猫が甘噛みする理由
狩猟モード
猫が突然飛びかかってきて甘噛みをするのは、飼い主さんの手足を獲物に見立てて狩猟モードに突入している可能性があります。あまりに強く噛む場合は、運動不足がストレスになっている可能性もあるので、上下運動ができるキャットタワーや、猫用レーザーポインターを使って目一杯運動させてあげて下さい。
愛情表現
猫は本来、幼少期に親子、兄弟間で甘噛みをし合いながら育ちます。このような習性から、飼い主さんを母猫や兄弟の様に思っており、甘噛みでスキンシップを取ろうとしている可能性もあります。
触られたくない
猫は気分屋です。ついさっきまで気持ちよさそうに喉を鳴らしていたとしても、突然撫でられるのが嫌になる事があるのです。「もう触られたくない」と感じていたり、「そこは触られたくない」と怒っていたりする可能性があります。
この他にも甘噛みをする理由として、子猫時代の名残で人の指や、毛布、ぬいぐるみ等を吸う、吸い付き行動や、オス猫特有のネックグリップ等があります。吸い付き行動は、母猫と離れる時期や、離乳が早かった猫にみられる事が多いとされており、ネックグリップは交尾の際にメス猫の行動を抑制するための本能的なものだと言われています。
猫の甘噛みの理由を見極める方法
上記のように、猫が甘噛みをする理由は様々です。では、どのようにして見分ける事ができるのでしょうか。甘噛みをしている猫の様子をしっかり観察してみましょう。
目や耳の状態
目をまん丸にして、耳を倒している場合は「触られたくない」と怒っている可能性があります。逆に、目はとろんとしたままで、甘噛みをしている場合は甘えているのかもしれません。目や耳の状態を観察して、甘噛みしている猫の感情を読み取ってみましょう。
しっぽの動き
しっぽをバタンバタンと床に叩き付けている、ゆっくり左右に振っているなど、しっぽの動きにも注目して下さい。イライラしているのか、リラックスしているのかが分かれば、甘噛みの理由が分かりやすくなります。
鳴き声
ゴロゴロと喉を鳴らしながら甘噛みしているのか、ニャッと怒ったように鳴いて甘噛みしているのかを観察してみて下さい。
猫は、言葉を話せない代わりに、仕草や行動で感情を表す方法をたくさん持っています。よく観察すれば、愛猫の感情を読み取る事ができ、甘噛みの理由が解明できるはずです。理由が分かれば、猫の甘噛みを受け止める事も、場合によっては止めさせる事も出来ますね。痛いからといって決して大きな声で叱ったり、叩いたりせず、猫が甘噛みする理由を理解する事から始めてみましょう。
猫の甘噛み対策
甘噛みと呼ぶには噛む力が強すぎたり、飼い主さんの生傷が絶えなかったりするのは、猫にとっても飼い主さんにとっても良くありませんよね。猫の甘噛みに悩んでいる飼い主さんは、以下の方法を試してみては如何でしょうか。
おもちゃを使う
つい手や足にじゃれついて甘噛みしてしまう場合は、おもちゃを使って気を逸らし、おもちゃで遊ぶ方が楽しいと教えてあげましょう。猫によって好きなおもちゃの種類は異なるので、お気に入りのおもちゃを探してあげるのもひとつですね。
力加減を教える
特に子猫の場合、手にじゃれついて猫キックを繰り出す等、猫同士のじゃれ合いに近い遊び方を好みます。どうしても飼い主さんの手で遊びたがる場合は、軍手や手袋で手を保護して遊んであげましょう。ただし、飼い猫の場合は成猫になっても、子猫同様にじゃれて遊びたがる場合があります。強く噛みすぎた場合は遊びを中止する等して、力加減を教える事が大切です。
口に手を押し込んだり、大きな音を鳴らしたりする方法もありますが、個人的にはあまりお勧めできません。我が家の愛猫も、子猫時代はよく甘噛みをする子でしたが、強く噛めば遊びが終わる事を覚えてからは、本当に優しい甘噛みしかしなくなりました。甘噛みは猫の愛情表現でもあります。怖い思いをさせずとも、飼い主さんが怪我をしないようにする為の対策はできるはずです。
まとめ
猫の甘噛みは、猫にとって意思表示をする方法のひとつだと思っています。「やめてよ」「遊ぼうよ」「大好きだよ」その時々によって伝えたい感情は、全く別の物かもしれません。甘噛みという行為自体だけでなく、その他のサインを読み取り、伝えたい事を理解してあげられたらいいですね。