猫がキスをする4つの意味と注意すべき感染症

猫がキスをする4つの意味と注意すべき感染症

最近は癒しを求めて猫カフェに行く人も増えていますが、その何気ない仕草はとても可愛いらしいものです。猫のキスをする仕草もその一つですが、実はその仕草には意味があるのです。大好きな猫ともっと仲良くなるために、猫がキスをする理由を知ってみたいと思いませんか?そこで、猫のキスの意味と、そこに生じる人間が注意するべき点について調べてみました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が人にキスする時の4つの意味

キスする子供と猫

①仲良しの挨拶をしている

人間に対して猫がキスをしてくる時、仲良しの証拠としてあいさつをしているようです。つまり、コミュニケーションの手段として、人間にもキスするようです。

②敵対心を持っていないという意味

見知らぬ人が来た場合は鼻を近づけて相手の匂いを確認するものの、鼻をピタッとくっつけるようなことはしません。飼っている猫が鼻をくっつけてキスをしてくれるようなら、自分に敵対心を持っていないという表れだそうです。

③愛情表現の意味

また、甘えたい時や愛情表現のひとつとして猫がキスをしてくる時もあります。ご飯を食べたいときにおねだりの代わりにキスをしたり、遊んでほしい時にキスをしたりと、猫によってその場面も様々です。

④猫が自分の仲間だと思っている

さらに、キスをした後に自分の鼻の横をスリスリとくっつけたり、額を押し付けたりする行為が見られることもあります。これは猫が自分の匂いをつけるマーキングのひとつとも言われていて、これをされたら自分は猫にとって仲間だと思われていると考えてよいでしょう。

猫がキスする際に注意すべき感染症

女の子と猫

猫がキスしてくれるのは飼い主にとってはとても嬉しいことですが、実は注意しなければならないこともあります。
それは、人獣共通感染症という動物から人間に感染する病気です。

パスツレラ症

ほぼ100%の猫が口の中に持っている常在菌によって引き起こされる病気です。猫自身はこの菌を持っていたとしても症状が出ないそうです。主な感染経路は噛みつかれたりひっかかれたりした時の傷ですが、猫のキスによって感染する可能性もゼロではありません。

人間がパスツレラ症に感染すると、風邪に似た症状が出て気管支炎や肺炎を引き起こす可能性があります。免疫力が低下しやすい高齢者や、持病として糖尿病を持っている方などは、特に発症しやすいと言われているため注意が必要です。パスツレラ症に感染した場合は抗生物質の投与により治療を行います。

カプノサイトファーガ感染症

カプノサイトファーガ感染症は、カプノサイトファーガ属菌に感染することで引き起こされる病気です。このカプノサイトファーガ属菌は猫の口腔内の常在菌ですが、中でもカプノサイトファーガ・カニモルサス菌は猫の約60%が保有していると言われます。人間に感染すると頭痛、発熱、倦怠感などの症状が出ますが、重症化すると敗血症や多臓器不全を引き起こす可能性もあります。

この他にも回虫症やカンピロバクター症など、さまざまな病気に感染する可能性があります。

猫に症状が出ていないから人間も大丈夫という訳ではありません。パスツレラ症やカプノサイトファーガ感染症は猫の噛み傷やひっかき傷から主に感染すると言われてはいるものの、実際は顔を舐められたことで感染したケースも出ているようです。猫のキスによって感染する可能性があるということも忘れてはならないでしょう。

猫は自分の体を清潔に保つために全身を舐めます。そのため、いくら家の外に出したことがないという猫であっても、いろいろな菌を持っているのは確かです。猫が感染しても特に症状がでない病気も多いのですが、人間に感染してしまうと時には死に至るような病気もあるので注意が必要です。

猫同士でキスをする意味

道で顔を近づけて挨拶する二匹の猫

猫と猫が鼻をくっつけてキスをしているところをよく見かけますが、可愛いだけでなく見ているこちらが癒されます。そんな可愛らしい猫のキスですが、猫同士でキスをするのにはどういう意味があるのでしょう。実は猫のキスにはこんな理由があるのです。

①猫のキスはあいさつ代わり

あいさつをする場合、人間には言葉があるので大概は言葉で交わします。もちろん、ハグや頬にキスをするというあいさつが文化として存在する国もあります。しかし、日本の文化にはそのような習慣はありません。言葉を持つ人間同士だからこそ言葉でのあいさつが成立します。

では、言葉を持たない猫の場合はどうでしょうか。実は猫同士がキスをしているような仕草が猫のあいさつにあたると言われているのです。
しかし、猫のキスもすべての猫に通用するわけではありません。猫があいさつとして鼻をくっつける動作を行うのは、相手の猫を親しい仲間とみなしている場合だけのようです。

初対面の猫に対してあいさつする時には、相手になるべく近寄り過ぎないように首だけを伸ばして鼻を近づける動作をします。この時は鼻をくっつけることはせず、首をできる限り伸ばして鼻がつかないギリギリのところで止めます。

②猫がキスするのは情報収集の役目

猫の嗅覚は人間の20万倍もあるそうです。しかし、静止しているものを認識する視力は人間に例えると0.1から0.2程度ととても悪いのだそうです。目で見て確認ができないために鼻を近づけて口の周りの匂いを嗅ぐことで知っている匂いかどうかを確認しているのです。その仕草が猫同士でキスをしているように見えるのです。

