猫が出産場所を探し始めたらどうすればいい?産箱の作り方などを紹介

猫が出産場所を探し始めたらどうすればいい?産箱の作り方などを紹介

猫が出産直前になると落ち着きがなくなり、出産場所を探すようになります。安心して出産をしてもらうために、飼い主さんは産箱や出産場所を用意してあげましょう。産箱の作り方や、猫の出産の流れなどをご紹介します。

1856view

SupervisorImage

記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

猫が出産場所を探し始めたら必要なこと

授乳中のキジトラの母猫と子猫

産箱の用意

産箱とは、出産する場所、子猫を育てる場所になる箱です。ダンボールや木箱などに毛布やタオルを入れた産箱を用意しましょう。母猫がある程度動ける大きさがありながらも母猫が安心できるように囲われた物、清潔を保ちやすいまたは汚れたら取り換えられる物が良いでしょう。

産箱以外で用意するもの

  • 清潔なタオル、ペットシーツ
  • 清潔なハサミ
  • 丈夫な木綿糸
  • お湯 など

出産の際、血液や羊水で出産場所が汚れてしまうので、交換できるように替えのタオルや毛布が必要です。

猫の出産は基本的に母猫に任せておいて大丈夫ですが、母猫が出産に疲れてしまったり体調を崩したり慣れない出産にとまどったりして、産まれたばかりの子猫のケアができないときのために上記の物を用意しておきましょう。ハサミや木綿糸は、子猫のへその緒を母猫の代わりに切ってあげる場合に必要です。

すぐに連絡がとれる獣医師を探しておく

猫の出産はほとんどの場合は母猫に任せておいてもいいのですが、もしものときのためにすぐに連絡が取れる動物病院が必要です。猫の出産の時間帯が夜間となる場合があるので夜間受診できる動物病院、かかりつけの動物病院や夜間病院が休診日でも対応できる救急病院も探しておきましょう。事前に相談しておくと、いざと言う時に受診がスムーズになるでしょう。

猫が妊娠していることがわかったら(交配から30日後くらい)、動物病院を受診しておくと安心です。お腹の中に子猫が何匹いるのかを検査をして確かめておきます。また、妊娠中の注意点、母猫の変化や出産の兆候、出産の準備について教えてもらいましょう。そして準備が間に合わなかった、ということがないように、上記の準備は早めに済ませておきましょう。

猫が出産する場所、産箱の作り方

出産後にケージの中にいる猫の親子

出産場所を囲うような産箱を用意する

猫が自分で出産場所を探す場合、人目につかない場所、静かな場所、薄暗く乾燥した場所を探すようですので、飼い主さんが出産場所を用意してあげる場合にもそのような場所が良いでしょう。清潔な場所であれば、乾燥具合は気にしなくても良いと思います。

ダンボールや木箱、ペット用のサークルなどを利用したり、仕切りを使って囲ったりして場所を用意しましょう。産箱の中には毛布やタオルなど柔らかい素材のものを敷きます。中の様子は見やすい方が安全に管理しやすいのですが、母猫に安心して出産育児をしてもらうためには、ある程度隠れられるようになっていると良いでしょう。母猫の性格や様子に応じたものを用意してあげて下さい。

出産場所の温度

夏場はエアコンの冷風が産箱に流れ込まないようにして、設定温度があまり低くならないようにします。室温が人間にはちょうど良くても子猫にとって暖かい場所となるよう、タオル類を多めに入れてあげましょう。冬はペット用ホットカーペットや、タオルで包んだ湯たんぽなどを使って暖かく過ごせるようにしましょう。

猫が出産するときの流れ

横になっている出産直前の猫

陣痛が始まるまで

猫の平均的な妊娠期間は約63日で、出産数日前になると、攻撃的になる子もいたり逆により人懐こくなる子もいたり、普段とは違った行動を見せるようになります。また、ソワソワと落ち着きなく歩き回るようになります。

