戦時下のウクライナにいる「猫への支援」日本にできることは?飼い主さんの声を紹介

戦時下のウクライナで支援を求める犬や猫、日本にできることは?

ロシアの侵攻によりウクライナで戦争が始まってから、人々だけでなく犬や猫といったペットたちも平和な日常を失ってしまいました。断腸の思いでペットを残して避難せざるを得なかった飼い主さんもいれば、ペットと離れたくない一心で現地に留まり苦しい生活を余儀なくされている飼い主さんもいます。

ウクライナ国内の人々だけではなく犬や猫などの動物の支援にも力を入れている団体も存在します。飼い主さんを失ってしまったペットや、フードや生活用品が不足して困っているペットのために、日本にはどのような支援ができるでしょうか。

猫の飼い主さんに、「ウクライナ国内の猫に対して日本はどのような支援をすればいいと思うか」お尋ねしました。寄せられたアイディアを「物資の支援」「お金で支援」「保護」「その他」に分類してご紹介します。

 

「物資の支援」に関するコメント

物資の支援に関するコメントでは、「ペットフード」「トイレなどの生活用品」「医療品」など、生活に必要なものが不足しないように現地に送るべきだという意見が多く見られました。また「シェルターの設置」など、猫が安全に暮らせる場所の提供も必要だというアイディアが出ています。

 

47歳 女性/会社員(神奈川県)
「食事と水の確保をしてほしい。命を大切にしてもらいたい」

 

47歳 女性/会社員(東京都)
「餌、医薬品、ペット用品の提供」

 

44歳 女性/医師・医療関係者(東京都)
「ひと所に集められる避難場所を設置するように働きかける。 ご飯やペットシート・猫砂などの必要消耗品を送る。」

 

38歳 女性/パート・アルバイト(北海道)
「現地、または近くにいるボランティアの方々と、SNSなどネットを通じて連絡を取り必要なものを送る。」

 

53歳 女性/自由業(神奈川県)
「距離を考えると、里親探しというのは現実的ではないが、金銭的な支援で現地の安全な場所に大型シェルターを設立しスタッフの確保も試みる。同時に残された猫ちゃんたちが再度飼い主家族と会えるように、サイトを通じて飼い主探しをする。またそういう機関が立ち上がった事を、メディアを利用し避難されたウクライナの方々に広く知って頂けるような方法を構築するなど。」

 

生きていくのに欠かせない物資の他にも、飼い主さんを失った猫のお世話をしてくれるスタッフを確保する必要があるという声もありました。安全な場所で生活しながら、飼い主さんと再会できる方法や新しい家族を見つけられる機会を確立していくことも重要ですね。現地のボランティアの方々との連携も大切になりそうです。

「お金で支援」に関するコメント

日本から遠く離れた国への支援であることを考慮して、「寄付金を集めて経済的な支援をするのが一番良いのではないか」という意見も多く寄せられました。

 

45歳 男性/会社員(北海道)
「現実的に金銭的支援が一番良いのでは」

 

56歳 女性/専業主婦(千葉県)
「現地で保護できるならそれに越したことはないが、今の情勢でそれが無理ならば、寄付金を集めて送るしかないと思う。」

 

43歳 女性/パート・アルバイト(東京都)
「日本から遠い以上近隣諸国の保護団体に資金協力するのがベストだと思う」

 

現地や近隣諸国のペットを支援する団体に寄付金を送って、必要な物資の購入やペットが暮らせる施設の設立に資金を充ててほしいという方が多いようです。現在ペットが生活していく費用だけでなく、里親を探すなどの保護活動にも資金が必要という意見も寄せられました。

 

「保護」に関するコメント

ウクライナでは、飼い主がいなくなってしまった猫に対する保護も必要とされています。保護活動に関する支援としては「ウクライナ現地での保護」と「保護して日本に避難させる」という、大きく分けて2つのアイディアが出ました。

 

33歳 女性/パート・アルバイト(北海道)
「ペットの保護団体のような民間の団体があるのなら、まずは保護を優先すべき」

 

53歳 男性/会社員(神奈川県)
「現地で保護して日本やヨーロッパの国で里親を探す。」

 

36歳 女性/自由業(山形県)
「保護して日本に避難させたい。」

 

40歳 女性/会社員(愛知県)
「一時的にペットを預かれるような仕組みで支援できたらいいなと思います。ペットは元の飼い主と一緒が一番だと思うので、再び飼い主のところに戻れるように支援したらいいと思います。」

 

まずは保護して猫の安全を確保したうえで、里親探しや飼い主さんと再会できるまで日本で預かるなどの支援をするのがよいのではないかという声があがっています。戦争に巻き込まれたウクライナの猫たちが、幸せな日々を取り戻せることを願う飼い主さんがたくさんいらっしゃるようです。

 

「その他」のコメント

その他にも「飼い主さんとの同伴避難を手助けする」「クラウドファンディングで寄付を募る」などのアイディアが寄せられました。

 

32歳 男性/会社員(神奈川県)
「SNSで問題として取り上げ続ける」

 

59歳 男性/無職(熊本県)
「戦場に取り残された猫を助けに行くのは難しい。戦争終結後ならば、ボランティアとして行くか食事の餌代の寄付を募る。クラウドファンディングで集めた方が良い。」

 

49歳 女性/会社員(埼玉県)
「ウクライナ国民に何らかの責任があるとは思わないが、人間の都合でおきた戦争で野生動物やペットが悲惨な目に合うのは理不尽だとおもうので、個人的にはできることはしてあげたいと考える。飼い主とペットの同伴の避難の手助け。不可能なら置いていかざるを得ないペットのシェルターを作る。捕獲されたくない個体もいるだろうから、起き餌や水の設置、暑さや寒さ、悪天候を凌げる仮設の小屋の設置など。 外に出て餌が十分に取れれば、動物の方が人間よりも生き抜く力を持っているだろうけど」

 

56歳 男性/会社員(愛知県)
「冷たいかもしれないが、一時避難については必要としてもペットだけに支援してもあまり意味がないと思う。結局飼い主が幸せでないとペットの幸せも長く続かないので、人に対する支援が重要では?」

 

戦時中に日本にできることは限られているという意見もある一方で、できる限りの支援をしてあげたいという方や、ペットの幸せのためには飼い主さんに対する支援も重要という意見もあがっています。ウクライナのペットや飼い主さんが支援を求めていることを広く知ってもらうために、SNSで情報発信を続けることの必要性に言及する方もいらっしゃいいました。

 

まとめ

日本から遠く離れたウクライナで起きている戦争ですが、犬や猫などのペットを支援するためのアイディアが数多く寄せられました。現地の保護団体やボランティアの方々と協力して、日本からも物資や寄付金、保護活動などの支援ができるとよいですね。

ウクライナの犬や猫、そしてペットの家族である飼い主さんたちが平和に暮らせる日々が戻ってくることを祈りながら、自分にできることはないだろうかと考え続けることが大切なのでしょう。