猫がぐるぐる鳴く6つの理由

猫がぐるぐる鳴く6つの理由

猫を撫でているときや、猫と一緒に遊んでいるときにぐるぐると鳴いている姿を見たことがありますよね。ぐるぐると鳴いている姿を見ると癒されますが、そもそもこのぐるぐるという声にはどんな本音が隠されていて、どんな仕組みでこのような音が鳴っているのでしょう?今回はそんな疑問を解き明かしていきましょう。

猫がぐるぐる言う仕組み

昼下がりの猫

猫がぐるぐる言う仕組みを解説する前にまずお伝えしないといけないのが、猫がなぜぐるぐると鳴く仕組みは完全に解明されていません。どのような仕組みで、どのような器官をどのように使って出しているのか、そもそも喉を鳴らすとは言っているが本当に喉を鳴らしているのかすらわかっていません。

そのため、今回ご紹介する仕組みはあくまでも仮説であるということを前提に一読ください。猫が喉を鳴らす仕組みについては様々な仮説が存在していますが、今有力視されているのは以下の2つです。

血流説

猫がぐるぐると鳴くのは、大きな血管の中で血液が流れている振動音が聞こえているのではないかという説が「血流説」です。猫の体には大きな血管がいくつか通っていますが、その中でも心臓に向かって伸びている大静脈に流れる血液量が増えると血流が乱れて、横隔膜を振動させてぐるぐるという音が鳴っているのではと考えられています。

喉頭説

もう1つ有力候補とされているのが、喉頭の筋肉が伸縮することで鳴っているという説です。これは、ぐるぐるという鳴き声を出しているときに心電図を計測したところ、喉頭の筋肉が細かく振動していたという事実と、ぐるぐるという音は呼吸をするときに一瞬止まっているということが分かった為に出てきた仮説です。

ただ、この仮説に確信が持たれていない理由は、喉頭を部分切除した猫がその後もぐるぐるという音を発し続けたというケースがあるためです。そのため現在は、喉頭筋が振動させる声帯に空気が通ることによってぐるぐると音を慣らしているのではという説が有力となっていますが、2018年現在ではそれも確信とはなっておらず、あくまでも仮説のままとなっています。

猫がぐるぐる言う理由

猫と女の子

リラックス

猫がぐるぐる鳴くもっとも多い理由がリラックス状態だからだといえます。飼い主様に撫でてもらってぐるぐる、気持ちよくてぐるぐる、抱っこしてもらってぐるぐる、とリラックスしているタイミングで喉をぐるぐる鳴らしながら幸せな時間を堪能しているといえます。

甘えている

猫がぐるぐると鳴くのはリラックスしているだけではなく、子猫気分で母猫代わりの飼い主様に甘えているとも考えられます。猫は母猫と意思疎通を取るために、生後一週間ごろから喉をぐるぐると鳴らし始めます。

このぐるぐると鳴く行為で母猫に愛情を伝えたりおねだりをしたりするのですが、飼い猫にとっては誠心誠意お世話をしてくれる飼い主様は母猫のようなものなのです。そのため、何となく寂しくなった時、たくさん撫でてもらっているとき、おねだりをするときなどにぐるぐると鳴いて甘えていると考えられるのです。

母猫が子猫を安心させるため

ぐるぐると鳴くのは子猫だけではありません。実は母猫も子猫とコミュニケーションを取るためにぐるぐると鳴きます。これは母猫が不安な気持ちになっている子猫を落ち着かせるために、ぐるぐると鳴くといわれており、母猫が安全な人間を教えるために見せる行動だとも言われています。

特に生後数か月の社会化期と呼ばれる期間は母猫から猫社会の生き方、人間との接し方や危険を伴う事項を教え込まれる期間です。そんな右も左もわからない子猫に対して母猫は「こんな人間は危険だから近づいてはいけない」と教育をすると同時に、「この人間は危害を加えないから安心だよ」と、ぐるぐる鳴いて教えてあげているのだとか。

