きょうも、お猫さまはいとをかし。【第8話】「その代償」

きょうも、お猫さまはいとをかし。【第8話】「その代償」

元保護猫、茶トラのお嬢「ひなた」。その悠々自適で不思議な暮らしを、彼女を取り巻く下僕目線でお届けします。今回は下僕がお嬢に寄り添っていただくための「代償」についてお話したいと思います。

きょうも、お猫様はいとをかし。第8話

お伝えすることができたでしょうか。如何に下僕が謎に満ちた体勢で眠っているのかを…。

お嬢を支えさせて頂く左手なぞ、それはもうロボットダンスを踊るかのごとくの角度なのです。右手はお嬢が深い眠りに落ちるまで撫で続けなければなりませんし、トイレに立つなどもってのほか。スマホを触ることさえ許されません。

しかし、お嬢の暖かさとゴロゴロ音、そしてかすかに聞こえる鼻息を感じながらただただお嬢のことだけを考えて過ごすその時間は、下僕にとってこの上ない幸せでもあるのです。

翌日腕が上がらなかろうが、キーボードを打つその振動さえ痛みに変わる日があろうが…そんなことすべて大してことではないのです…。

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作者:のの

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