猫の熱中症の症状とは?応急処置から予防対策まで解説!

猫の熱中症の症状とは?応急処置から予防対策まで解説!

もしかしたら猫が熱中症かも?と心配になることはありませんか?この記事では、猫の熱中症の症状・応急処置や4つの熱中症対策などをご紹介します!

猫が熱中症になった時の症状

口を開ける猫

熱中症とは、熱により体の機能が著しく障害を受けた状態のことを指します。

高温多湿な環境下にいたり、過度な運動をするなどして体内に熱がこもり、体温調節機能が破綻し高体温が持続することで起こります。夏に近づく季節では、特に気をつけたいものですね。

しかし、動物は人間のように「暑い」、「辛い」などとは言ってくれませんので、動物の様子から判断するしかありません。まずは猫が熱中症になった時にみられる症状を段階別に解説していきます!

【初期症状】口を開けて呼吸している

熱中症の症状として初期段階にみられるのは、まず体温上昇と脱水状態になります。

猫は人間のように汗をかいて体温を調節するのではなく、呼吸によって調節をするので、体温が上昇した際は口を開けて呼吸数を増やして体温を下げようとします。

また他の症状としては、熱からの疲労により元気がなくなったり、動きが鈍くなったりします。

【中度〜重度の症状】嘔吐・下痢・けいれん

中程度から重度の段階では、脱水が顕著になり血液の循環が悪くなります。血液の循環が悪くなると消化器系も正常に機能しにくくなるので、嘔吐や下痢などの症状が出始めます。

また、さらに重度になると全身が炎症を起こしている状態になってくるので、脳や腎臓、肝臓や肺などあらゆる臓器に障害が出てきます。これによりけいれん、吐血、血尿などを引き起こす事があります。

【重篤な症状】意識を失う

最終的な段階として、全身の炎症によって脳の障害がさらに進むと、意識を失います。また、血液の循環が悪いためにDICと呼ばれる血液凝固異常の状態となることからショック状態に陥り、最悪の場合は死に至ります。

このような重度の状態まで進行してからでは助かる可能性が低くなるので、早急な対応が必要となります。

猫の熱中症が疑われるときの応急処置

水を飲む猫

では、前述のような症状がみられた場合どのようにしたら良いでしょうか?

熱中症を重症化させないために最も重要なことは、早急に体温を下げることですが、他にも重要なポイントがあります。以下ではご自宅でできる応急処置をご紹介します。

しかし、もし「呼吸が荒い」「苦しそうにしている」などの場合はご自宅で様子を見ていると手遅れになってしまうかもしれないので、速やかに病院に連絡して下さい。病院で行う応急処置も合わせて解説します。

涼しい場所に移動して水を飲ませる

猫が自分で水を飲めそうな状態の時は、涼しい場所で水を飲ませてあげましょう。特に、冷たい水を飲ませると、水分補給になるだけでなく胃腸を冷やすことができるので一石二鳥です。

ただし、自分で水を飲めない状態の時は誤嚥する可能性があるので、無理に飲ませずに濡らしたタオルで舌を湿らせるだけにとどめて、すぐに病院を受診しましょう。

濡れタオルで猫の体を包み少しずつ体温を下げる

濡れタオルや保冷剤を使って猫の体を冷やしましょう。冷やす場所としては、太い血管が通っている場所である内股の部分や首の部分に当てると効率的に体温が下がるのでおすすめです。

ここで気をつけたいのが、体温を急激に冷やしすぎると体に負担をかけてしまうので、ゆっくりと体温を冷やすようにする事です。

皮下点滴をする

熱中症の時は脱水状態になっているので、病院では皮下に水分や電解質を補給し徐々に血液の循環を良くしていきます。

胃薬を飲む

嘔吐をした場合は、胃が荒れている可能性があるので、胃薬を処方される事があります。嘔吐をしている時は無理に飲ませても吐いてしまうことが多いので、代わりに注射で薬を入れてもらいます。

消化に良い物を食べさせる

病院から自宅に帰ってきた後に気をつけるべきなのは食事です。熱中症の時は消化器系の機能が低下していて下痢や嘔吐などを起こしやすい状態なので、普段食べているフードはふやかし、少量ずつを数回に分けて与えるようにしましょう。

猫が熱中症にならないための4つの対策!

扇風機と猫

熱中症の症状や対策を解説してきましたが、できれば初めからかかりたくはないですよね。猫に適切な気温や飼い方、グッズなど、熱中症を予防するための方法は様々あります。

今回は中でも代表的な予防法を4つご紹介します!