自分の緊張をなだめるため

母猫が子猫を安心させるために喉をぐるぐると鳴らすように、自分自身が緊張していたり不安な気持ちになっているときもぐるぐると鳴くことで気持ちを安定させます。自分のテリトリーに見知らぬ人が入ってきたとき、思いもよらない事態が発生したとき、緊張状態にあるとき、ソファや本棚の陰に隠れてぐるぐると鳴いていたら、自分の緊張をなだめていると思ってそっとしておいてあげましょう。

怪我や病気をしている

ぐるぐると鳴くのは他にも体に痛みを感じたときや、体を動かすのがつらいと感じているときにもぐるぐると喉を鳴らして気持ちを落ち着けようとします。また治療中や、何らかの痛みを伴うようなことをされているときもぐるぐると鳴き、自分自身を安心させるのと同時にぐるぐるという鳴き声に隠された「鎮痛効果」を使って痛みを和らげているのかもしれません。

捕らえた獲物の動きを落ち着かせるため

猫のぐるぐるという鳴き声には鎮痛効果もあり、自分が怪我をしたときはもちろん、大切な仲間や自分の子供が怪我をしたときにも、ぐるぐるという鳴き声を聞かせることで痛みを和らげてあげています。

その効果を活かして、猫は自分が捕らえた獲物が痛みで暴れているときや、目の前で弱っている獲物を見つけたときにぐるぐるという音を鳴らし落ち着かせて獲物を捕らえやすくしているという説もあります。こうすることで、恐怖や痛みを感じていた獲物は次第に落ち着いて行きジッとするようになるというのですから不思議ですよね。

猫がぐるぐる言っている時の注意点

男性の上に乗る猫

猫がぐるぐると鳴いているのはリラックスしていたり、飼い主様に甘えているからだというのはわかっていただけたでしょうが、ぐるぐると鳴いているのはポジティブな意味合いだけではありません。何かしらの病気や体調不良、さらにはストレスを感じているからこそぐるぐると鳴いている可能性もあります。

もし愛猫がぐるぐると鳴いているときに、次のような行動も一緒に見られたなら異常がないかすぐにチェックをしてみるようにしましょう。

  • お部屋の隅でうずくまっている
  • 何かにおびえるように震えている
  • 嘔吐や下痢がある
  • 食欲不振
  • 元気減退
  • 呼吸困難
  • 意識障害

猫がぐるぐると鳴いているときに気を付けほしいのが病気の可能性です。痛みを感じていたり、体調不良を感じているときにも痛みを和らげるためにぐるぐると鳴きます。愛猫がぐるぐると鳴いているのはリラックスしているのか、それとも何かに不安を感じたり痛みを感じたりしているのか、見極めをしっかり行うようにしましょう。

猫のぐるぐると癒しの効果

じゃれる猫

猫のぐるぐるという鳴き声には、猫に対する鎮痛効果だけではなく、人間に対しての癒し効果もあるのです。これは実際に研究されており、猫の発するぐるぐる音を日常的に聞いていた人は、怪我が早く回復したというデータもあります。

また、実際に骨折をしたウサギに猫のぐるぐる音と似た周波数を当ててみると通常よりもあきらかに回復したのだとか。この効果を利用して、現在では「超音波骨折治療法」としてスポーツ選手などを中心にこの治療法を受けているというのですから驚きですね。

まとめ

猫

猫のぐるぐるという幸せそうな鳴き声を聞くと、嫌なことやつらいことも吹っ飛んでしまいますよね。そんな猫のぐるぐる音は人に対して癒し効果を与えてくれるだけではなく、様々な感情も表していたのです。愛猫がぐるぐると鳴いたとき、いったいどんな気持ちで、どんな意味をこめてぐるぐると鳴いているのかを考えてよりよい生活を送れるようにしましょう。

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