子猫のミルクは生後何日目まで?どんなミルクを与えればいい?
生まれたばかりの小さな子猫を保護したり、お家で飼っている猫が出産したりしてお家に子猫がやってきたら、まず、どんなミルクを与えればいいのか、いつまでミルクを与えたらいいのかが気になりますよね。
子猫がミルクを飲む期間
子猫がミルクを飲む期間は哺乳期と呼ばれる生後1週齢〜3週齢と離乳期と呼ばれる生後4週齢〜8週齢の約2ヶ月間です。
哺乳期の子猫はミルクしか飲むことができません。そのため、親猫が不在であったり育児放棄をするなど母乳がもらえない状況では、人間が人工哺乳をして育てる必要があります。
離乳期の子猫は、生後3週から4週にかけて少しずつ離乳食を始めていきます。いきなり離乳食のみでしっかりと栄養を摂取することはまだできないため、離乳食の量に合わせて少しずつミルクを減らしていきます。
ミルクを卒業する目安
ミルクを卒業して、フードに切り替えるのにはいくつか目安があります。1番分かりやすいのは月齢で、生後4週齢頃になると乳歯が生えてきます。
乳歯が生えてくると、ミルク以外のフードにも興味が出てくるため、離乳食を始める目安になります。生後8週齢に歯が生え揃うのを目安に離乳食をしっかり食べることができて、順調に体重が増加していれば、ミルクを卒業することになります。
それ以外にも、歯が生えてきて哺乳瓶の乳首を噛むようになったり、キトンブルーと呼ばれる子猫特有の青い目に色彩の変化が見られるようになった時、子猫が自分で器から水を飲めるようになった時がミルクを卒業する目安になります。
子猫に与えるミルクの種類
子猫に与えるミルクには大きく分けて液体ミルクと粉ミルクの2種類があります。液体ミルクは調乳する手間がかからず、すぐに飲ませることができますが、使い切りタイプが多く長い期間の保存には向きません。また、粉末タイプと比べて値段も高い傾向があります。
粉ミルクは調乳する手間がかかりますが、粉末状となっているため、必要な分だけ調乳することができ、粉末のままであれば長期間保存することができます。また、液体ミルクと比べると価格も安く抑えることができます。
子猫に牛乳は絶対に与えない
手元に子猫用ミルクがない場合に牛乳を与えればいいのでは?と思うかもしれませんが、子猫に牛乳を与えるのは絶対にやめてください。
猫はラクターゼと呼ばれる、牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素をあまり持っていないため、乳糖不耐症を起こし、下痢になってしまいます。
子猫は体力があまりないため、下痢になると重症化しやすく最悪の場合は命を落としてしまいます。そのため、子猫を人工哺乳で育てる場合にはちょっとくらいと思わず、牛乳ではなく必ず子猫用のミルクを与えてください。
子猫に必要な授乳回数とミルクの量・適温は?
子猫にミルクを与える期間や、ミルクの種類が分かったら次に気になるのは子猫に必要な授乳回数ですよね。どのくらいの量のミルクをどれくらいの頻度で与えればいいのかご紹介していきます。
ミルクの授乳頻度
子猫にミルクを授乳する頻度は、子猫の生まれてからの日数によって大きく変わります。
生まれて間もない生後1日〜7日の子猫は少ない量のミルクをこまめに与える必要があるため、1日あたり6〜8回、だいたい3時間から4時間おきに授乳します。
生後8日〜14日目の子猫には、1日にだいたい4〜8回、3時間から6時間おきに授乳します。生後15日〜21日の子猫は少しずつ一度に飲めるミルクの量も増えていくので少しずつ授乳回数を減らし、1日に4〜6回程度、4時間から6時間おきに授乳をします。
生後22日〜1ヶ月の子猫は離乳食が始まるため、離乳食の進行状況に合わせて徐々に減らしていきます。この時期の子猫に授乳する際は、必ず離乳食を与えてから足りない分をミルクで補うようにしてください。
ミルクの量と適温
子猫に与えるミルクの量は子猫の週齢によっても変わってきますが、生後1〜7日の子猫は5〜10ml、生後8〜14日の子猫には5〜15mlを目安に与えてください。
生後15日から21日の子猫には、子猫が欲しがるだけ与え、生後22日以降の子猫は離乳食に合わせて徐々にミルクを減らし、最終的には卒乳を目指します。
子猫に与えるミルクの適温は40℃程度です。これよりも熱すぎると子猫が口の中を火傷してしまいますし、反対に冷たいとなかなか飲んでくれないばかりか下痢などを引き起こすなど体調不良につながってしまいます。
