ヘミングウェイが飼っていた幸運を呼ぶ猫 ヘミングウェイキャットとは
ヘミングウェイキャットとは?
現在では、ヘミングウェイが「幸運を呼ぶ猫」と言って大切にしていたことにちなんで、多指症である6本指の猫を全体的に「ヘミングウェイキャット」と言うそうです。ヘミングウェイキャットを日本で見かける事はほとんどないそうです。この猫は別名、見た目がミトンに似ているために「ミトンキャット」とも呼ばれています。
ヘミングウェイとヘミングウェイキャットの出会い
一番多く多指症の猫が住んでいるアメリカのボストンでは多指症猫の全体の15%が住んでいると言われています。そしてフロリダ州のキーウエストにも多指症の猫は多くいるようです。
ヘミングウェイは、キーウエストに住むと同時に知り合いの船長よりネズミ捕り名人(名猫!?)である二匹の猫を譲り受けました。その猫が多指症で、船長達の間では6本指の猫は「幸運を呼ぶ猫」として大変に大切にされていました。
ヘミングウェイキャットと呼ばれるようになった理由
この6本指の猫は器用で、他の猫が出来ない事もできる様子を見たヘミングウェイは貴重さを感じ、この猫を大変大切にしました。これがヘミングウェイキャットと呼ばれるようになった理由です。多指症の猫は近親交配と優性遺伝により親猫から子猫に脈々と受け継がれていきました。
ヘミングウェイキャットは猫の手や脚がミトンに見えるように、丈夫で支える力が強く、木登り等の運動能力も優れています。多指症は病気ではありますが猫の体に悪影響はなく、強いて言えば爪とぎがしづらいので肉球に爪が食い込みやすいという欠点があるくらいだそうです。
ヘミングウェイキャットの子孫たちの現在
ヘミングウェイハウスに住んでいる
ヘミングウェイキャットの子孫たちがいるヘミングウェイハウスは、ヘミングウェイの二番目の妻であるポーリーンという女性と32歳から41歳までの9年間過ごしたアメリカ最南端、フロリダ州キーウエストにある自宅の事です。現在はヘミングウェイキャットの子孫たちなど、ヘミングウェイにゆかりの深い置物や家具などが飾られています。親しかった同じく猫好きであった画家「ピカソ」から贈られた猫の置物もあります。
そのヘミングウェイハウスの周りには6本指の異名である「幸運を呼ぶ猫」を含め多くのヘミングウェイキャットや、6本指以外のヘミングウェイの飼い猫達の子孫が楽しく暮らしています。
ヘミングウェイキャットに名前がある
それぞれの猫の特徴をとらえてヘミングウェイハウスにいる全ての猫に名前があるそうです。「マリリンモンロー」「オードリーヘプバーン」「ピカソ」「ボイシー」「白雪姫」など有名人の名前をつけたりしています。マリリンモンロー猫は、やはり色っぽいのでしょうか?
ヘミングウェイキャット達の管理
ヘミングウェイキャット達はフロリダ州が管理しており、獣医師たちにより定期的な健康管理がなされており、毎日の食事もガイド達によりきちんと管理されています。
ヘミングウェイキャットの頭数
ヘミングウェイキャットは現在、おおむね50匹から60匹前後住んでいるようです。交配の数や、最大の頭数に注意しながらヘミングウェイキャットの子孫たちは絶やさないように育てられています。
ヘミングウェイキャットは地域ぐるみで守られている
その猫達の約半数は6本指のヘミングウェイキャットと言われています。ヘミングウェイハウスの管理も、猫達の遊んでいる庭の管理も地域ぐるみで行われているので、ヘミングウェイキャット達は大変に幸せな日常を送っています。そして健康的な管理のもと、現在も6本指のヘミングウェイキャットの血は脈々と受け繋がれています。
ヘミングウェイキャットは愛されている
ヘミングウェイの人柄や偉大さは言葉で言い表す事はできません。アメリカ国民から絶大な支持を集める大作家です。生前、4番目の妻の可愛がっていた飼い猫を殺した「ビゴーテス」という猫を、平和なヘミングウェイ家の猫世界の秩序を乱すという理由でヘミングウェイは射殺しています。
苦しい決断であったと思われますが、決して猫可愛がりをせずに猫を大切にしていたヘミングウェイを偲ぶ事ができます。アメリカ国民から愛される一つの要因であると思います。
アメリカ人はヘミングウェイハウスへよくでかけるそうです。「ヘミングウェイの家に行こうぜ!」と日本人がご飯を食べに行こうという感覚で出かけるとアメリカ在住の知り合いが言っていました。大変に素晴らしいことですね。
まとめ
ヘミングウェイキャットが多指症な理由や、子孫たちの現在についてお話しさせていただきました。ヘミングウェイの執筆を邪魔できたのは猫だけだそうです。しかしこのように猫好きなヘミングウェイですが、猫が登場している作品は少ないのです。ヘミングウェイと猫はまだまだ奥の深い話になりそうですから、別の機会にお伝えさせていただきたいと思います。
偉大なヘミングウェイが飼育していたヘミングウェイキャット達の子孫が今も元気に走り回っているなんて、とてもロマンチックですね。今一度、ヘミングウェイの著作を読み返したくなってきますよね。