猫が突然襲ってくる原因は?関係を改善させる方法や注意点を解説

猫が突然襲ってくる原因は?関係を改善させる方法や注意点を解説

猫が突然襲ってくる時には、遊びの延長である場合、恐怖心の表れ、転嫁行動、セロトニン不足の可能性があります。対処をきちんとすることで、改善が見込まれます。

猫が突然襲ってくるのを止めさせたい!

人の腕に噛みつく猫

「何もしていないのに、猫が突然襲ってきて困っている」猫との生活を送っている飼い主さんの中には、そんなお悩みを抱えた方もいるのではないでしょうか。猫ちゃんがちょっと噛んだり引っかいたりはどこのご家庭でもあるでしょう。

でもちょっとだけではなく明らかに激しく攻撃し、場合によっては大けがを負ってしまうほどの勢いで襲ってくる場合もあるのです。猫が激しく襲ってくれば、飼い主さんも大変悩まれることと思います。例えば「構いすぎてしまったのではないか」「甘やかしてしまったのではないか」等と色々と考え込んでしまうかもしれません。

しかし極端に激しく猫が襲ってくる場合には、飼い主さんの対応は関係がない可能性が高いです。いわゆる飼い主さんの接し方によって引き起こされる「愛撫誘発性」の攻撃とは違うと思ってよいでしょう。しかしそのままにしておくと、猫との楽しい生活どころではなくなってしまいます。

せっかく家族になった猫との生活をあきらめてしまってからでは遅いので、原因を早めに見つけるようにしましょう。そして正しい対処をして、平穏な猫との生活を一刻も早く取り戻さなくてはいけません。そこで今回は、猫が突然襲ってくる原因と対処法、そのほかの注意点なども合わせてご紹介します。

猫が突然襲ってくる原因

隠れる猫

猫が突然襲ってくる原因は様々あります。遊びの延長である場合や不安定な精神状態なども原因として挙げられます。さらに病気である可能性も考えておかなくてはいけません。ぜひ以下に挙げる原因の一つひとつを、猫の様子と照らし合わせながらチェックしてください。

遊びの延長や獲物を狙う本能的な捕食行動

猫は、遊びの延長や獲物を狙う本能的な捕食行動で襲ってくる場合があります。猫自身にとっては決して悪いことをしている意識はなく、遊んでいるつもり、もしくは狩りをしているつもりでいるからなのです。

これらは「遊び誘発性の攻撃行動」で、遊びの延長として行っている行動と言われています。獲物を狙うように低い姿勢をとったり、動くものを追いかけて攻撃するような行動が見られるのであれば、遊び誘発性の攻撃行動と思ってよいでしょう。

怖いできごとに対する心の葛藤や防衛心の表れ

怖いできごとに対する心の葛藤や防衛心の表れとして、激しく攻撃する場合があります。特に保護された子猫などは人間から何らかの虐待を受けていた可能性もあります。今まで外の世界で生活してきたために、数々の怖い経験をしているかもしれません。

猫自身が過去に経験した恐怖心から、激しく攻撃してくることがあるのです。このような場合、暴れ方はとても激しく、手に負えない状態になることがあります。ふとしたことをきっかけに猫は過去のトラウマにスイッチが入ってしまうので、激しく暴れてしまうのです。

怒りの矛先を身近な人間に変える転嫁行動

猫が怒りの矛先を身近な人間に変える転嫁行動をしている可能性もあります。猫の転嫁行動とは、攻撃すべき相手を別の物に転嫁して攻撃することです。例えば、突然同居猫などに襲われて、びっくりしてしまうと襲われた猫に対して攻撃せず、別の何かに対して攻撃をする場合があります。

その対象が近くにいる飼い主さんとなってしまいます。パニックになり激しい力で攻撃してくる場合もあるので、十分に注意しましょう。
 

生まれつきや病気によって起こるセロトニン不足

生まれつきや病気によって起こるセロトニン不足も原因として挙げられます。脳内には「セロトニン」というホルモンが分泌し、幸せな感情を生みだしています。これは人間も猫も同じと言われています。

