猫は牡蠣を食べても大丈夫?与える時の注意点や栄養素

猫は牡蠣を食べても大丈夫?与える時の注意点や栄養素

私たち人間が美味しく食べている牡蠣ですが、猫が食べたがったりしたら与えてもいいの?そんな飼い主さんの疑問の解消や牡蠣に含まれる栄養素などをご紹介します。

猫は牡蠣を食べても大丈夫!

牡蠣の画像

私たちが美味しいと食べている牡蠣ですが、実は猫も食べても大丈夫なんです。

「本当に牡蠣なんてあげて大丈夫かな?」と思う飼い主さんも多いでしょう。牡蠣は海のミルクと言われているだけあって、猫の身体や健康にも良い栄養がたくさん含まれています。また、カロリーも低いので与えても太りにくいです。

私たち人間が食べる場合には、お鍋にしたりカキフライで食べたりと様々な調理方法や食べ方があります。ですが、猫にとってはコレステロール値が上がってしまう食べ方もあるので注意が必要です。特にカキフライは、小麦粉やパン粉をたっぷり使っているので、猫に与えるのはやめましょう。

コレステロール値が上がると血液の流れが悪くなったり、腎不全などの病気になりやすくなります。また、高脂血症や動脈硬化になる可能性もあるので注意しましょう。牡蠣をどうやって与えたらいいか迷う場合には、牡蠣のエキスが入った猫のおやつが販売されているので、それを与えてみてもいいかもしれません。

牡蠣を使ったジャーキーや牡蠣エキスなどが入ったちゅーるのおやつが販売されているので、おやつの方が与えやすいかもしれないですね。ジャーキーであれば猫の歯に良いですし、おやつであれば牡蠣の臭いなどもあまり強くないと思いますので、食べやすいと思います。

ですが、おやつだからと言って与えすぎるのは身体によくないです。また、牡蠣自体や牡蠣を使ったおやつを与える際には、与える際の注意点があります。次で詳しく述べますので、注意点を確認していただき、むやみにたくさん与えないようにしましょう。

猫に牡蠣を与えるときの注意点

貝を見つめる猫

猫に牡蠣を与えてもいいといっても、どうやって与えたらいいのかという疑問がある飼い主さんもいると思います。牡蠣は栄養たっぷりですが、アレルギーになったり食中毒などになることもあり、与える際の注意点がいくつかあります。

  • 牡蠣は必ず加熱して与える
  • 甲殻類アレルギーになる可能性がある

牡蠣は必ず加熱して与える

猫に牡蠣を与える場合は、必ず加熱したものを与えてあげましょう。生牡蠣を与えたらどうなってしまうのでしょうか。詳しくご説明します。

生牡蠣には食中毒やノロウイルスにかかる可能性がある

生牡蠣を食べると人間と同じように食中毒やノロウイルスにかかる危険性があります。牡蠣のような二枚貝はノロウイルスをもともと持っているわけではありません。

ノロウイルスに感染した人間の排泄物が下水として流れ、浄化されずに残ったウイルスが海水に流れ込み、牡蠣はプランクトンをエサとして食べるため、そこで牡蠣はノロウイルスを取り込んでしまいます。

そのため、生牡蠣を食べると食中毒やノロウイルスにかかることがあります。猫が食中毒などになった場合の症状は、下痢や嘔吐、痙攣などの症状が出て、元気もなくなってきます。

猫も辛い思いをするため、生牡蠣にはかなりの注意が必要です。食中毒やノロウイルスのような症状が出た場合には、必ず獣医師さんに診てもらいましょう。

チアミン(ビタミンB1)欠乏症を引き起こす

チアミン欠乏症とは、ビタミンB1が体内で不足することにより嘔吐や食欲低下などを引き起こし、酷くなると歩き方がおかしくなったり、運動障害が出てきたりします。生牡蠣や生のイカやタコには、チアミナーゼというビタミンB1を分解する酵素を含んでいます。

猫は人間よりもビタミンB1が身体に必要で、生牡蠣などのチアミナーゼを含む食べ物を食べると、チアミン欠乏症になります。チアミナーゼは牡蠣やタコなどをしっかり加熱することでその活発な活動は収まります。

