猫のおしっこがでない原因4つ!危険な症状や適切な対処法とは

猫のおしっこがでない原因4つ!危険な症状や適切な対処法とは

猫のおしっこが出ないときは、なんらかの病気の可能性が否定できません。この記事では、猫のおしっこが出ない原因やその場合の対処、注意するべきポイントなどについて詳しく説明します。

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猫のおしっこがでない原因は?

トイレから出ようとする猫

猫のおしっこが出ないときには、いくつかの原因が考えられます。

  • トイレや生活環境に対するストレス
  • おしっこの通り道が詰まっている
  • 膀胱が空っぽになっている

ストレスが原因の場合は、家庭内の環境を整えれば改善できる可能性もあります。しかし、おしっこの通り道の詰まりや膀胱が空になっている場合は動物病院での治療が必要になるケースがほとんどです。

では、具体的にはそれぞれどのような症状や様子がみられるのでしょうか。詳しく解説していきます。

トイレや生活環境にストレスを感じて我慢している

猫はとても繊細な生き物です。飼い主にとっては些細なことでも強いストレスを感じてしまい、そのせいでおしっこを我慢してしまうことがあります。

たとえば、トイレが汚れたままになっていると、猫はそのトイレを使いたがりません。また、トイレ本体や猫砂を別のものに変えたときにも好みに合わなければやはり使おうとしません。

そういった場合、ほかにトイレがあればそちらを使いますが、なければ我慢してしまうことがあります。

そのほか、引っ越しや大掛かりな模様替えをした、近隣ではじまった工事の音がうるさいなどもおしっこを我慢する原因になります。

また、見慣れない来客や知らない猫も臆病な猫にとってはストレス要因です。安全な場所に身を潜めているあいだはおしっこも我慢します。

膀胱の中におしっこがなく空っぽになっている

なんらかの病気が原因でおしっこが出なくなることがあります。たとえば、膀胱炎になると頻尿の症状があらわれます。頻尿は1日に出るおしっこの総量は変わらないのに頻繁に排泄する現象です。

少ししかおしっこが溜まっていないうちに排泄するせいで1回あたりのおしっこの量が少なくなります。場合によっては、膀胱が空っぽなのに尿意だけはある状態になったりもします。トイレに行ったのにおしっこが出ていないのは、これが原因かもしれません。

ちなみに、オスよりもメスのほうが膀胱からのおしっこの通り道である尿道が短いため、膀胱炎になりやすいと言われています。また、おしっこが作られないために膀胱が空っぽになってしまう場合もありますが、こちらについては後述します。

体内でおしっこの通り道が閉塞している

おしっこが出ない原因としては尿道閉塞も考えられます。尿道閉塞とは尿道が、なんらかの原因でふさがってしまった状態を言います。

結石や尿道栓子(血液や結石の成分などが固まったもの)が尿道に詰まる、あるいは前立腺肥大や腫瘍などで尿道が圧迫されるなどして、おしっこが出にくくなったり、まったく出なくなったりするのです。

この場合、頻繁にトイレに行くのにおしっこが少ししか出ない、あるいはまったく出ない、おしっこをする態勢をとっているのに出ないといった症状、行動が見られます。

尿道閉塞を起こすと、腎臓で作られたおしっこの行き場がなくなり、急性腎不全や尿毒症になる危険性があります。放置すると数日で死に至ることもあるため、夜間や休日であっても診察してくれる動物病院を探して連れていってください。

なお、メスの尿道はまっすぐで太くて短いのに対し、オスの尿道は細いうえにカーブしていて長さもあり、しかも先端がさらに細くなっているために閉塞が起こりやすい傾向があります。

体内でおしっこが作られていない

おしっこが出ない原因として、そもそもおしっこが作られていない、というのもあります。考えられる原因はおもに2つ。

ひとつは、脱水やショック、心臓病などで腎臓に流れる血液の量が減ることです。腎臓は血液中のあまった塩分やミネラル類、体の各部から運ばれてきた老廃物などと体の中に残すものを分別し、不要なものをおしっことして膀胱に送る器官です。

