猫は小麦粉を食べても大丈夫
猫にとって小麦粉は毒ではない
私たち人間の身近な食材である小麦粉は、猫にとっても毒ではありません。小麦自体がキャットフードの原材料にもなっているほどです。また、パンやドーナツ、パスタなど、小麦粉を使った食べ物が好きな猫もいます。飼い主さんが小麦粉を使った食べ物を食べているのを発見すると、おねだりしてくる猫もいるようです。
小麦粉は猫の健康には良くない
小麦粉は猫にとって毒ではありませんが、健康に良くない面もあります。それは小麦粉のアレルギーです。すべての猫が小麦粉のアレルギーを起こすわけではありませんが、小麦粉が使われた物を食べると、下痢、嘔吐、お腹の張り、皮膚のかゆみ、発熱、だるさ、脱毛、毛並みが悪くなるなどの症状があらわれることがあるのです。
そのため小麦が使われたキャットフードによって体調不良となる猫もいます。猫は本来肉食で、穀物の消化は不得意と言われており、そのため小麦粉に含まれるグルテンという成分を十分に消化できずアレルギーになると考えられているのです。また、小麦粉のアレルギーではないにしても、消化不良を起こし下痢や嘔吐をしてしまう、小麦粉を使った食べ物を食べ続けることで肥満につながるなど、小麦粉の多給は猫の健康に良いとは言えません。
猫に小麦粉製品を与えるときは注意
パン
パンが好きで飼い主さんにおねだりする猫がいますが、小麦粉のアレルギーが疑われる場合は与えないようにしましょう。また、パンはバター、牛乳、食塩、砂糖などが使われています。一口程度なら問題はなくても、量を多く継続して与えないようにしましょう。特に菓子パンや総菜パンには、チョコレート、レーズン、玉ねぎなど小麦粉以外に猫に危険な食材が使われていることがあるため注意が必要です。飼い主さんがいない間に猫がこっそりパンを食べることがないように管理には注意しましょう。
どうしても欲しがる猫には、犬猫用に作られた食塩や保存料が含まれないパンをおすすめします。
うどん
小麦粉のアレルギーが疑われる場合は与えないようにしましょう。加熱調理されていない小麦粉を食べると消化不良になるので、猫にうどんを与えるときは柔らかくゆでて、細かくして少量与えましょう。人間用に調理したうどんは塩分が多く含まれるので猫には与えないようにします。また、うどんの麺にも食塩が含まれているため注意が必要です。栄養やカロリーを考慮して、ごはんのトッピングやおやつ程度にしておくことをおすすめします。
パスタ
パスタをよく食べる国では、猫のごはんとしてパスタを与えているそうですが、パスタの場合も小麦粉アレルギーの可能性がある猫には与えないようにしましょう。また、人間用に味付けされたパスタは塩分が多いため猫に与えるのは控えた方がいいです。特に、玉ねぎやニンニクが使われているものは、玉ねぎ中毒を起こす可能性があるので、猫が口にしないようにしましょう。
猫に小麦粉を食用以外で使う方法
小麦粉を止血に使う
猫の爪を切りすぎてしまったときに、小麦粉を止血剤として利用することができます。猫の爪を切りすぎて出血した場合は、清潔なガーゼや脱脂綿などを当てて2分ほど圧迫します。これでも出血が止まらない場合、犬猫用の止血剤を使用しますが、止血剤がない場合は小麦粉を爪に当てて圧迫します。出血が止まったら、小麦粉を洗い流して完了です。猫が歩きづらそうにしているなどチェックを行い、異変があったら動物病院を受診しましょう。
とりもちにかかったときの応急処置
ネズミ対策として設置された「とりもち」に猫がかかってしまった場合に小麦粉が役立ちます。小麦粉をかけて、あちこちにくっつくのを防ぐことができるんです。小麦粉をかけるのは応急処置です。その後は、食用油をなじませてべたべたを取り、中性洗剤で洗い、最後に猫用シャンプーをしましょう。毛に付着したべたべたは一度に全部落ちないこともあります。何度もシャンプーをするのは、猫の体力を奪ってしまうので、ある程度のところでやめましょう。猫の被毛についたべたべたが気になる場所は、被毛ごと丁寧にカットしてください。
まとめ
小麦粉は猫にとって毒ではありません。しかし、小麦粉のアレルギー、消化不良、肥満などが心配される食べ物です。小麦粉で作られた食べ物が大好きという猫もいますが、アレルギーの症状がない場合でも、多量に日常的に与えるのは控えた方がいいでしょう。また、人間用のパン、うどん、パスタは塩分が多いことや、チョコレートや玉ねぎなど猫にとって危険な食材が使われている場合もあるので、十分注意が必要です。猫が小麦粉を使った食べ物を食べたときは、体調に変化がないか観察をして、異変が起きたらすぐに動物病院を受診してください。食べる以外に、小麦粉は猫の爪切りのときの止血剤となったり、とりもちにかかった時の応急処置に役立ったりします。いざという時のために覚えておきたいですね。