透明バックパックに入って外の世界を満喫する猫
生まれつき足が不自由な猫のサージは、窓枠に飛び乗ったりトイレットペーパーを転がしたりすることはできません。しかし飼い主のミシェル・ドンリックさんのおかげで、最近はサウスカロライナ州の様々な場所に出没しています。
空気穴のある透明バックパックの中で楽しそうに外を眺めるサージは道行く人の注目の的で、多くの人がサージの写真を撮ったり一緒にセルフィーを撮ったりします。
ドンリックさんはこの透明バックパックを見て猫を入れるのにちょうどいいと思い、試してみたところサージも気に入ってくれたそうです。
ドンリックさんは米国サウスカロライナ州のワジナーで猫の保護施設「Avalo Cat Sanctuary(ACS)」を運営しています。
同施設では350頭もの猫が収容され、その多くは障害などにより特別なケアを必要とする猫です。
その中の1頭であるサージは、生まれつき重度の小脳低形成という神経疾患にかかっており、まったく歩くことができません。
そのサージがACSに収容されたのは約2年前のこと。保護された時はまだ生後4カ月ほどでした。
街中で注目を浴びる保護猫とその飼い主
今年の9月、ドンリックさんはサージをサウスカロライナの港町チャールストンへ連れて行き、海辺や繁華街、レストランなどを回りました。
猫の入ったバックパックを背負うドンリックさんはすぐに注目され、多くの人が立ち止まって彼女を質問攻めにしたり、サージを撫でて写真を撮りたがったりしたそうです。
この旅ですっかり有名になったサージは、全米メディアのPeople誌にも取り上げられました。
ドンリックさんは普段から「猫一筋」であまり表に出たがらない性格なため、有名誌の記事となったことにとても驚いています。
保護猫と旅を楽しむ素朴な施設運営者
ドンリックさんはサージの他にもう2匹、一緒に旅に出かけたい猫がいると言います。
シンガポールで背骨を折ったベンガル猫のアキンボと、交通事故に遭い足を1本切断した三毛猫のリタです。
次回は、この2匹もそれぞれバックパックに入れて一緒に冒険へ行く予定です。
この3匹は仲が良いため一緒に連れて行ったらどんなに喜ぶか、ドンリックさんは今から楽しみにしています。
クリスマスには3匹をチャールストンとマウントプレザントに連れて行く予定ですが、その他にも旅の計画があるとのこと。
ドンリックさんは、「自分は猫ではないため確かなことは分からないものの、サージは外を旅するのをとても楽しんでいるようです」と語ります。
たしかにバックパックから外を眺めるサージの顔は、とても生き生きとして何だか楽しそうに見えますね。