予防対策1.エアコンと扇風機を使って快適な温度を保つ

猫が過ごしやすいとされている温度は20度から28度と言われています。エアコン単独で部屋を冷やすよりも、冷やした空気を扇風機で部屋全体に行き渡らせて温度を下げながら通気を良くすることをおすすめします。

また、飼い主さんが留守の時や近くにいない時などにエアコンで猫の体が冷え過ぎることのないように、エアコンの風が直接当たらない場所や猫が被るタオルを用意してあげるといいでしょう。

予防対策2.水飲み場を増やし、いつでも水を飲めるようにする

猫が「水を飲みたいな」と思った時、遠くに1つしか水飲み場がないと、暑い時は特に面倒臭がって飲むのをやめてしまうかもしれないので、水飲み場は複数用意してあげるのをおすすめします。

もし複数頭の猫を飼っている場合は、他の猫の匂いがついた水を嫌がる子もいるので、猫の数よりも多くの水飲み場を用意してあげましょう。

予防対策3.熱中症対策グッズを活用する

熱中症を予防できるキャリー

例えば、暑い日に移動しなければならない時は、ペットボトルや扇風機が付いているキャリーを利用する方法があります。温度をセンサーが感知し、自動で扇風機が作動するようになっています。

また、できるだけ穴が多く空いていて熱がこもらないような構造になっているタイプを推奨します。

ひんやりマット

人間のベッドのマットと同じように、体感温度を下げられる冷感マットも販売されているので、模様替え感覚で暑い季節に使用する方法があります。

ブラシ

ブラッシングで冬毛を取り除いてあげる方法も効果的です。長毛の猫はもちろんですが、短毛の猫でも寒い国出身の猫種は毛が分厚いので、熱が意外にこもりやすいのです。

予防対策4.暑い日はなるべく外に出さない

家の外に出る猫も、気温が高い日はあまり外に出さないようにして下さい。外の方が気温が高いのはもちろん、水を飲み場も家の中とは違って簡単には見つけられません。

人間も自覚なく熱中症にかかっていることがよくあるのと同じように、猫自身も気づかないうちに具合が悪くなる可能性がありますし、外で倒れてしまった場合は猫を見つけられなくなってしまいます。

熱中症になりやすい猫は?

太った猫

熱中症になりやすいかどうかは、環境以外に体の構造も関係しています。ご家庭で飼われている猫が熱中症になりやすいかどうかを把握して、注意を払うことで熱中症を予防しましょう。熱中症にかかりやすい猫の例として、

  • 短頭種の猫
  • 長毛の猫
  • 肥満、太り気味の猫

があります。

まず、ペルシャ猫やヒマラヤンのようにいわゆる短頭種と呼ばれる鼻が低い猫種は、呼吸がしづらく体温調節が苦手なため、熱中症にかかりやすいです。

次に、長毛の猫は短毛の猫と比べると体温を保持できるので、夏は熱中症にかかりやすくなるので、夏になる前に猫のストレスとならない程度に少し毛を短くカットしてみると緩和されます。

そして、皮下脂肪が多い猫は、そうでない猫と比べてどうしても体温が上昇しやすいです。適切なフードの量を与えて、おやつをあげる場合はその分のカロリーを引いた分のフードを与えるように心がけてみましょう。

まとめ

縁石に顔を乗せる猫

本記事では、猫の熱中症について

  • 症状
  • 応急処置
  • 予防対策
  • なりやすい猫の種類

を解説してきました。

熱中症は放っておくと人間も猫自身も気づかない間に重症化してしまう病気なので、早急な対応が求められます。

本記事のような症状がみられて熱中症の疑いがあると感じた場合、すぐに病院に連絡してください。病院に向かう間は、できるだけ涼しい場所を用意し、濡れタオルなどで猫の体を冷やしましょう。

短頭種や長毛種、また肥満の猫は熱中症にかかりやすく特に注意が必要です。いずれの猫種にとっても、過ごしやすい快適な夏を過ごせるように、今回ご紹介した予防対策やグッズをぜひ参考にしてみて下さい!

投稿者

30代 女性 にゃコロ

現在は室内飼いなので、普段あまり対策と言う対策は整えていませんが、猫の熱中症は、人と同じで怖い事なんだと痛感しました。

やはり気になるのは、室内ならでわの温度管理です。
私は"うっかり事"が多い飼い主なので、お水の補充を忘れたり、エアコンを点けたか記憶に無かったり…暖房と冷房を間違えたりと、危うい事態を度々起こしては、一人でヒヤヒヤしてしまっています。

去年の夏場は特にその"うっかり"が多かったので、
・エアコンを付けたか
・お水を入れたか
・その他(トイレ掃除やご飯をあげたか)etc…
と、確認できるチェック表をつけています。
そのチェック自体を忘れてしまう事もたまにありますが、以前よりはうっかりが減りました。

熱中症は、室内でも起こりうることです。

夏場に限らず、不注意を減らして、この先も猫と平和に暮らして行こうと思います!