猫の耳が臭くなる原因と病気
猫の耳が臭くなる原因として考えられるのは、外耳炎や中耳炎、内耳炎などの病気、ダニ等の寄生する虫や異物侵入が原因の場合や、アレルギーなどが原因による耳垢と考えられています。
外耳炎
猫の耳の穴の中は、外耳と中耳、そして内耳とわかれていて、耳穴の入り口から鼓膜までを外耳といいます。外耳炎にかかると猫の耳垢の量が多くなり、臭くなりますが、炎症によって発生する皮脂や分泌物などが増えることが原因です。
外耳炎とは、炎症が起こることによる耳の皮膚表面の痛みや腫れ、かゆみ等の症状がみられ耳垢が出る病気です。何かの拍子に猫の耳の中に水分が入って外耳内が湿ることで、マラセチアや細菌の感染が起こることがあります。
猫の耳がマラセチアに感染すると、黒茶色でネットリと湿っていて耳垢が多く出るようになり、臭くなります。また猫の耳が細菌に感染すると、耳垢は黄緑色の膿のような特徴を持ち、臭くなります。
耳ダニ
猫が耳ダニに感染すると、耳の中で増殖し少しカサついた黒色の耳垢がたまることによって、臭い匂いがするようになります。そして激しいかゆみを伴うことが特徴で、耳かき赤く腫れます。特に家の外に出る猫は、耳ダニに感染する可能性が高くなるので注意しましょう。
中耳炎や内耳炎
猫の耳の穴は、外耳・中耳・内耳と3つにわかれていて、中耳は鼓膜の奥の部分を指し、役割は耳の奥へ振動を伝えることです。さらに奥には内耳という部分があり、平衡感覚や聴覚をつかさどる神経があります。
外耳炎の重症化により、鼓膜の奥にある中耳や内耳まで炎症が広がり猫の耳が臭うこともあります。脳神経系に影響を及ぼすこともありますので、治療を動物病院でできるだけ早くすることが大事です。
中耳炎や内耳炎の原因の多くは、外耳炎の重症化により鼓膜に穴があき、炎症が中耳や内耳まで及ぶことにより起こります。マラセチアや細菌などの微生物が原因になることが多いです。
別の原因として、腫瘍や猫の耳の中に異物が侵入し、鼓膜に傷がついたり穴が空いたりすることもあります。が原因になることが多いです耳炎を発症した猫は旋回行動、(回りながら歩く)や、斜頸(頭を傾けたりする症状)がみられることもあります。
さらに食欲不振になって吐いたり、平衡感覚が失われて倒れることもあります。
アレルギー
猫のアレルギーは、「ダニや動物の毛、花粉などを吸い込む」、「食物アレルギー」やアレルゲンになるものに接触する」などが原因になり痒みが出ることがあります。
このようなアレルギーが原因になり掻きむしることで皮膚や粘膜などのバリア機能が低下し、マラセチアや細菌の感染による外耳炎を起こしやすくなります。
猫の耳が臭いときの対処法
耳掃除の方法
猫の耳内に耳垢が溜まって臭い匂いがする場合や、猫が耳をかく動作をしているときには耳清掃をした方が良いです。はじめに、ガーゼやコットンを用意して、人肌くらいの水温のお湯、又は猫耳用クリーナー液に浸して強めに絞りましょう。又は手元になければウエットティッシュでも代用が可能です。
猫の耳は繊細なので傷つけないように優しく、強くこすらないようにすることを心がけましょう。はじめに猫の耳の先端付近を軽く指でやさしく掴み、ゆっくりと引っ張り上げて耳の中を見えるようにします。
次に臭い匂いの原因となる汚れや耳垢を確認し、やさしく耳の内側から外側へ向かって拭き取ります。無理に耳奥の耳垢や汚れは取らずに、見える範囲をきれいにすることができればOKです。
外耳炎などの治療方法
猫の耳から臭い匂いがしないようにするためや、外耳炎にならないようにするために、猫の耳を清掃しましょう。清潔に耳内を保ち細菌等による感染を防ぐことができ、予防にも大変効果的です。
しかし、猫の耳奥が非常に汚れている場合や匂いがとても臭いときなど、外耳炎などが疑われるときは早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。
炎症の原因に応じた治療が行われますが、マラセチアや細菌による炎症の場合には、抗マラセチア薬や抗炎症薬、又は抗生物質による内科的治療が行われます。
しかし腫瘍などが原因の場合には、外科的治療を施術されることもあります。
まとめ
猫の耳が臭くならないように予防の観点からも耳清掃の大切さを理解していただけたと思います。一般的に猫の耳が臭いときには、外耳炎などの病気が疑われる場合や、耳垢がたくさん溜まっていることが原因である可能性が考えられます。
常日頃から愛猫とコミュニケーションを取りながら、いつもと違う様子の変化を見逃さないように注意しペットの異変を察知することが大切です。
猫の耳から臭い匂いがする場合は注意して、症状がひどくなる前に動物病院へ連れて行ってあげてくださいね。