猫のクラッキングとは
猫が「カカカ」と、小さく短い声で続けて鳴くことを、クラッキングと言います。
クラッキングは、猫によって微妙に違い、「カカカ」以外には、「ケケケ」「クックック」などといった表現がされます。猫によっては、「ニャニャニャ」と短く続ける鳴き方をするものもいます。
また、顎が小刻みに動くだけで、声が出ていないクラッキングの場合もあります。
クラッキングの時には、猫はあまり口を開けずに、普段の鳴き声とは違う鳴き方で声を出しています。
細かく鳴いているので、上下の歯がうち合わさって、カチカチカチと音が鳴る場合もあります。
日本ではクラッキングと言いますが、英語ではこの鳴き方をチャタリング(=chattering)と言います。
クラッキングとは、機械的なカタカタ音などを指す場合が多く、意志を持った生き物が鳴く場合には、おしゃべりという意味でチャットが使われるようです。
英語では、猫がしゃべっている、という表現からチャタリングとなりますので、クラッキングと呼ぶのは日本特有のもののようです。
また、ネコ科の中でも、ライオンやトラ、チーターなどはこのクラッキングはしないと言われています。猫だけがする鳴き方のようですが、クラッキングする猫もいれば、しない猫もいます。
また、飼われている猫だけではなく、まれに野良猫でも、このクラッキングをする猫が見られることがあります。
猫がクラッキングをする意味
なぜ猫がクラッキングするのか、その意味としては、猫自身の気持ちが現れて鳴いていると考えられます。獲物となるものがいて、手が届かないけれども気になって、捕まえたい、近くに行きたいという状況で、いつの間にか声が漏れているという状態です。
猫にとって、クラッキングは本能からくる鳴き方と考えられ、異常なものではありません。
猫がクラッキングする具体的な状況は、獲物や気になる対象が見えているのに、手が届かない場合のため、次のような状況が多いのではないでしょうか。
例えば、窓から外にいる小鳥が見えていますが、窓ガラスがあったり距離があったりして捕まえることができない、といった場合のクラッキングです。
または、室内でも、虫が見えるけれども届かない高いところにいるとか、何か気になるものが見えるけれど猫の手が届かない天井などにある、といった場合のクラッキングもあります。
小鳥や虫や爬虫類といった動く小動物以外にも、飼い主さんが遊ぼうと見せるおもちゃや、レーザーポインターの光などでも、猫がクラッキングする対象の物となります。
クラッキングは、猫が獲物などの対象がいる時にだす声です。
ライオンやトラやチーターなど野生で生きているネコ科の動物はこの声を発しない理由として、獲物がいる時に声を出せば、相手に気づかれることになるからです。
そのため猫がこの鳴き方をするのは、まだ成長しきれていない子猫が獲物や対象物に興奮して、いつの間にか漏れてしまうような状況だと言う説があります。
猫がクラッキングする時の気持ち
猫がクラッキングする時の気持ちについては色々な説があります。
- 獲物を捕れないのでイライラしている
- 獲物を見て興奮していて自然に出る
- 獲物を見て警戒している
- 見たことがない対象を見て不安に思っている
- 獲物の鳴き真似をしている
猫がクラッキングしている時には、外にいる小鳥やトカゲなどを見つけた時、天井にいる虫を見つけた時などで、届かないものに対して鳴いているのを飼い主さんが見ることが多いのではないでしょうか。
つまり捕まえられる獲物の場合には、猫はクラッキングするより、行動して襲っている、ということになります。
そのためクラッキングする時には、捕まえられないものに対してイライラしている、もどかしさやストレスを感じているのではないかという想像が出来ます。
また、獲物が捕まえられないけども見えているために、期待や興奮してしまい、自然に声が出ているとも考えられます。対象物がないと猫がクラッキングすることもないため、見えるものに対しての警戒ではないかとも言われます。
また、まったく別で、猫は警戒や不安などの気持ちからクラッキングをしているのではない、という意見もあります。有力な説かどうかははっきりと言えませんが、獲物となる生き物の鳴き声を真似しているのだということです。
猫のクラッキングは、この獲物となる鳥の鳴き声や、一部の猿の鳴き声に似せている、ということなのです。ただ、クラッキングで大きな声で鳴くことはあまりないために、仲間の猫や対象の相手に何かを伝えようとしているといった意味は、少ないと考えられています。
多頭飼いの猫でも、一緒になってクラッキングをしている場合もあります。
ただ、これはお互いにコミュニケーションを取っているわけではなく、同じ対象物を見て、そのような声を出している状況となっていることでしょう。
猫がクラッキングしている時にはどのような気持ちかは明確には言えませんが、対象物に対しての、猫それぞれの感情のために鳴いてしまっていると考えられます。猫はもともと群れを作らず、単独で狩りをして生きているため、親子や兄弟以外では、鳴き声でコミュニケーションを取ることがありません。
人間に飼われるようになった猫が、鳴いた時に飼い主さんが反応することを覚えて、何か要求がある時に鳴くようになったと考えられます。
ただ、クラッキングについてはごく小さい音であるため、猫自身の本能的な反応であるとされています。
そのため、猫同士が近づき、小さく鳴きあっている場合は、クラッキングではなく、コミュニケーションを取っているということが言えます。
その場合には、「ニャン」「ミャー」「コロコロ(喉を鳴らす)」など、声は小さく短く鳴くこともありますが、歯をカチカチすることはないはずです。
猫がクラッキングしている動画
猫のクラッキングが下手?
どうやら外の小鳥に対してクラッキングをしているようですが、どうしても「アッアッ」となってしまうようです。「カカカ」や「ケケケ」とは違う鳴き方もあるのですね。
獲物に対する子猫のクラッキング
飼い主さんのレーザーポインタを追って大興奮な子猫!「ケケケ」と鳴くクラッキングが見られます。
小鳥を見てクラッキングする猫
小鳥を追っている猫、小刻みにクラッキングする様子は迫力があります。
まとめ
猫がクラッキングという鳴き方をする時の気持ちは、様々な説があり、猫がどのような思いでクラッキングしているのかは、はっきりとはわかっていません。
ただ、猫がクラッキングする時の条件として、対象物がいることと、その対象物に手が届かない、捕まえられない、ということがあげられます。そこから私たち人間が、猫の気持ちを色々と想像してみることになります。
猫が「カカカ」「ケケケ」という普段と違う鳴き方で小さく声を出していると、飼い主さんとしてはかわいく感じてしまうものですね。
また、普段と違う鳴き方のため、初めて猫のクラッキングを聞く飼い主さんは、何か異常があったのかと思う場合もあるようです。
クラッキングする猫の気持ちについては様々な説がありますが、猫の本能からくる自然な行為で、心配することはないということは確かです。
猫がクラッキングしている時は、獲物に集中しているのだと思って、見守っていてあげましょう。
普段の飼い猫とはまた違う、野生の本能が出た状態が観察出来るかも知れません。
40代 女性 みなちゃん
鳥のぬいぐるみを買ってきて遊ばせてもその鳴きかたはしないので、動いている鳥に反応しているのだと思いました。
たまに、ゴキブリにもケケケッ!と鳴いていることもありました。ゴキブリにはアタックして喧嘩を売っていましたので鳥にも本気なのでしょうね。
男性 あんみつパパ