猫にとってケチャップは危険な調味料
結論からいうと、猫にケチャップをなめさせるのは危険です。その理由にはケチャップの材料にあります。
ケチャップの材料を見てみましょう。
- トマト
- 砂糖
- 食塩
- お酢
- タマネギ
- 香辛料(にんにく、タイム、ローレル)
トマトだけであれば猫の体に害はありませんが、そのほかの材料はどうでしょうか。砂糖、食塩、タマネギ、香辛料などは猫に与えないほうが良いでしょう。猫の健康を害する恐れがあります。
ケチャップは人間にとって食材をおいしくしてくれる調味料ですが、猫に与えると健康に悪影響を及ぼす食品となります。
猫にケチャップをなめさせてはいけない理由
猫にケチャップをなめさせてはいけないのは、高カロリーで塩分も高く、タマネギ中毒になる可能性があるという理由が挙げられます。
タマネギ中毒は命に関わることもあるので注意が必要です。下記で詳しく説明していきます。
砂糖が入っているため高カロリー
ケチャップには砂糖が入っているため猫には高カロリーな食品です。ケチャップの糖質は、ケチャップ100gあたり25.9g。猫がケチャップをなめると肥満や糖尿病になる恐れがあります。
人間にとってはたいした量でなくても、人より体の小さな猫にとっては少量でも過剰摂取となるので注意してください。
猫にとって塩分過多になる
ケチャップには食塩も入っているため猫になめさせると塩分過多になってしまいます。
ケチャップの塩分は100gあたり食塩相当量3. 3gです。ソースや醤油より塩分は低いですが、猫に与えるのは避けたほうが良いでしょう。
猫は塩分を摂りすぎると腎臓病、高血圧などになる恐れがあります。さらに慢性腎臓病を患っている猫がケチャップをなめると、病気を悪化させる危険性もあるので注意が必要です。
タマネギ中毒になる恐れも
前述したようにケチャップの材料にはタマネギが使われています。猫にタマネギを与えてはいけないことをご存知の方は多いのではないでしょうか。
なぜ猫にタマネギを与えてはいけないのかというと、溶血性貧血を引き起こすからです。タマネギに含まれている「アリルプロピルジスルファイド」という成分が原因となります。
タマネギに含まれている「アリルプロピルジスルファイド」という成分が、赤血球に含まれているヘモグロビンを酸化させて、赤血球を壊してしまうのです。この病気は「タマネギ中毒」ともいわれています。
猫がケチャップを舐めても、タマネギをそのまま与えているわけではないから大丈夫と思われるかもしれません。しかしタマネギの成分が含まれた食品はどんなものでもタマネギ中毒になる可能性があります。
とくにケチャップは材料が煮込まれ、成分が凝縮されている食品です。少量でもタマネギ中毒になる可能性があるので注意してください。
猫がケチャップをなめてしまった時の対処法
どんなに猫がケチャップをなめないように気を付けていても、目を離した隙になめてしまった、床にこぼしたケチャップをなめてしまったといった不測の事態も起こるでしょう。
猫がケチャップをなめてしまった場合に出る症状、適切な対処方法を説明していきます。
ケチャップをなめたらどんな症状が出る?
猫がケチャップをなめてしまった場合、以下のような症状が出る可能性があります。
- 下痢
- 嘔吐
- 血尿
- 血便
- 黄疸(白目が黄色くなる、皮膚が黄色くなる)
- ぐったりしている
- 顔色が悪い(歯茎や舌の色が薄くなる)
ケチャップをなめてから、すぐにこのような症状が出るわけではありません。症状が出るのに2~3日かかる場合があるので、猫の体調に変化がないか十分に観察する必要があります。
上記のような症状が見られた場合、タマネギ中毒を起こしている可能性があるので、すぐに動物病院へ連れて行ってください。
少量なめてしまった場合は様子を見る
猫がケチャップをなめてしまった場合、少量であれば緊急性はないので様子を見ましょう。下痢や嘔吐といった体調に異変がなければ問題はありません。
もし、猫に下痢や嘔吐などの異変があったときは、吐いた物や便を持って動物病院へ行ってください。ケチャップをなめたことを獣医師に伝え、適切な処置をしてもらいましょう。
いつ食べたか獣医師に伝えられるようにしておくと、さらに良いです。
大量に摂取した場合はすぐに動物病院へ
猫がケチャップを大量になめてしまったときは、早めの対処が必要です。すぐにかかりつけの動物病院へ連絡して獣医師の指示を仰ぎましょう。
なめた量によっては様子を見ることもあれば、動物病院で吐かせる処置をする場合もあります。
すぐ動物病院へ行くときは、どのくらいの量のケチャップをなめたのかわかるように、なめた量を把握して獣医師に伝えられるようにしましょう。
様子を見るよう言われたときは、猫の体調に変化はないか観察してください。下痢、嘔吐など前述した症状が出た場合には、すぐ動物病院へ行きましょう。
かかりつけの動物病院の休診日や診察時間外に猫がケチャップをなめてしまったときは、夜間対応や救急対応をしてくれる動物病院、近隣の動物病院を探す必要があります。
万が一のときに慌てなくて済むよう、事前に近隣の動物病院や救急病院、夜間対応病院を調べておきましょう。
初心者判断で無理に吐かせない
猫がケチャップをなめてしまったときは、口に指を入れて無理に吐かせる、塩、オキシドールを飲ませるといったことはしないでください。
猫の口に指を無理やり入れると、猫の口腔内を傷つける危険性もあります。さらには、飼い主が噛まれて怪我をする恐れもあるでしょう。愛猫との信頼関係も崩れることになりかねませんので注意してください。
インターネットには塩やオキシドールを飲ませて吐かせる方法が挙げられていますが、これらは初心者判断で行うのはとても危険です。
塩を飲ませて吐かなかった場合、高ナトリウム血症になって命の危険があります。オキシドールは胃の粘膜を傷つけるので飲ませてはいけません。
自宅で吐かせるより動物病院で吐かせる処置をしてもらったほうが安全なので、初心者判断で無理に吐かせようとするのはやめましょう。
ケチャップを使った食事にも注意!
これまで、猫がケチャップを直接なめないように注意が必要と説明してきましたが、ケチャップを使った食事にも注意が必要です。
ケチャップにはタマネギエキスが凝縮されています。ケチャップを少量しか使用していなくても、ケチャップ料理に使われた食材にはタマネギエキスが染み込んでいるのです。猫がケチャップ料理を少量でも口にした場合でも、タマネギ中毒になる恐れがあります。
ケチャップライスやナポリタンなど、おいしそうな匂いに誘われて猫が興味を持つこともあるでしょう。しかし、ケチャップを使った食事は誤食しないように注意してください。
まとめ
人間にとっては食材をおいしくしてくれるケチャップですが、猫にとっては害になります。
猫がケチャップをなめると糖尿病、腎臓病などの原因になるほか、タマネギ中毒にもなる危険性があるのです。ケチャップにはタマネギエキスが凝縮されているため、少量でもタマネギ中毒になる恐れがあります。
猫が誤ってケチャップを大量になめた場合は、すぐ動物病院に連絡しましょう。ケチャップを使用した料理も、猫が食べないように注意してください。
愛猫においしいものを食べさせたいときは、猫の体にいい食材をあげてくださいね。