ミルクは適温で作っても飲ませるまでにすぐ冷めてしまうので、ミルクのタンパク質が破壊されない50℃程度でつくり、少し冷ましてから与えるのがおすすめです。
子猫への上手なミルクの与え方
いざ子猫にミルクを与えるとなると、どのようにして与えたらいいのか気になりますよね。ここでは、子猫へミルクを与える際にどのようにしたら上手に与えられるのかご紹介していきます。
ミルクを与える時の姿勢はうつぶせ
子猫にミルクを与える際には人間のように仰向けにはせず、うつ伏せの状態で飲ませます。飲む時に空気を呑んでしまわないように、哺乳瓶を逆さまにし、乳首の中がミルクで満たされた状態で子猫の口元に近づけるようにしてください。
子猫の口元に乳首をちょんちょんとすると、子猫が自ら吸い付いてくるので、子猫が飲みやすい姿勢で飲めるように後頭部を支えるなどしてあげます。
子猫がお腹がいっぱいになるとミルクを嫌がったり、口からミルクが溢れ出てくるので、口周りを拭いて、ミルクを吐いてしまわないようにゲップをさせます。
哺乳瓶の穴の大きさを調整する
猫用の哺乳瓶は乳首に穴を開けて使用します。この時に子猫に合わせた穴の大きさにすることが非常に大切になります。哺乳瓶の穴が小さすぎると飲みたい量に対して出てくる量が少ないため、吸うことに疲れてしまい十分な量のミルクを飲むことができません。
反対に哺乳瓶の穴が大きすぎると、ミルクがたくさん出過ぎてしまうため、気管に入ってしまい誤嚥につながってしまいます。
まだまだ体力がない子猫にとっては必要以上に疲れて体力を奪われることや必要量のミルクが足りないこと、また誤嚥などは生死に関わってきますので、適切な量のミルクが飲めるように注意してください。
生後間もない子猫はスポイトやシリンジを使う
まだ生まれて間もない子猫にとっては、子猫用の哺乳瓶でも大きくて上手に飲むことができません。そういった場合にはスポイトやシリンジを使用して子猫の口に1滴ずつごく少量のミルクを含ませるようにすると、上手に授乳をすることができます。
子猫がミルクを飲まない原因と対処法
生まれて間もない子猫がミルクを飲まないとなると生死にも関わってきますし、どんどん体力が落ちてしまうため、心配ですよね。
ここでは、子猫がミルクを飲まない原因と対処法についてご紹介していきます。子猫がミルクを飲まない場合にはいろいろと試してみてください。
排泄を済ませてあげる
子猫がミルクを飲んでくれない場合にはお腹を触ってオシッコやウンチが溜まっていないかを確認してください。
子猫は生後間もないうちは自力で排泄ができないため、オシッコやウンチによってお腹が張っていると、お腹がいっぱいであると勘違いしてミルクを飲んでくれません。
体を温めてあげる
また、生後3週未満の子猫はまだ自分で体温を調整することができません。そのため、飼い主の方でこまめな体温調整が必要になります。
子猫は体温が下がると体調不良を引き起こし、ミルクを飲んでくれないので、子猫がなかなかミルクを飲んでくれない場合には、体を温めてあげると飲むようになることもあります。
寝てる子猫を無理に起こす必要はない
生後2週間未満の子猫を除いて、子猫がミルクの時間を過ぎても寝ている場合は、基本的には無理に起こして飲ませる必要はありません。しかし、子猫が寝てばかりいる場合には体が衰弱している可能性もありますので、ぐったりした様子がないか、脱水症状を起こしていないか確認が必要です。
口の中の粘膜が乾いていたり、皮膚を引っ張ったときに戻らないなどの症状は脱水症状を引き起こしています。これらの症状が見られたり、ぐったりしている、保温して体を温めても体温が上がらない、ミルクを吐き戻してしまうなどの症状が見られる場合には早急に動物病院を受診するようにしてください。
8時間以上飲まない場合は病院へ
子猫が元気そうにしていても、子猫が8時間以上ミルクを飲まない場合は必ず動物病院を受診するようにしてください。特に、生後2週間に満たない子猫は8時間以上ミルクを飲まないでいると低血糖を起こしてしまいます。そのため、生後2週間未満の子猫の場合は動物病院にて栄養チューブによる授乳を行なってもらってください。
まとめ
今回は、子猫へのミルクの与え方や、ミルクを飲まない時の対処法など、子猫をミルクで育てる際に生じるさまざまな疑問についてご紹介してきました。
子猫をミルクで育てるのはとても大変ですが、すくすくと大きくなっていく姿を間近で見ることができるのがとても達成感があります。皆さんもかわいい子猫と幸せな生活を過ごしてください。