マイクロチップ装着義務6月より開始、猫の飼い主さんは賛成?反対?愛猫家たちの本音を調査

2022年6月より犬猫へのマイクロチップ装着が義務化

改正動物愛護法の施行により、2022年6月1日からペットの犬や猫へのマイクロチップ装着が義務化されました。ペットショップなどの販売業者や繁殖業者にはチップの装着と所有者情報の登録が義務付けられ、すでに犬猫を飼っている方には努力義務が課されます。

マイクロチップの装着には迷子や盗難、遺棄の抑制への対策として効果が期待される一方で、なじみのないマイクロチップに対し否定的な意見をお持ちの方もゼロではなさそうです。

猫の飼い主さんは、現段階でマイクロチップ装着が義務化されたことをどのように考えているのでしょうか?全国の愛猫家のみなさんに意見を伺いました。

良いところは?

猫の飼い主さん100人に、マイクロチップの装着について良いと思うところをお聞きしました。

マイクロチップに飼い主情報が登録されることで、迷子になった猫が見つかる可能性が高められることや、捨て猫の数を減らせることに対する期待の声が多いようです。

 

40代 女性/パート・アルバイト(神奈川県)
「飼い主が特定されるので、犬猫が迷子になった時や災害時に飼い主が不明な際に役立つので良いと思う」
40代 男性/会社員(神奈川県)
「これによって無責任な飼い主がいなくなって欲しい」
50代 女性/専業主婦(千葉県)
「うちの猫にもマイクロチップが入っていますが、13歳になった今も体調などに何の問題もないし、むしろ万が一にはぐれてしまった時のことを考えると、マイクロチップを入れていることで少し安心できるところは良いところだと思います。また無責任な飼い主の減少にもつながるのではないでしょうか。」

 

マイクロチップ装着により、いざという時に猫の安全を守れたり、猫を飼うことへの責任感が強くなったりすることがメリットと捉えられているようです。実際に愛猫にマイクロチップを装着した経験から、義務化に賛成している飼い主さんもいるようです。

悪いところ、心配なところは?

猫の飼い主さんがマイクロチップ装着に対して、悪い・心配だと思うのはどのようなところなのでしょうか。

質問した結果、「猫の体に負担にならないのか?」など、安全性を疑問視する声が多く見られました。

 

30代 男性/会社員(福島県)
「マイクロチップを装着するとき、痛がらないか心配」
30代 女性 専業主婦(埼玉県)
「行方が分からなくなった場合は見つけやすくていいのかもしれない。ただ、マイクロチップを装着することで健康面に影響があるのかが心配」
50代 男性/会社員(栃木県)
「良いところは迷子になった時に見つけやすいことです。悪いところは費用が掛かることです。」

 

猫への負担についてはチップを埋め込む際に痛みがないのかという点と、後から健康に悪影響が出ないのかという点で不安を感じる飼い主さんがいるようです。マイクロチップのメリットを認めたうえで体を心配し、可哀想に感じるという声も寄せられました。

また金銭的な負担が増すことをデメリットと捉える声もありました。

 

マイクロチップ装着義務化の今後の課題

マイクロチップ装着が飼い主さんたちに広く受け入れられるためには、どのようなことが課題となるでしょうか。猫の飼い主さんたちが今後期待することをご紹介します。

 

30代 女性/自営業(兵庫県)
「迷子にさせない。無責任に捨てる事がしづらくなって良いと思う。登録する方法、変更、死亡届けなどの手続きの方法が分かりやすくなっていて欲しい。金銭的負担が出来るだけ軽いと有難いと思う。」
50代 男性/会社員(愛知県)
「明らかに不十分だが第一歩としては評価する。しかし野良猫や飼い猫が産んだ場合に全く対応できていない事や気にせずに捨てる人に対する罰則も必要。馴染みのない人の場合GPS発信機と勘違いしている人もいるので、マイクロチップがどのような機能でどれくらいのサイズなのかの広報も足りていない。」
50代 女性/会社員(茨城県)
「新しく購入された犬猫に対しては、購入者の情報がタグ付けされ、飼育放棄などに対してある程度の抑止力になるのではと思う。しかし現状もう既に動物が手元にいる場合にはどの程度の効果があるのかが疑問。」

 

手続きのわかりにくさや金銭的な負担に対するサポートを求める声や、マイクロチップについての情報をもっと広める努力が必要という声が上がっていました。すでに飼育されているペットに関しては努力義務でしかないという点など、猫を守る制度として不十分なのではないかという意見もあるようです。

まとめ

昨今、猫の人気が高まるとともに猫の遺棄が増加していることが問題となっています。また、脱走や災害で迷子になった猫が、飼い主さんと再会できないままになってしまうケースも珍しくありません。

マイクロチップ装着義務は、犬猫が危険な目にあったり、不幸になったりするのを防ぐ効果が期待できる一方で、まだまだ否定的な声や不安の声も多いようです。

今後はマイクロチップの安全性や手続きの方法についての情報を積極的に公開し、飼い主さんの不安や負担を減らす努力が求められるでしょう。

また、すでに飼われているペットの装着費用を、ポイント還元するキャンペーンを実施している動物病院もあるようです。このような支援がもっとあれば、努力義務でしかないペットへの装着も推進できるかもしれません。

マイクロチップ装着義務化を足掛かりとして、犬や猫の幸せと安心のための取り組みがさらに加速することを期待したいところです。