そのため、腎臓に流れる血液の量が減るとおしっこが作られなくなってしまうのです。この場合は腎臓の機能には問題がないため、早い段階で適切な治療を受けられればもとにもどる可能性があります。

もうひとつは腎不全。腎臓の機能が悪くなった結果、おしっこが作れない状態になっているのかもしれません。急性腎不全では、症状が軽いと嘔吐や元気の消失などが見られます。

さらに、痙攣などの神経系の症状があらわれることもあります。こちらの場合は、一刻も早く治療を開始しなければいけません。大急ぎで受診してください。

なお、猫にとっては死につながるユリ中毒も急性腎不全を引き起こす要因として知られています。また、慢性腎不全の末期でもおしっこが作られなくなる無尿が起こります。

猫のおしっこがでない時に見られる症状

粗相する猫

おしっこが出ないときには、次のような症状や行動が見られます。

  • 何度もトイレに行く(頻尿)
  • 排尿姿勢をとるがなにも出ない
  • トイレ以外でおしっこをする
  • 長時間トイレにこもってじっとしている
  • 陰部を執拗になめる
  • 食欲がなくなる
  • 元気がない
  • 排尿時に痛そうに鳴く

こういった症状や行動が見られるのであれば、おしっこに関してなんらかのトラブルが起きている可能性があります。普段よりもトイレに行く回数が多い、そのわりに出ているおしっこの量が少ない、いつもと違う鳴き方をしているなどに気づいたらぜひ動物病院を受診してください。

猫のおしっこがでない時の対処法

医者と猫

おしっこが出ない原因によって、またあらわれている症状や行動などによって、どんなふうに対処すればいいかは違ってきます。

まったく出ていないときは急を要する場合がありますし、尿道閉塞などでおしっこが出せない場合や腎臓などに問題があっておしっこが作られない場合も時間勝負となります。

また、少しは出ている場合にも、血尿や膿の混じった尿などが見られるのであればやはり受診が必要です。ここでは、動物病院に行く前にどんな準備や対応をしておくべきなのかを知っておきましょう。

まったくおしっこがでていない時は急いで受診する

24時間以上まったくおしっこが出ない状況がつづいているなら、なんらかの異常が起きていると考えます。膀胱におしっこがたまっているのに出せていない場合は、尿毒症や膀胱破裂の危険性があります。

また、おしっこが作られない状態がつづいている場合は腎不全や循環不全、ショック、脱水などが考えられます。

尿毒症は体の外に出すはずの毒素によって起きる危険な自家中毒ですし、膀胱の破裂も放置すれば死に至ります。腎臓や心臓に問題がある場合もやはり命の危険があります。いずれにしてもできるだけ早く治療を開始する必要があるのです。

愛猫のおしっこがまったく出ていないことに気づいたら、早急に動物病院を受診してください。対処に迷ったときも安易に自己判断せずに、獣医師に相談しましょう。

猫のおしっこの状態がわかるよう撮影・採尿しておく

気になる症状や行動が見られるときは、状況がわかる写真や動画を撮っておくことをおすすめします。受診の際に獣医師に言葉で説明するよりも実際の様子を見せたほうが簡単ですし、獣医師にとっても症状を正確に把握する助けになります。

多少でもおしっこが出ている場合は写真や動画を撮るほか、可能であれば採尿しておきましょう。尿の成分、毒素や細菌の有無などがわかればおしっこが出ない原因がなんなのか、また病気であれば症状の度合いなどが判断できます。

