預言者ムハンマドとムエザ
イスラム教の預言者ムハンマドは愛猫家
イスラム教の預言者ムハンマド(生誕570年〜632年)は大変な愛猫家で知られていました。その中でも美しい純白の被毛とオッドアイを持ったムエザというターキッシュバン(その当時はターキッシュバンとは呼ばれておらず、名称は不明)をこよなく愛し、毎朝、礼拝されていました。
礼拝というと、まるでムエザが神様のように聞こえますが、実際には朝おはよう、と語りかけて挨拶をしていらっしゃったそうです。
ムハンマドは猫であるムエザと人である自分の間に格差を設けずに友人に接するようにムエザにも接していたのでしょう。
ムハンマドの猫愛がすごい!
ある日、礼拝に行く時、ムハンマドの礼拝服の袖の上にムエザが乗って眠っており、ムハンマドはそのムエザを起こさないように礼拝服の袖をハサミで切って片袖になった礼拝服を着て礼拝に出た、という話も・・・有名な逸話です。
猫の迫害や殺害を強く禁止
またムハンマドは「猫への愛情は信仰の一つである」とし、猫の迫害や殺害を強く禁止されたそうです。するとムハンマドの愛情が猫たちに伝わったのでしょうか。
猫に救われたムハンマド
ある日、ムハンマドがイスラム教の教友であり、「猫の父」と呼ばれた愛猫家、アブー・フライラの猫が今まさにムハンマドに噛み付こうとしている毒蛇に噛みついて殺し、ムハンマドを護ったというお話も残っています。
そして、その時ムハンマドは自分を助けてくれたアブー・フライラの猫の額を撫でて感謝の気持ちを示しました。するとその猫の額に縞模様が現れ、ムハンマドが触れた聖なる証として現代にまで残っているのです。
ターキッシュバンとはどんな猫?
トルコのブヮン湖近辺に自然発生していた古代種の原種猫。絵画などの芸術品に時折登場している事から中世(17世紀ごろ)には存在が認められています。
その後ー1955年、イギリスから来た愛猫家が湖で泳ぐ猫を目撃してすっかりと魅了され、イギリスに2頭連れ帰ったところからターキッシュバンの歴史が始まりました。
ただし、タイトルの通り預言者ムハンマドが愛した猫として伝わっていますので、ムハンマドの生誕年とされる570年から存在していた、と認識して頂いても宜しいかと思います。
別名
水を好む性格をしている為、ターキッシュ・スイミングキャット〜トルコの泳ぐ猫〜と呼ばれることもあります。
性格
比較的大人しく愛情豊かで、またリーダーや飼い主さんに従順であるという少し犬のようなところがあります。
原種の猫、というよりは原種の動物は野性味が残っていますので、ターキッシュバンが大人しいとは言っても過剰なスキンシップや抱っこは好みませんので、ある程度自由にさせておく寛容さが飼い主さんに求められます。
湖で泳ぐ猫、との異名を取るくらいの猫ですので遊びは大好きです。ベタベタ触ると嫌がるそぶりを見せますが、ネコジャラシを使うととてもよく遊んでくれます。運動量が非常に多いのでキャットタワーの設置をお勧めします。
まとめ
- トルコ原産の古代種です。
- 中世の芸術作品に多く登場しています。
- 別名ターキッシュ・スイミングキャット〜トルコの泳ぐ猫〜と呼ばれています。
- 性格は大人しく、愛情豊かですが、過剰なスキンシップは好みません。
- 飼い主さんに従順です。
- イスラム教の経典には登場しませんが、預言者ムハンマドに愛された猫としてイスラム教圏内で深く愛されています。
いかがでしょうか。この様なとても素敵で不思議な猫、ターキッシュバン。その美しさだけでもぜひ一度、ご覧ください。