チアミン欠乏症は深刻な場合には死に至る場合もあるため、愛猫の命を守るためにも、生牡蠣は与えないようにしましょう。

甲殻類アレルギーになる可能性がある

猫も食物アレルギーを持っている場合があり、その中で甲殻類アレルギーを持っている子がいます。食物アレルギーは特定するのは難しく、実際にその食べ物を食べてみないとわからない場合が多いです。

牡蠣などの初めての食べ物を与える場合は、一気に多い量を与えずに最初は少量を与えるようにしましょう。もし、甲殻類アレルギーだった場合に最初から多い量を与えてしまうと、症状が重くなる可能性があります。

アレルギー症状の例として、皮膚がかゆくなったり、目の充血、嘔吐や下痢などがあります。ですが、食べてすぐにアレルギー反応が出るわけではなりませんので、与えてからしばらくの間は猫の状態をしっかり見てあげるようにしましょう。アレルギー症状が出るようであれば与えるのはやめて、獣医師さんに診てもらいましょう。

牡蠣に含まれる栄養素と期待できる効果

ペロペロと舐める猫

牡蠣には猫の健康を保つのにとても良いビタミン類やミネラルなどの栄養素がたくさん含まれています。牡蠣に含まれる主な栄養素と猫の身体にどんな良い影響があるのかを下記でご紹介します。

  • 亜鉛により皮膚や被毛の健康を保つ
  • タウリンやビタミンB12による貧血・視力低下などの予防

亜鉛により皮膚や被毛の健康を保つ

ミネラル類の亜鉛は細胞の成長に必要な栄養素で、人間にとっては髪に栄養を与えて綺麗な髪を保つ作用があるように、猫にとっては艶のある被毛を保つのに重要な役割を担っています。

皮膚の健康状態を保つのにも欠かせない栄養素であり、細胞の入れ替わりが激しい皮膚は、亜鉛が不足するとちゃんと皮膚の細胞が入れ替わらなくなり、皮膚病になる可能性が高くなります。

また、亜鉛の不足により、細胞の集まっている舌は味覚を感じなくなってしまうことがあり、味覚障害を発症させることで食欲低下も招きます。亜鉛をしっかり摂取していると、猫の毛艶をキレイにふわふわに保つことができますし、皮膚病を発症する可能性も低くなります。

タウリンやビタミンB12による貧血・視力低下などの予防

アミノ酸の一種であるタウリンは、牡蠣やあさりなどの貝類やタコやイカなどにも多く含まれています。猫は自分の身体の中でタウリンを作りずらいのに対し、猫にとってはとても必要な栄養素のため、エサから身体に取り込むことになります。

タウリンは肝機能における胆汁を作ったり、視力低下・貧血・動脈硬化の予防など様々な効果があります。タウリンが足りなくなると、視力機能の障害を起こすことが実験でもわかっています。

ビタミンB12は赤血球の形成のために必要な栄養素で、血液を作るのにとても重要な役割を果たしており、貧血予防になります。ビタミンB12はしじみや牡蠣の貝類、レバーなどに多く含まれています。また、ビタミンB12は神経機能を回復させる効果があり、神経麻痺などを防ぐ効果があります。

まとめ

お皿を見つめる猫

牡蠣は猫の健康状態を保つためにとても大事な栄養素がたくさん含まれている食べ物です。与えていいか迷う飼い主さんもいると思いますが、与え方に注意すれば猫が食べても大丈夫ですし、むしろ与えることによって必要な栄養素を摂取することができます。

ですが、人間でも牡蠣による食中毒などになった場合はとても辛いため、猫も牡蠣によって食中毒などになるととても苦しむことになります。酷い場合は死に至る場合もあるため、生牡蠣やカキフライは与えないように、与える場合はしっかりとした知識を身につけてからにしましょう。

牡蠣自体を与えるのに抵抗がある場合は、現在ではちゅーるなどの牡蠣が入ったおやつも販売しているので、おやつで与えてもいいと思います。

市販のフードでも栄養はありますが、フードだけでは不足しがちな栄養素もありますので、愛猫の貧血・視力低下予防のために、たまに牡蠣を与えてみてもいいかもしれません。これから愛猫が長生きしていけるように、食生活もしっかり考えていきましょう。