猫の噛み癖は直せる?
猫に噛み癖がついてしまったら、しつけで直せるのでしょうか?猫が飼い主さんの手などを噛むようになるのは様々な理由があります。子猫の頃からしつけをすることで、噛み癖は直せると言えるでしょう。
また、もし大人の猫で噛み癖があっても、理由をよく分析して対処することでしつけをし直すことができ、噛み癖を直すことができます。ただし、子猫の頃よりも大人の猫の方が、しつけで噛み癖を直すのは難しいことが多いと言えます。
子猫が噛む理由としつけ方
子猫が噛む理由、噛み癖がついた理由と対処法についてご紹介します。
歯の生え変わりで噛む
歯の生え変わりで噛み癖がついている場合も考えられます。子猫は、生後3ヶ月~半年ほどの間の乳歯から永久歯に生え変わりの時に、かゆみや痛みがあるために、何かを噛んでやわらげようとします。
子猫の永久歯は、乳歯の下から生えてきて、次第に乳歯を押し上げていき、乳歯がぽろっと取れますが、永久歯が伸びてきている時に違和感やかゆみ、痛みを感じるようです。
歯の生え変わり時の子猫は布や家の柱、椅子の脚など様々なものを噛みますが、飼い主さんの手を噛むこともあります。
しつけ方としては、歯がかゆいことはどうにもならないので、噛んでも良いものを噛ませる、という方法があります。
寝ぐずりのために噛む
寝ぐずりで、噛み癖がついてしまったという場合もあります。まだ子猫のうちは、遊んでいても眠くなればすぐ眠ってしまいますが、中にはうまく寝付けないものもいます。
そのため、眠いけど眠れないといった時、寝ぐずりのために、飼い主さんの手を噛むことがあります。眠い様子の子猫を抱っこしたり、撫でていたりして噛まれたとしたら、寝ぐずりだと考えられます。
寝ぐずりでついた噛み癖のしつけ方は、寝付きにくいことを改善するという方法もあります。猫が安心して眠れるような寝床や場所を用意する、寒すぎないようにするなどです。
また、子猫が眠そうな時には、飼い主さんのそばに寄らせないという噛み癖のしつけ方もあります。
遊びで興奮して噛む
猫が遊んでいて興奮しているうちに、噛み癖がついてしまうことが考えられます。子猫は、成猫になるまでの間に、きょうだい猫たちと遊ぶことで社会性を身につけていきます。
その中でひっかきあったり、噛まれて噛み返すこともあったりして、相手が痛がる様子や自分が痛みを感じることを学び、猫同士でのやりとりを学びます。
まだ社会性を身につけていない子猫は、力加減もわかっていないために、飼い主さんの手を噛むことがあります。遊びで噛まれた時には、しっかりしつけをして、噛み癖がつかないようにしなくてはなりません。
子猫が成長している時期に手を噛むことを許しているため、遊んだりじゃれたりする時に、人間の手の噛み癖がついてしまうと考えられます。
猫が社会性を身につける間に、しつけをしておいて、手を噛まないようにしておけば、噛み癖をつかないようにすることができます。
本能として噛む
猫が獲物だと思ったものを噛むのは、本能として当然のことです。そのため、噛むことは自然であり、しつけで直せることではありません。子猫はきょうだい猫との遊びの中で、獲物の捉え方を学んでいきます。
猫が獲物として噛んでも良いおもちゃなどを与え、飼い主さんの手ではなく、おもちゃを噛むようにしつけをすると良いでしょう。
猫が遊んでいる時との区別は難しいですが、どちらにしても手を噛むことを許さないことがしつけになると言えるでしょう。
子猫の噛み癖に対するしつけ方
子猫のうちは、まず噛み癖をつけないようにするしつけをするようにしましょう。飼い主さんは、子猫と遊ぶ時には手を使わず、おもちゃや布など噛んで良いもので遊んであげるようにしてください。
飼い主さんの手を遊び相手として捉えてしまうと、ずっと飼い主さんの手を噛み、噛み癖がついてしまいます。
遊びで子猫が噛んできた時には、高く大きめの声をあげて、痛がっているというアピールをしいましょう。噛むと痛いんだよ、ということを子猫にわからせるためです。
歯の生え変わりで子猫に噛み癖がついている時には、猫用のぬいぐるみや布など、噛んでも問題ないようなものを与えて、手を噛ませないようにしてください。寝ぐずりで子猫が噛む時には、飼い主さんは手を噛ませないようにタオルを手にかぶせるなどすると良いでしょう。寝ぐずりの場合は噛み癖というより、一時的なものと考えられます。
いつまで続くかは個体差もありますが、成猫になるまでには頻度は減っていくと言えるでしょう。
また、手を噛んだという理由で、しつけとして叩いたり、大声で叱ったりするようなことはやめましょう。適切なしつけとは言えないだけではなく、子猫の頃から飼い主さんの手を怖がるようになってしまうからです。
大人の猫が噛む理由としつけ方
成猫に噛み癖があるのは、子猫とはまた違った理由が考えられます。そのため、しつけも子猫のようにはいかない場合もありますし、しつけで解決しない場合もあります。
体に不調があって触られたくない
猫がケガをしたり病気になっていたりすると、飼い主さんが触ろうとした時に、嫌がって手に噛み付くことがあります。
