猫はバターを食べても大丈夫?
猫がバターを食べるのは「少量であれば問題ないが与えない方がいい」と言えます。
バターにはビタミンAやビタミンEなど健康にメリットとなる成分も含まれていますが、主成分は牛乳の脂肪分です。「日常的に食べる」「多量に食べる」ことは健康に悪影響となることがあります。特に多量に食べてしまった時は、動物病院に相談をした方がいいでしょう。
猫にマーガリンは与えても大丈夫?
また、マーガリンもバターと同じく与える必要はないと言えます。マーガリンは植物油脂が原料で、カロリーや塩分などはバターと大きく変わりません。
最近ではマーガリンに含まれるトランス脂肪酸が健康に悪影響と指摘されています。トランス脂肪酸の含有量が少ないマーガリンもありますが、食べさせる必要はないでしょう。
猫にバターを食べさせる時の注意点
バターが好きな猫は多く、飼い主さんがトーストに塗ったバターのニオイを嗅ぎつけて欲しがることもあります。しかし、バターを猫に与えることにはデメリットがあることを覚えておきましょう。
バターの乳製品アレルギー、乳糖不耐症
猫にバターの原料である乳製品アレルギーがあると、皮膚の炎症や発熱、下痢、嘔吐といった症状があらわれます。
また、猫はバターの原料である牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素「ラクターゼ」が少なく、乳製品を摂取することで下痢などを起こしてしまうことも注意点の一つです。
バターに含まれる乳糖は牛乳よりも少ないですが、乳糖を分解できるかどうかは個体差があるため、バターを食べても平気な猫もいれば、お腹を壊してしまう猫もいます。
バターの脂質
バターの80パーセント以上は脂質です。日常的に食べさせていると肥満になる可能性があります。肥満は様々な病気になるリスクがあり、バターなど脂質が多い食事を続けることは膵炎のリスクもあります。
バターの塩分
一般的なバターの塩分は約1.5%です。猫が1日に摂取する塩分を食塩に換算すると3gが上限と言われていて、たとえばバターを約200g食べると食塩3g摂取したことになります。
さすがに一度にそれだけのバターを食べることはないと思いますが、キャットフードにも塩分が含まれているので、過剰摂取とならないようにしなければなりません。
パンに塗られたバターを猫が舐めたら
ちなみに、食パンなど、パンに塗るバターは8g~10gほどで、約0.1gの食塩が含まれていることになります。パンに塗られたバターを舐める程度であればそれほど心配する必要はないでしょう。
しかし、これは健康な猫に言えることです。特に腎臓病など病気を患っている場合は体に負担がかかるので、与えないことが一番といえます。
猫にバターを与える効果
猫にバターは与えない方がいいのですが、使い方によってはメリットもあります。使用するバターは、有塩バターよりも無塩バターをおすすめします。しかしバターだけでは効果が期待できないケースもありますので、合わせて紹介します。
バターを使って薬を飲ませる
猫によっては薬を飲まされることに抵抗したり、警戒してしまうことがあります。そんなときにバターを使って味やニオイを隠す方法があります。
例えば粉薬の場合、バターをティースプーン1杯程度と混ぜて、猫の鼻先につけたり、体につけたりして舐めさせるのです。錠剤の場合、バターの中に入れて食べさせます。ただし、薬によっては味やニオイが隠れないこともあります。
食欲がないときバターを使う
老猫や病気などで食欲がなく痩せてきている場合、バターを与えて食欲を刺激することが期待できます。
バターなど人間が食べるものは基本的に猫に与えるのは良くないのですが、猫の体調によっては「猫用の食べ物にこだわらず食べることを優先する」というケースもあるのです。
もちろん、猫が抱えている病気によって変わるので獣医師に相談する必要があります。あくまでもキャットフードを最優先にあげるようにしてください。
バターは便秘にはあまり期待できない
猫は便秘になりやすい動物です。便秘解消には繊維が多いフード、水分、運動、マッサージなどが有効ですが、「オイル」の摂取も有効と言われています。脂肪酸の一種のオレイン酸が、小腸で吸収されず大腸まで届くこと、潤滑剤として働くこと、便を柔らかくすることが便秘解消の理由のようです。
しかし、バターに含まれるオレイン酸はそれほど多くないので、バターを摂取したからといって便秘解消の効果は期待できないかもしれません。
便秘の原因は様々で、原因に合った対処法が必要です。便秘がひどくなると外科手術が必要になることもあるので、動物病院に相談をすることをおすすめします。
まとめ
バターは身近な食べ物であること、飼い主さんが食べているのを見て猫が欲しがることがあります。バターが好きという猫も多く、少量を舐める程度ならそれほど心配はいりません。ですが、乳製品、脂質、塩分ということから考えると、与えるのは控えた方がいい食品です。
しかし、猫にストレスを与えずに薬を飲ませたり、食事をとらせたりと、使い方によっては有効となることもあります。そういった理由でバターを使う場合は、猫の体に負担がかからないか、適切な量はどれくらいかなどを獣医師に相談した方が安心です。
薬の吸収を邪魔する可能性もありますので、基本的にバターなどを使って投薬するなどはしないほうがよいでしょう。