猫に人間用の目薬を使える?目の病気と差し方まで

猫に人間用の目薬を使える?目の病気と差し方まで

猫の目に炎症が起きている場合、人間用の目薬は使えるのでしょうか。人間と猫、同じ症状であれば人間用でも効果がある様に感じるかもしれませんが、人間用の目薬は猫に使えないのです。その理由や、目薬を使い治療を行う病気の症状や原因をご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫に人間用の目薬を使える?

たくさんの種類の目薬

猫に人間用の目薬は?

猫に人間用の目薬は使えません。動物用の目薬と、人間用の目薬で同じ成分が使われていることもありますが、動物用目薬と人間用目薬では含まれる成分の量が違うからです。

人間用の目薬の中には猫の眼に合わず、炎症が起きたり、最悪の場合には失明にもつながったりしてしまいます。

目やにが多い、目が赤いなど、いつもと違うと感じたときは動物病院で診察をしてもらい、症状にあった種類の目薬を処方してもらうのが一番です。人間用を勝手に使用してはいけません。

猫用の市販の目薬はどこで売ってる?

人間用の目薬のように、猫に使える動物用の目薬は市販されています。動物用の目薬を売っているところは、ペット用品のお店や、人間用の目薬と同じようにドラッグストアです。人間用を購入するときと同じように、目薬の効能効果を確認して使用しましょう。

猫に目薬を使う病気

病院で目薬をさされている子猫

結膜炎

ウイルス感染による猫風邪、基礎疾患、目に入ったゴミなどが原因で、結膜に炎症が起きる病気です。目のかゆみ、腫れ、充血、涙や瞬きが多くなる、目を気にしているなどの症状が現れます。原因となっている猫風邪や他の病気の治療、目薬による治療、目の洗浄が行われます。

人間用の抗菌目薬は使用せず、動物病院を受診の上、猫の症状にあった目薬を処方してもらいましょう。

角膜炎

角膜炎の子猫

目にゴミが入る、目をこする、ケンカなどで角膜に傷ができる、ウイルス感染による猫風邪、ドライアイが原因で起きる炎症です。べたべたした目やにが出る、瞬きや涙が多くなる、まぶしそうにする、目を気にしている、角膜が白く濁るなどの症状がみられます。消炎剤や抗生物質の目薬(点眼薬、眼軟膏)による治療、猫風邪の治療が行われます。重症になると、外科手術が必要になります。

緑内障

眼球の圧が高くなり、視力に影響が出たり痛みがあったりします。遺伝によるものや、他の目の病気の影響が原因となっていることが多く、高齢猫での発症が多いです。目が大きく見える、痛みがあり目をパチパチさせている、目を気にしてこする、 充血、角膜が濁るなどの症状があらわれます。眼圧を下げる目薬や、内服薬による治療が行われます。

眼瞼炎

眼瞼炎の猫

眼瞼(まぶた)の炎症です。
細菌や真菌、ダニによる皮膚病が原因だったり、アレルギーや他の目の病気が原因だったりします。ケンカや目をこすってできた傷が原因となることもあります。症状は、目のまわりが赤く腫れる、目のまわりの毛が抜ける、瞬きや涙が多くなる、かゆみ、膿が出るなどです。抗菌目薬(点眼薬、眼軟膏)を使って治療します。細菌、真菌、ダニが原因の場合は、抗生物質や抗真菌薬、駆虫薬を使って治療をします。

人間用の抗菌目薬というものがありますが自己判断で使用せず、猫が眼瞼炎になった原因に合わせた治療を受けましょう。

歯周病

猫の歯についた歯垢が歯石となり、歯肉に炎症が起こります。炎症が進むと、歯を支える部分にまで影響し、歯が抜けてしまうこともあります。

また、歯周病は歯だけではなく全身に悪影響を与える病気で、骨を溶かし目にも症状が出ることがあるのです。目やにや、涙目、充血なども歯周病が原因となっている可能性があります。歯周病の治療と、目の症状に合わせて目薬が処方されることがあります。

猫に目薬をさす方法

獣医師に目薬をさされる茶トラ猫

1.体を押さえる

猫に目薬をさすときは、できれば2人で行った方が安心です。猫の体を押さえ、頭を上向きにします。

2.目薬をさす

飼い主に目薬をさされているハチワレ猫

猫の上まぶたを上に引くようにして目を開けます。目薬の容器が猫の視界に入らないように、少し後ろから目薬をさします。目を閉じ、かるくもみ、コットンなどで目のまわりを優しく拭きます。

眼軟膏は目尻の縁に入れ、目を閉じてしばらくなじませます。人間用の目薬と同じように、目薬の容器の先端が目に触れないようにしましょう。

まとめ

鳴く子猫

もしも、猫の目に異変が起きても、人間用の市販の目薬は使わずに動物病院を受診する、もしくは、市販されている動物用の目薬を使用しましょう。

目薬で治療する病気は、傷やウイルス感染や細菌感染などによるものが多いですが、歯周病の様に直接関係がないような病気が原因となることもあります。治療が遅れると慢性化してしまうこともあるので、異変に気がついたら早めに受診した方が安心でしょう。

処方された目薬は猫が嫌がってしまうこともありますので、なるべく容器を見せないようにして使用するのがポイントです。

投稿者

30代 女性 しおり

我が家の猫ちゃんが、結膜炎をおこしてしまったことがありました。
涙がだらだら出ました。悪い病気かと思いましたが、獣医師に診ていただくと、結膜炎だということがわかりました。抗生物質の目薬を1日4回さすように指導してくださいました。手を後ろに回し、優しく声をかけながら 上を向かせて目薬を素早く滴下します。二人で協力してやるのが一番早く終わるかと思います。恐怖心を与えないようにしてあげることが大切ですね。
目薬をするのがどうしても難しい場合は、獣医師に相談しましょう。

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