猫が鼻を噛む心理
まず人間の顔の中で突起している鼻が、猫にとって一番かみやすいので噛まれる、と言えるでしょう。
人間が何もしていないのに噛む時や、寝ている時に噛む時もあります。顔を近づけた時や、寝転がって本を読んでいる時、ソファでくつろいでいる時など、猫が顔を近づけてきて鼻を噛む時の猫の心理は次のようなものが考えられます。
1.遊んでほしい
猫が遊んでほしい時、人間にアピールするために鼻を噛むことがあります。
ふだんから顔を近づけて猫とコミュニケーションを取っていると、鼻は一番噛みやすい位置にあるので噛んでしまうのでしょう。猫同士で遊ぶ時には、お互いに噛んだり猫パンチをしたりとじゃれ合って遊びます。猫が一緒に飼われている犬と遊ぶ時にも、犬の鼻や顎などに噛み付いていくこともあります。
人間に対しても、同じように遊びに誘っていると考えられます。
2.甘えている
猫が甘えているために、鼻を噛むといったことも考えられます。
猫が甘えて人間の顔に自分の顔を擦り付けてきて、甘えたい気持ちが発生して舐めたり噛んだりしてしまうということです。猫同士でも、親子で舐めてグルーミングしたり、甘噛みをしたりしていますが、同じことを人間にしているということでしょう。
3.要求があるのを伝えている
例えば飼い主さんが寝ていて起こしたい時、飼い主さんが本やテレビに気がいっていて構ってもらえない時など注意を引くため、飼い主さんに意思表示をするために噛むと考えられます。
要求は、餌が欲しい、トイレの掃除をしてほしい、撫でてほしいなど、飼い主さんにしてもらいたいことですね。
手や足を噛むことでアピールする猫もいますが、鼻を噛むことが効果的だと思って噛む猫もいます。特に、飼い主さんが横になって眠っている時には、顔が猫の近くに行けますから、顔にちょっかいをかけやすく、飛び出ている鼻が噛みやすいということでしょう。
4.嫌な思いをしているのを伝えている
もし無理矢理に猫を抱っこして顔を近づけたりすると、猫が嫌がって鼻を噛むことがあるかも知れません。猫が人間の手や足を噛むことはありますが、鼻を噛む時には、顔を近づけているという状況だということですね。
抱っこされているけど降りたい、なかなか離してくれないのでちょっと攻撃しよう、という時、鼻が噛みやすいために噛んでしまうと考えられます。もし猫が特定の人を噛むということであれば、その人が嫌な触り方をして、猫に自分から顔を近づけてしまっているのかも知れません。
5.鼻に匂いがついているため
人間の顔に何か猫が気にいる匂いがついていたりして、鼻を噛むということがあるかも知れません。飼い主さんの顔の一部、顎や頬などを噛む時にも、食事をした時の匂いがついている、女性の場合はクリームなどがついていて、猫がそれを舐めているうちに噛んでしまう場合もあります。
人間にはわからなくても、猫にとっては興味のある匂いが、鼻についている場合もあります。猫が噛むだけでなく、ずっと舐めるという場合には、何か匂いや味がついている可能性があります。
猫が鼻を噛む時の対処法
猫に鼻を噛まれると、とても痛みを感じることでしょう。できるだけ猫に鼻を噛まれないようにしたいものですよね。意識している間は何とか防げても、眠っている時に鼻を噛まれたら防ぐのは難しいと言えます。
寝ている部屋に入れないようにする
飼い主さんが眠っている時に猫が鼻を噛む、という時には、まず寝室に猫を入れないという対処法があります。飼い主さんの安眠にもつながりますので、猫には朝まで我慢してもらうようにすると良いでしょう。
どうしても猫が寝室に入ってくるという時には、マスクをする、布団を顔までかぶるなどの方法もありますが、眠っているうちに外れてしまうこともあり、うまく行かないこともあります。
猫のお腹がすいて起こすために噛むという時には、食事の時間をずらしてみる、また、早起きの猫には寝室を暗くしてみるなど工夫をしてみると良いでしょう。
顔に近づいてきたら猫を遠ざける
鼻を噛むという癖がある猫には、顔に近づいてきた時には優しく猫を遠ざけるという方法が良いでしょう。何度も顔に近づこうとする猫がいても、根気よく猫を遠ざけてください。そして、おもちゃで遊ぶなど、猫の興味を他に移すようにしましょう。
おやつをあげるのは、近づくとおやつをもらえると勘違いしやすいので、やめておいた方が良いでしょう。
猫の要求を満たす
猫が何かをアピールするために鼻を噛む時には、猫がどうしてほしいのかを突き止めて対処してあげましょう。例えば、お腹がすいた、トイレが汚い、などといったことであれば、飼い主さんがしっかりと対処してあげる必要がありますね。
また工事の音やテレビの音など、何か不快な音がするといったことでも猫がイライラして噛むことがあります。これは猫がストレスを感じているため、イライラした末に噛むという行動をしてしまったと考えられます。
猫が何か不満を持っていないか、よく観察してあげるようにしましょう。取り除けるもの、改善できるものは、できるだけしてあげることで噛むことがなくなる場合もあります。
噛まないようにしつけをする
猫が鼻を噛む時には、しつけをして噛まないようにするという対処法もあります。
ただ、噛んだ時に叱っても、猫が噛むことを悪いと思っていなければ、なかなかしつけるのが難しい場合もあります。
猫が噛んだら大声を出す、という方法だと、猫が遊びで噛む場合には反応を面白がるようになり、逆効果な場合もあります。猫が鼻を噛むようにしたら、すぐ猫を遠ざけて、相手にしないといった方法が良いでしょう。
もし野良猫が懐いてきても、顔を近づけるのはやめた方が良いでしょう。しつけしていないのはもちろん、どのような行動をするかわからないからです。
猫が鼻を噛む時の5つの気持ちのまとめ
猫が人間の鼻を噛む時には、遊んでほしいといった理由があれば、嫌な思いをしたから、という理由もあります。噛む時の前後の猫の行動や、人間がどのように猫に接したかという状況によって、どのような気持ちかを想像することができるでしょう。
眠っている時に噛むのは、猫が飼い主さんを起こしたい、構ってほしいという気持ちからの行動です。寝室に猫を入れないことは直接の解決方法ですが、猫の要求を満たすということも、鼻を噛まなくなることにつながる場合があります。飼い主さんが起きている間は、顔を近づけなければ、鼻を噛まれることは防ぐことができます。
もし噛まれてしまった場合には、悪化する前に、早めに皮膚科など病院へ行った方が良いでしょう。その際には、猫に噛まれたことを医者に伝えてください。
噛み癖があって攻撃的になっている猫は、噛むだけでなく引っかくおそれもありますから、顔は決して近づけないようにしましょう。