生まれつきセロトニンの分泌量が少ない猫や、病気によりセロトニンが不足していると、猫は感情のコントロールができず興奮しやすくなったり、怒りのブレーキがきかなくなることがあります。セロトニン不足が原因の場合は、暴れる頻度が高くなり、脳内のコントロールができないので長時間暴れてしまいます。

猫が突然襲ってくる時の対処法

口を大きく開ける猫

猫が突然襲ってくる原因によって対処法は異なります。ここでは、原因に合わせた対処法をご紹介します。

遊びの延長や獲物を狙う本能的な捕食行動の場合

遊びの矛先を変えてみるとよいでしょう。飼い主さんに向かって飛び掛かってくる場合、遊ぼうと思っているかもしれません。遊びの興味を引くようなおもちゃを利用してみましょう。飼い主さんからちょっと距離を置いた場所におもちゃをポイっと投げてみてください。

狩猟本能を刺激するようなおもちゃを用いるのがおすすめです。ただし、おもちゃを与えても猫が興味を示さない可能性もありますので、日ごろから猫と遊ぶ時間を確保して、遊び相手をおもちゃに変えていくようにしましょう。自然におもちゃで遊ぶ習慣をつけていきましょう。

怖いできごとに対する心の葛藤や防衛心の表れの場合

過去に大きな声や音を経験したことから、恐怖心が植え付けられていたり、触られて怖い思いをした体の部位などがある可能性もあります。このような場合は同じ行動に敏感に反応します。猫が攻撃するきっかけや行動を観察してみるとよいでしょう。

怒りの矛先を変える転嫁行動の場合

猫に何かが起こったとき、すぐ距離を置くようにしましょう。瞬間的に身近なものに転居するので、猫との距離があれば飼い主さんのところに来てまで攻撃をくわえる事はありません。素早く距離を取るようにしましょう。

セロトニン不足の場合

セロトニン不足の場合、判断が難しいので、動物病院に相談しましょう。セロトニンを増やす薬などで調整することができ、攻撃行動が改善される場合があります。動物病院によっては「動物行動学」や「行動診療」を行っているので、様々な側面からの治療が期待できます。

病気などが原因の可能性も

病気などが原因で攻撃している可能性あります。原因がはっきりしない場合は自己判断せず、動物病院や専門家に相談することをおすすめします。正しい判断をしてもらう事で、より猫の行動に改善が期待されます。

猫が突然襲ってきた時の注意点

手に噛みつく猫

猫が突然襲ってきたときの注意点をご紹介します。猫が興奮したと思ったら適切な対応をするようにしましょう。

叱ったり叩いたりしない

猫が突然襲ってきたときには、決して叱ったり叩いたりしないようにしましょう。猫が興奮している時に飼い主さんが怒る行動をすると、さらに猫は興奮し攻撃が激しくなる可能性があります。絶対に叱ったり叩いたりしてはいけません。できる限り大きな声なども出さないで、冷静に対処するようにしましょう。

猫と距離を置くことでお互いの安全を保つ

猫が興奮している時はとにかく距離を置きお互いの安全を保つようにしましょう。猫は時間の経過とともに少しずつクールダウンしていくので、とにかく1人にさせておくことがベストです。猫が落ち着いたと思ってもすぐに興奮する場合があるので、その日1日は出来るだけ近寄らないようにしてください。かわいそうに感じても、餌やトイレなど最低限のお世話のみを行う方が良いでしょう。

飼い主がケガをした場合は病院で治療する

猫が暴れた時に飼い主さんがケガをした場合、病院で治療してもらいましょう。猫が本気で暴れると思いがけないほど深い傷を負ってしまったり、動物由来の感染症を引き起こして悪化する可能性があります。大したないと軽く考えず、傷が深い場合は病院で治療を行うようにしましょう。
 

まとめ

怒る猫

愛猫が突然襲ってきたら飼い主さんはとてもつらいですよね。自分自身に何か非があったのではないかと悩まれる方もいるでしょう。しかし何度も繰り返せば猫との生活自体を継続できなくなってしまうかもしれません。日頃から猫の状態を観察することで原因がわかり問題行動を改善して、穏やかで楽しい愛猫との暮らしを満喫してくださいね。