくまでにはならなくて、安心しました。室温が高かったのだと思い、エアコンの設定温度を少し下げますと、熱中症にならなくなり、快適に過ごしています。

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