猫に麹は大丈夫?
麹を大量に与えなければOK
麹には炭水化物が多く含まれており猫ちゃんは消化しにくいため大量に与えてしまうと消化不良をおこします。そのため負担がかからない程度の量であれば使用しても支障はありません。
消化器症状が出やすい猫には与えない方が良い
猫ちゃんの中には元々胃腸の働きが弱い体質の子や消化能力が低い子がいます。そのような猫ちゃんは普段の食事でも消化不良などの症状をおこし慢性化しやすいため消化に負担がかかる麹は与えない方が良いです。
猫は麹の消化・吸収能力が低い
猫ちゃんは肉食動物で鳥やネズミなどの小動物を狩り食べて栄養を得ていました。肉には豊富なタンパク質が多く含まれていますが炭水化物はわずかしかありません。
ネズミから得た場合でも5割以上がタンパク質に対し炭水化物は1割にも満たない程とても少ないため猫ちゃんはタンパク質を分解する事ができるが炭水化物は消化・吸収する能力が低いのです。
そのため炭水化物を多く摂取してしまうと高血糖になったり嘔吐や下痢などの消化器症状を引き起こし必要な栄養素も消化を妨げてしまうため手作り食で麹を使う場合は少量にしておくことが必要です。
麹にはどんな効果があるの?
麹は蒸した状態の米や麦に麹菌を加えたものです。麹にはたくさんの酵素が含まれており食べ物の分解や消化吸収を手助けしてくれたり、免疫力をアップさせ老化を防いでくれます。そのため麹に含まれている酵素もいくつか体をサポートしてくれる働きがあります。
栄養素を分解してくれる
食べ物から得た栄養素を消化しやすいように分解を促進してくれるため胃腸や消化する力が弱い子でも体に大きく負担がかかりません。
消化・吸収の手助け
炭水化物は最小単位のブドウ糖(単糖類)しか吸収されないためデンプンなどの多糖類は分解しなければいけません。麹に含まれている消化酵素がデンプンの分解を促進させてくれます。
腸内環境を良くしてくれる
麹には食物繊維が入っており、また酵素からオリゴ糖がつくられます。これにより善玉菌の数を増やしてくれる働きがあります。
また麹菌からタンパク質分解酵素である酸性プロテアノーぜが含まれており体内のビフィズス菌を増やしてくれます。ビフィズス菌は体内の悪玉菌の数を減らしてくれるため腸内環境を整えてくれるので栄養素を効率よく消化・吸収してくれます。
ビタミンB群が豊富
麹菌が代謝する時にビタミンB群(ビタミンB1、B2、B、ナイアシン、パントテン酸、ビオチンなど)がつくられます。ビタミンB群には肌の代謝を良くしたり免疫力の上昇、血行を促進し貧血予防など様々な効果があり生きるために必要不可欠な栄養素の一つです。
麹を使った甘酒は猫に与えていい?
麹を使った甘酒は猫にも効果がある
米麹に水を加えて発酵させた甘酒ならアルコール度が0%なため猫ちゃんでも飲むことをが可能で体に良い効果をもたらしてくれます。
甘酒には多くの糖分であるブドウ糖が含まれています。ブドウ糖は糖類の最小単位であり脳や体全身に送りエネルギー源として活性化してくれます。そのため疲労回復や体温上昇など生きるうえで重要な栄養素なのです。
またビタミンB群も豊富にあり糖質や脂質、タンパク質の代謝を促進させたり皮膚や粘膜の保護、赤血球を造血作用で貧血予防などの効果があります。他にも必須アミノ酸や食物繊維、ミネラルなどの成分も含まれています。
猫に麹を使った甘酒を与える注意
しかし必須アミノ酸の中に猫ちゃんの場合は「タウリン」が必要で甘酒には含まれておりません。タウリンが不足してしまうと目の網膜が萎縮し視力障害や心筋症をひきおこしてしまうため、あくまでも甘酒は補助的な役割としてほんの数量に抑えておくことが大事です。
まとめ
麹には消化や吸収をサポートしてくれたり善玉菌の数を増やしてくれるなど様々な働きがあり健康に良い食品です。
また麹を使った甘酒も糖分やビタミン、食物繊維などが豊富にありますが炭水化物が多いため消化能力が低い猫ちゃんにとっては体に負担がかかってしまったり、必須アミノ酸であるタウリンが含まれていないのでご飯を作る際はほんの少量に抑えることが大事です。
また甘酒には肥満予防や血圧上昇を防いでくれる効果があるので毎日ご飯に加えたり、病気や高齢で食欲が低下している場合に栄養補給としてあげるのも良いでしょう。