出産経験のある猫は、出産が近づくと軽い出血をする「おしるし」が見られる場合があるようです。また、床を掘るような行動をして出産場所を作る「営巣行動」を始めるようにもなります。出産直前(約24時間前)になると、妊娠末期に増えていた食欲が急激に落ちることが多いようです。猫の出産は、陣痛期、開口期、産出期、後産期の4つに分けられ、子猫が生まれるごとに繰り返されます。

陣痛期

陣痛が始まると、苦しそうに息をする、股をグルーミングする、営巣行動、歩き回るなどの行動や、腹筋が動く様子が見られます。飼い主さんが産箱など出産場所を用意しても、出産直前に場所を移動してしまうこともあるようです。陣痛の長さは30秒もかからない場合から1時間半にも及ぶ場合と、色々なようです。

開口期

子猫が産道をおりてきて、膣の出口近くでいったん止まります。子猫を包んでいる羊膜がお腹の中で破れ羊水が出てくることもありますし、母猫がなめることによって羊膜が破れることもあります。

産出期

膣口にとどまっていた子猫が産まれます。多くの場合は15~30分間隔で次の子猫が産まれ、1~2時間ですべての子猫が誕生します。しかし、次の子猫が産まれるまでに1時間近くかかる場合もあるようです。

子猫が産まれると母猫は子猫をなめて羊膜をとったり、呼吸を促したりします。人間が手を貸してあげると、母猫が子猫のお世話をしなくなってしまうことがあるので、基本的にはすべて母猫に任せて良いのですが、へその緒を切らない、羊膜を破らないなどのときは飼い主さんのサポートが必要です。

母猫は出産が終わるまで、同じ場所で何度も姿勢を変えます。先に生まれた子猫が母猫につぶされないように見ていてあげましょう。子猫が母乳を飲んでいるのかもチェックしましょう。必要であれば、母乳が出ている乳首がどれなのかを確認し、そこに子猫を吸い付かせてあげましょう。

陣痛が始まっている様子がみられるのになかなか出産しない場合は動物病院に連絡をしましょう。目安は破水してから2時間以上経っても子猫が産まれない場合、次の子猫が産まれるまでに4時間以上かかっている場合です。

後産期

後産期になると子宮にある胎盤を排出します。胎盤は、栄養補給と巣をきれいに保つために、母猫が食べてしまいます。子猫や胎盤がお腹に残ったままになっていないか、子猫の数と胎盤の数が一致しているかどうか確認しましょう。

子猫と胎盤の数が合わない場合は動物病院に連絡をしましょう。また、出産後の母猫の出血や発熱など体調の変化がないか様子を見てあげましょう。

まとめ

丸い猫ベッドにいる母猫と子猫たち

猫は出産が迫ると、出産場所を探すようになります。飼い主さんは、猫の妊娠が確定したら柔らかいタオルや毛布を敷いた産箱を用意してあげましょう。人目につかない薄暗く静かな場所に囲うようにして産箱を設置します。ただ、出産直前で母猫が産箱以外の場所へ移動してしまうこともあるようです。

猫の出産は、陣痛期、開口期、産出期、後産期に分けられます。出産場所や必要な物を用意する以外は母猫にすべて任せ、もしものときは飼い主さんがサポートするという流れになります。

飼い猫の初めての出産は飼い主さんも不安になると思います。動物病院を受診した際に猫の出産について教えてもらったり、猫の出産を経験したことがある方に相談をしたりして、猫のサポートをしてあげましょう。

監修獣医師による補足

出産が始まると同時に子育てのサポートも始まります。保温や母乳をちゃんと飲めているかなど、飼い主さんが確認しなければならないこと、母猫だけでは出来ない場合には飼い主さんが手伝わなければいけないこともたくさん出てきますので、出産前からきちんと準備をし、出産と子育てをサポートしてあげて下さい。

獣医師:木下明紀子

スポンサーリンク