猫がキスをすることで、相手の匂いと自分が記憶している匂いとが同じかどうかを再確認する他に、どこに行ってきたのか、どんなものを食べたのか、どんなものに触ったのかなどを知ることもできるのだそうです。

このように、猫がキスをしているような動作にはきちんとした意味があったのです。

猫のキスに関するまとめ

キスする子猫と子犬

猫のキスはあいさつ代わりでもありコミュニケーション代わりでもあり、情報収集の役目も果たしているなど、猫にとっては必要不可欠なものです。しかし、人間にとって猫からのキスは注意が必要だということを頭の片隅にとどめておくことが大切です。

もちろん、猫を飼っている方にとって猫とのスキンシップは大切です。猫がキスをしてくれるのは嬉しいことですが必要以上のスキンシップは避け、猫との触れ合いの後は手を洗うことを忘れないようにしましょう。
猫との生活を楽しく過ごすためにも、必要な知識を蓄えておくことが大切です。

投稿者

女性 百日紅

猫同士でキスをする姿はとてもかわいらしいですよね。仲良しの猫同士や親子なんかで見られる光景ですが、ほとんどは鼻と鼻を合わせるスタイルが多いと思います。しかし、中には鼻と鼻を合わせる挨拶をしない猫もいるみたいです。海外の猫動画で、友達猫が遊びに来たときにいつも首のニオイを嗅ぐ猫がいました。友達猫は「何するんだ!」といった感じで嫌がっていたので、猫にも礼儀があるんだなと感心しました。
飼い猫から挨拶のキスをしてもらうのはとてもうれしいですが、やはり感染症に気を付けないといけませんよね。家の中で飼育していると人間と同じように見てしまいますが、違う生き物であることは忘れてはいけません。過度なスキンシップは避け、手洗いなどをきちんとすることで猫も人も健康的に生活できると改めて実感しました。
投稿者

40代 女性 まかぶらあろたる

猫ちゃんのキス、可愛いですよね!
わが家にも生後1カ月で保護して来た愛猫がいますが、やはり愛情表現として顔を近づけて来てくれることがよくあります。
鼻をツンと当てて来るだけのこともあれば、うっとりと目を閉じながらペロペロと優しく舐めてくれることもあります。

猫はどちらかというとマイペースでツンデレなところがあるので、おいでと呼んですぐ来てくれることはあまりありません。そこは犬とはだいぶ異なるところだと思います。
で、忘れた頃にそっと寄って来てくれて、気付けばすぐそばでじーっと見つめてくれていたりします。気づいて話しかけると、顔を寄せてキスしてくれることも!
最高の瞬間です!!

この記事に書かれているように、たしかに猫が持っている菌類は、そう言われると心配ですよね。中には人にも媒介して発症するおそれのある菌類もあるんですね!
何となくは知っていましたが、明確に理解したことはこれまでありませんでした。
これまで風邪っぽいなぁと思ったことも、もしかするとそれが原因だったかもしれませんね。

ただ猫を飼っている立場からすると、なかなか猫の持つ菌類に対してそれほどシビアに考えることは、やはりなかなかないように思います。ましてや触れるたびに手をきちんと洗うというのも、キリがないので、難しいかもしれません(汗)
せめて料理をしたり、食事をしたりする前だけでも、きちんと念入りに洗浄するよう心がけたいと思います。
気軽にできることであれば部屋の一箇所にアルコール除菌のボトルを設置して、折を見て消毒するようにすることも、有効かもしれませんね!
投稿者

30代 女性 皐

猫からのキス、感染症等のリスクは分かっていても可愛いですよね~。鼻チューと呼ばれる事もありますが、うちの猫はどちらかと言うと鼻チューよりも頭突きの方が多いように感じます。パソコンをしていたり、本を読んだりしている時にテーブルの上へ乗ってきて鼻チューをしてくれる事がありますが、ごくたまにですね。お尻をにおわされたり、物凄い勢いで頭突きされる事は良くあるのですが…(笑)ただ、これらの行動は全て似たような意味を持つようで、記事にあったように挨拶や愛情表現の場合が多いようです。我が家では猫と犬が同居しているのですが、猫の気が向いた時だけ、犬に鼻チューしています。多分、これが敵対心はないよという意味の鼻チューなのでしょうね。

猫とのキスで引き起こされる感染症に関して、分かってはいても日頃から意識するのは正直難しいところですよね。ただ、実際に猫のヨダレに含まれるパスツレラ菌による感染症を引き起こした赤ちゃんが命の危機に陥った…というニュースもありましたので、免疫力の低い赤ちゃんや、お年寄りの場合は、十分に注意しなければなりませんね。家の中を清潔に保つ、人間が口に入れるものを猫が触れる場所に置かない。これだけを徹底するだけで、防げる感染症もあります。我が家で猫と所謂、過剰接触と呼ばれるような接し方をするのは私だけなのですが、子供もまだ小さいので、子供用の物を猫が舐めたり、齧ったりしないよう注意しながら生活しようと思います。

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