噛み癖としてずっと続くようであれば、体調が悪いと考えられますので、病院に連れていく必要があるでしょう。体調不良が原因ですから、しつけでは治るものではありません。猫の様子がおかしい時には、早めに動物病院で診察してもらってください。
単純に触られたくない
あまり触られたくないような猫もいます。もし触られたくない時に飼い主さんが触ろうとすれば、手を噛んでくることもあります。
猫がくつろいでいたり、放っておいてほしいと思っていたりする時に触ろうとすれば、触られたくない猫は手を噛んだりその場から逃げたりして抵抗します。
さらに、野良猫から保護したばかりであったり、人に慣れていない猫であったり、あまり人間に触られずに大人になった猫であれば、触られないようにするために噛み癖がついていることもあります。
怒っているために噛む
猫が何かで怒っていたり、興奮していたりする時に触ろうとすれば、猫は本能から相手を攻撃しますので、噛んでしまうこともあります。飼い主さんが、猫の機嫌が悪い時に触ろうとしたという理由で、噛み癖がついていると考えられます。
また、普段からストレスを感じている猫は、触られることに過敏になったり、嫌がったりするので、噛むことで抵抗していることもあります。
正確には、噛み癖というよりも、触ろうとする人間の方に問題がある可能性もありますので、しつけでは治しにくい理由だと言えます。
猫の環境をよくして、ストレスがない生活をおくれるようにする必要があるでしょう。
発情期である
猫が発情期に入った場合、異性の猫を求めるストレスや、興奮した時に飼い主さんが触ろうとすることなどで噛むことがあります。
噛み癖とまではいきませんが、発情期がおさまるまでは、何かのきっかけで猫が飼い主さんを噛むことが増える場合もあります。発情は猫の本能的なものですから、しつけで変えることは難しいでしょう。
手で遊びたくて噛む
大人の猫でも、子猫と同じように、飼い主さんとのコミュニケーションの一環として手を噛んでくることがあります。
これは子猫の頃などに、飼い主さんの手で遊んでもらったことが原因となり、手を遊び相手として認識してしまったために噛み癖がついたと言えるでしょう。
手を噛まないというしつけをされずに成猫になってしまうと、手を噛む癖はなかなか治らないかも知れません。
大人の猫の噛み癖のしつけ方
大人の猫の噛み癖でも、治らないことはなく、理由に合わせて対処することで噛まないようにしたり、被害に遭わないようにしたりできます。まず手で飼い主さんが猫と遊んでいる場合には、それをやめます。
手で遊んでいると、手を噛まれ、噛み癖がついてしまうことは当然とも言えるでしょう。
猫がいたずらをした時に、霧吹きスプレーなどで水をかけて噛むのをやめさせるしつけ方法がありますが、猫にストレスや恐怖心を与えるので、あまりおすすめできません。
とにかく遊ぶ時に人の手を使わないようにすることで、手への噛み癖がつかないようにしつけができます。
物に対して噛み癖がある時には、噛むことそのものを猫にさせない、というしつけをすることは難しいので、噛んでも良いようなおもちゃや布などを猫に与えると良いでしょう。
おすすめの噛むおもちゃ
噛み癖がある猫の場合には、噛むことをやめさせようとしつけをするよりも、噛んでも良いというおもちゃを与えておくしつけ法があります。猫が噛みやすく、さらに歯のケアにもなるといった、噛み癖のある猫用のおもちゃもあります。
ペッツルート (Petz Route) シリコンかむにゃむ ヘビさん
不思議な動きをして猫の興味を誘い、噛み心地が独特なため、噛み癖のある猫が夢中で噛んで遊ぶおもちゃです。
釣竿状態になっているので、飼い主さんは竿部分を持って動かしてあげるだけです。必ず飼い主さんが一緒にいる時に遊ぶようにしましょう。噛んで汚れても水洗いできますので清潔に保てます。
ペッツルート (Petz Route) まゆ歯みがき ロングひも
猫が噛んで遊ぶものなので、綿、またたびの実、天然まゆ(絹100%)、麻でできています。まゆ玉を噛むことで、猫の歯の汚れを取ることができます。飼い主さんが和の方を持ち、猫に噛ませて一緒に遊ぶことができます。
ペットステージ (Petstages) デンタル・チューマウス(2コセット)
猫が噛んで遊べる、キャットニップ入りのおもちゃです。猫が噛むことで、歯のケアをすることもできます。猫が噛んで口でくわえやすいような軽さと大きさになっています。
まとめ
猫の噛み癖は、しつけで治る場合としつけでも治らない場合とがあります。しつけで治らない噛み癖は、病気やケガや発情期などが原因なので、原因が取り除かれれば、噛み癖はなくなります。
子猫のうちから飼い主さんの手を噛まないようにして噛み癖を身につけないようにするには、手で遊ばない、噛んだ時には痛がる、といったしつけをしましょう。
猫が獲物を噛むことは本能であり自然なので、人間の手ではなく、噛んでも良いおもちゃを与えるのは、噛み癖に対するしつけの一つと言えます。猫に安全なおもちゃを使ってしつけをし、噛み癖にうまく対処していきましょう。