採尿するには動物病院などで手に入るウロ・キャッチャーなどの採尿用ツールを使う方法のほか、システムトイレのトレイにためる方法などがあります。

自分でうまく採尿できない場合は動物病院で採ってもらうこともできますので無理をする必要はありません。

猫の症状や排泄状況に関する情報を整理しておく

写真や動画の撮影、採尿のほか、排尿時(出ないときも含めて)の猫の様子や行動などについて記録しておくのも大切です。トイレに入った日時、入っていた時間の長さ、おしっこの量や状態(色やにおいなど)、排泄中やその前後の様子をメモしておきます。

おしっこが出ない場合も、最後に排泄した日時(正確でなくてもかまいません)やそのときのおしっこの量などがわかるようにしておきましょう。

獣医師に伝えられる情報は多くて困ることはありません。飼い主さんからの情報のおかげで適切な対処や治療ができた例もあるのです。

猫のおしっこがでていないと気づいた時の注意点

猫のトイレを掃除する人と猫

愛猫のおしっこが出ていないことに気づいたときに、とくに注意したいことは次の2つです。

  • 無理に排尿させない
  • 本当に出ていないか確認する

お腹を圧迫して排尿させる方法がありますが、状況によっては大変危険ですので絶対にやってはいけません。そして、よくありがちなのが、おしっこが出ていないと思ったらトイレ以外で排泄していたということ。

本当におしっこが出ていないのか注意深く確認する必要があります。愛猫の命と健康を守るために飼い主としてなにをするべきか、そしてなにをしてはいけないのかをしっかりと把握しておきましょう。

お腹のマッサージなどで無理に排尿させない

高齢のペットが自力で排尿するのが困難なときに、体の外側から膀胱に圧を加えて排尿させることがあります。しかし、この圧迫排尿は尿路に問題がないことが前提です。

万が一、尿道が詰まっていて排尿できない場合、圧迫することで膀胱が破裂するかもしれません。そうなると、必然的に緊急の開腹手術が必要となります。

破れた部分を縫合するだけですめばよいのですが、膀胱が受けたダメージが大きいと修復がむずかしくなります。また、破裂が避けられたとしても、膀胱内のおしっこが腎臓に逆流して炎症を起こす可能性もあります。

どちらにしても、飼い主さんの判断で圧迫排尿をおこなうのは危険が大きすぎます。絶対に避けるべきです。

猫がトイレ以外で隠れて排尿していないか確認する

意外に見落としがちなのが、実はトイレ以外の場所でこっそりすませている可能性です。猫はトイレ環境が気に入らないと、トイレではない場所でおしっこをすることがあるので油断ができません。

たとえば、トイレの置き場所を変えた、トイレ本体や猫砂をそれまでと違うものに変えた、などが引き金になりえます。また、近所ではじまった工事の音が伝わってくるといった理由からトイレを使わなくなることもあります。

その場合、トイレを使っていないだけでちゃんとおしっこは出しているので、体調にはほとんど影響は見られません。元気に遊ぶし食欲も普段どおり、というのであれば、トイレ以外のどこかでおしっこをしている可能性が高いです。落ち着いて家の中を探してみてください。

もし、トイレ以外でおしっこをしているのが見つかったなら、そしてトイレ環境の変化が引き金になっているのであれば、それまでのトイレ環境にもどすことで問題が解決するかもしれません。

まとめ

排泄する猫

おしっこには体の中で不要になった老廃物や尿素などの毒素が含まれています。言わば液状のゴミです。そのため、体の外に出せないと健康上問題になることがあるのです。

猫のおしっこが出ないときには、病気が原因の場合もありますが、ストレスなどが理由でおしっこをしなくなり、健康を害することもあります。

ですから、飼い主としては愛猫のおしっこがきちんと出ているかどうかを日頃から観察し把握しておくようにしましょう。トイレに行く頻度や、1回に排出するおしっこの量、色やにおい、さらには排泄時の行動など、ある程度把握しておくだけでもいざというときに助けになるはずです。

愛猫の命と健康のためにも、おしっこチェックを習慣にしてみてはいかがでしょうか。